知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2024年9月23日~9月28日)
9月23日~9月28日の週のNYダウは方向感が出にくくなりそうだ。
一方、日経平均株価は、週の前半はNYダウなどの米株価指数の影響を受けやすいと考えられるが、週の後半は値動きが大きくなる可能性があるため、注意が必要だ。
先週の振り返り
9月16日~9月21日の週の日経平均株価は、週のはじめは下落したが、その後は上昇し堅調だった。
16日(月)は祝日のため、東京株式市場は休場だった。
17日(火)は、前日のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したが、円高進行が一服したことから、日経平均株価は買い戻し優勢に。
しかし、再び円高が進行すると下落に転じ、下げ幅を拡大すると一時700円超安となった。
後場の日経平均株価は上値が重く底這いとなり、前週末比378円54銭安の3万6,203円22銭で取引を終えた。
18日(水)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したため、日経平均株価は買い優勢でスタートしたが、上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は円高進行を受けてマイナス圏に転落したが、前日比176円95銭高の3万6,380円17銭と反発して取引を終えた。
19日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したのと裏腹に、為替が円安に振れたことを受けて買い優勢となると、一時1,000円超上昇した。
後場の日経平均株価は高値圏で足踏み状態となり、前日比775円16銭高の3万7,155円33銭で取引を終えた。
20日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反発したことから買い優勢となると、半導体関連株の上昇を受けて上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、植田日銀総裁の記者会見を前に様子見ムードとなり、前日比568円58銭高の3万7,723円91銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
9月23日~9月28日の週のNYダウは、方向感が出にくい展開になりそうだ。
その理由として、パウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を強調したことが挙げられる。
17日(火)、18日(水)の2日間にわたり開催された米FOMCでは、利下げが行われるとの見方がされていた。
市場では25bpsと50bpsのどちらの利下げが行われるかという点に注目が集まっていたが、ミシガン大学消費者信頼感指数の1年期待インフレ率の低下などが材料視され、50bpsの利下げが行われるのではないかとの期待が高まっていた。
18日(水)の米FOMC終了後、通常の2倍となる50bpsの利下げが行われることが発表されると、市場にとってポジティブサプライズとなったため、発表直後のNYダウは上昇した。
しかし、パウエルFRB議長が記者会見で、「現在のインフレ率は2%に近づいているものの、2%ではなく、任務が完了したといえる状態ではない」「大幅利下げが続くと考えるべきではない」と発言し、今回の利下げ幅が今後の標準になるとは考えていないとの認識を示したため、最終的にこの日のNYダウは下落した。
なお、2024年中は残り2回の会合が予定されているが、今回FRBが公表したFOMC参加者のドット・チャートによれば、2024年末時点における金利水準の中央値は4.4%と前回6月よりも引き下げられ、11月、12月の会合で、合わせて50bpsの利下げが行われる見通しとなっていることが判明した。
また、2025年末の金利水準の中央値は3.4%、2026年末の金利水準の中央値は2.9%となっていることも判明している。
FOMC後のパウエルFRB議長の発言により下落したNYダウだが、翌日には利下げによる景気への好影響やソフトランディングを期待して上昇した後、堅調に推移している。
市場の興味は米国の景気動向に移っていると考えられることから、24日(火)の9月米消費者信頼感指数や26日(木)の4-6月期米四半期GDP(確定値)、27日(金)の8月米個人消費支出など、米経済指標の結果にNYダウの動向が左右されやすくなると考えられるため、注意したい。
また、25日(水)に米半導体大手のマイクロン・テクノロジーの決算発表があることも、NYダウの方向感が出にくくなると考えられる理由の一つである。
市場予想を上回る結果となれば、NYダウの押し上げ要因になると考えられるが、市場予想を下回るものとなった場合には、NYダウの下落要因になる可能性があるため、注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
9月23日~9月28日の週の日経平均株価は週の前半は、23日(月)が祝日で休場となるものの、24日(火)以降はNYダウなど米株価指数や為替動向の影響を受けやすいと考えられる。
週の後半は値動きが荒くなる可能性があるため注意したい。
27日(金)が権利落ち日となることに加え、この日は自民党総裁選の結果が判明する。
選出された候補者によって、ご祝儀相場になったり、反対に株価が軟調に推移したりする可能性もあり、値動きが大きくなると考えられるため、日経平均株価の動向には十分に注意したい。
今週の推奨セクター
9月23日~9月28日の週に推奨したいのは、セメントである。
内需は低調だが、海外が堅調で輸出が増加している。
中でも米国ではインフラ需要が高位に安定する一方で、民間の需要がやや軟調になるとみられている。
しかし、円安や価格改定効果などにより、堅調に推移しそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは非鉄の中でも亜鉛を扱うところである。
欧州の精錬所の操業コスト改善による再稼働や、中国における精錬の増強に伴う生産増などを受けて、世界の亜鉛受給バランスは供給過剰にある。
建設や自動車など亜鉛の用途先となる業界での需要が増加する、あるいは、コスト高により亜鉛の供給が停滞するなどの要因がない限り、供給過剰の解消は難しいとみられるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、9月23日~9月28日の週は、24日(火)の9月米消費者信頼感指数、26日(木)の4-6月期米四半期GDP(確定値)、27日(金)の8月米個人消費支出のほかに、23日(月)に9月米製造業PMI、9月米サービス業PMI、9月米総合PMI、24日(火)に9月米リッチモンド連銀製造業指数、25日(水)に8月米新築住宅販売件数、26日(木)に8月米耐久財受注、27日(金)に9月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。