知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年8月5日~8月10日)
8月5日~8月10日の週のNYダウは不安定で方向感が出にくい状態になりそうだ。
日経平均株価は、上値の重い状態が続くと考えられる
先週の振り返り
7月29日~8月3日の週の日経平均株価は大幅下落し、軟調だった。
29日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となると、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は堅調に推移し、前週末比801円22銭高の38,468円63銭で取引を終えた。
30日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウの下落に加えて前日の大幅反発の反動から、売り優勢となると下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、様子見ムードから下げ幅を縮小すると小幅上昇し、前日比57円32銭高の38,525円95銭で取引を終えた。
31日(水)は、前日のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価はハイテク株を中心に売り優勢となった。
後場の日経平均株価は日銀金融政策決定会合の結果を前に不安定に推移したものの、追加利上げが決定すると一時600円超上昇するなど反発し、前日比575円87銭高の39,101円82銭と3日続伸して取引を終えた。
1日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したのとは反対に、日経平均株価は円高進行を受けて売り優勢となった。
後場の日経平均株価は円高を嫌気した売りが続き、前日比975円49銭安の38,126円33銭と大幅反落して取引を終えた。
2日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の大幅反落に加えて円高進行もあり、売り優勢で開始すると全面安となった。
後場の日経平均株価はこの日発表の米雇用統計を前に様子見ムードとなり、過去2番目の下げ幅となる前日比2216円63銭安の35,909円70銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
8月5日~8月10日の週のNYダウは不安定で方向感が出にくい状態になりそうだ。
その理由として、9月の利下げ確度が高まった一方、米国の景気後退に対する警戒感が高まっていることが挙げられる。
30日(火)と31日(水)に開催された米FOMCでは、市場予想どおり金利は据え置かれた。
パウエルFRB議長は31日(水)に行われた記者会見で、4-6月期の物価指標が目標の2%に向かって持続的に低下しつつあるという確信を強めたとし、今後の物価や労働市場の動きによっては、早ければ9月の米FOMCで利下げを検討できると述べた。
市場は9月利下げの確度が高まったとして、パウエルFRB議長の発言を好感。
この日のNYダウやナスダック総合指数は上昇するなどポジティブな反応を示した。
その一方で、31日(水)発表の7月米ADP雇用統計や1日(木)発表の7月米ISM製造用景況指数は、事前予想を下回るなど結果が冴えないものが多く、市場は米国の景気後退を警戒しつつある。
これまで利下げ時期を計るべく、市場は米国のインフレを注視していたが、今回のFOMCを経て9月利下げの確度が高まったことから、市場の関心は米国の景気にシフトしているようだ。
以上のことから、2日(金)発表の7月米雇用統計の結果にいつも以上に市場の注目が集まったが、結果は弱いものとなった。
今回発表された7月米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比+17.5万人に対し、+11.4万人と大幅に下回る結果に。
7月の失業率についても、事前予想の4.1%に対し4.3%となり、前月の4.1%からも悪化している。
今回の米雇用統計で懸念されているのが、失業率がサーム・ルールに該当したことである。
サーム・ルールとは、直近3ヶ月の失業率の移動平均から、過去12か月で最低となる失業率の3か月平均を引いた数値をみて、景気後退か否かを察知するための法則である。
この数値が0.5を上回った場合に景気後退の可能性が高いとされており、今回の米雇用統計で発表された失業率が4.2%よりも悪化した場合には、サーム・ルールの条件を満たすとして注目されていたのである。
既述したとおり、結果は4.3%と事前予想よりも高い失業率となってしまったため、この日のNYダウは軟調に推移した。
米国の景気動向を測るため、市場は8月5日~8月10日の週に発表される米経済指標の結果を重視するだろう。
中でも、5日(月)の7月米ISM非製造業景況指数は注目度が高い指標であるため、結果に注意したい。
また、8月5日~8月10日の週は複数のFRB関係者の講演が予定されているため、発言に注意が必要だ。
さらに、8月5日~8月10日の週も、キャタピラー(CAT)など米企業の決算発表が続くため、結果がNYダウに及ぼす影響にも留意したい。
今週の日経平均株価は?
8月5日~8月10日の週の日経平均株価は上値の重い状態になりそうだ。
その理由として円高が進行していることが挙げられる。
31日(水)に日銀が追加利上げを発表した一方、米FRBが9月利下げの可能性を示唆したため、円高が進行。
日本の株式市場の参加者は、金額ベースで見た場合に7割が海外投資家であるため、円高進行を受けて利益確定売りの動きが強まったと推測される。
為替動向に一喜一憂する動きは8月5日~8月10日の週も続くと考えられ、日経平均株価は上昇しづらく、円高に振れた場合には下落しやすいだろう。
また、米国の景気後退が懸念されていることも、日経平均株価の重しになると考えられる。
上昇するための材料が乏しく、下落しやすい地合いが続くと考えられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
8月5日~8月10日の週に推奨したいのは、小売りの中でも輸入家具や雑貨を扱うところである。
たとえば、海外で家具を製造し、国内で販売している小売り企業や、100円ショップのように商品の大多数が海外生産品である小売企業にとっては、円高はメリットとなる。
そのため、円高が進行するときには選好されそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、輸出関連である。
円高が進行していることから、輸出割合が高い企業に関しては業種問わず嫌気されると考えられるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、8月5日~8月10日の週は5日(月)の7月米ISM非製造業景況指数のほかに、5日(月)に7月米サービス業PMI、7月米総合PMIの発表がある。
また、5日(月)に日銀金融政策決定会合議事要旨も発表される。
これらの結果や内容に注意が必要だ。