知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年9月30日~10月5日)
9月30日~10月5日の週のNYダウは、米雇用統計などの米経済指標の結果に左右されやすい動向になりそうだ。
一方、日経平均株価は軟調に推移しそうだ。
先週の振り返り
9月23日~9月28日の週の日経平均株価は、小幅下落する日もあったが、週間では大幅上昇した。
23日(月)の東京株式市場は祝日のため休場だった。
24日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢で取引すると700円超上昇する場面もあったが、買い一巡後は円安一服などから上げ幅を縮小し、もみ合いとなった。
後場の日経平均株価は38,000円を挟んでもみ合いとなると、前週末日比216円68銭高の37,940円59銭で取引を終えた。
25日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したものの、日経平均株価は法億巻に欠ける展開となると、38000円水準でもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は足踏み状態が続き、前日比70円33銭安の37,870円26銭と5営業日ぶりに小反落して取引を終えた。
26日(木)は前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したが、日経平均株価は円安進行を背景に買い優勢となると、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は円安が進行したことから輸出関連株を中心に買い優勢が続き、前日比1,055円37銭高の38,925円63銭と急反発して取引を終えた。
27日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したことを受けて買い優勢となったが、この日の午後に行われる自民党総裁選の投開票を前に、様子見ムードとなった。
後場の日経平均株価は自民党総裁選で高市早苗経済安全保障担当相が得票数でトップとなったことを受けて900円超高となり、前日比903円93銭高の39,829円56銭と大幅続伸して取引を終えた。
今週のNYダウは?
9月30日~10月5日の週のNYダウは、4日(金)の米雇用統計をはじめとする米経済指標や要人発言に左右される展開になりそうだ。
23日(月)にシカゴで開催されたイベントに出席したシカゴ連銀のグールズビー総裁は、質疑応答で「2%の軌道にあるという確信を得た今、雇用のリスクにいっそうの重点を置くことが適切である」「向こう1年で、より多くの利下げがあることを意味する可能性が高い」と質疑応答で述べた。
また、同日にミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が小論文を発表。
現在、積極的な行動の必要性は低いと考えているものの、9月のFOMCで決定した利下げについて、自身はさらに大幅な利下げを支持していたことや、別の利下げ幅を支持する可能性もあったことを指摘し、ここ数カ月はディスインフレプロセスが軌道に乗っていることを示すトレンドであり、インフレ率が今後想定外に上触れする可能性はほとんどないとの見解を示した。
一方、同日に欧州経済・金融センター主催のイベントで講演した米アトランタ連銀のボスティック総裁は、今回の大幅利下げについて肯定的な見解を示したが、インフレ再燃の可能性に対する懸念などを理由に、FRBは大幅利下げペースを確約するべきではないと指摘している。
このように、各米連銀総裁が今回の大幅利下げに肯定的な見方を示しているが、今後の利下げに対する見解は分かれているようだ。
ただ、いずれも労働市場軟化のリスクが高まっていることから、健全な経済バランスを保つことを目的に今回の大幅利下げが行われたとしているため、4日(金)発表の9月米雇用統計に注目が集まるだろう。
債券市場では、FRBがインフレ抑制から最大雇用実現に政策運営の軸足を転換するため、インフレの不安が再燃するのではないかとの見方が一部の市場参加者の間で広がっている。
そうした中、FRBがインフレ動向を見極めるうえで重視する米個人消費支支出が27日(金)に発表された。
8月米個人消費支支出(PCE)は、事前予想を下回る前月比+0.2%(事前予想:同+0.3%)、前年同月比+2.2%(事前予想:同+2.3%)となった。
また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEは、事前予想を下回る前月比+0.1%(事前予想:同+0.2%)となり、前年同月比は事前予想どおり+2.7%となった。
伸びの鈍化が確認できる結果であったため、市場では11月のFOMCで9月と同じ50bpsの利下げが行われることはないとの見方が広がっている。
むしろ、4日(金)の9月米雇用統計がFRBの利下げペースに与える影響が大きいと見ている模様であるため、結果には注意が必要だ。
今後利下げペースはゆっくりしたものになるとの見方が強まっているが、これを覆すような結果になった場合にはNYダウの上昇要因になるだろう。
また、米雇用統計の前哨戦とされる2日(水)の9月米ADP雇用統計の結果にも注意したい。
さらに、30日(月)にはパウエルFRB議長の発言が予定されているため、こちらにも注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
9月30日~10月5日の週の日経平均株価は急落が予想されるため、注意が必要だ。
すでに報じられているとおり、市場は自民党総裁選の第1回投開票の結果を受けて、高市早苗氏の新総裁就任を織り込んでいた。
しかし、第2回投票で石破茂氏が新総裁に就任することが判明したため、日経平均先物は37,440円に急落。
為替も1ドル142円台になるなど、前日から3円ほど円高が急進している。
石破ショックともいわれているが、石破氏は法人税や金融所得課税の強化を掲げているため、市場からは歓迎されにくいとみられている。
そのため、9月30日~10月5日の週の日経平均株価は、まずは石破ショックの影響がいつ収束するのかに注目する必要があるだろう。
日経平均株価の落ち込みが想定より緩やかなものになったとしても、円高が進んでいることが懸念材料である。
日経平均株価は上値を抑えられやすく、上昇トレンドに転じにくい状態になりそうだ。
今週の推奨セクター
9月30日~10月5日の週に推奨したいのは、防災関連銘柄や北陸に地盤を置く土木関連銘柄である。
自民党新総裁に就任した石破氏が防災省の創設を訴え、能登の復興を最優先事項に挙げていることから、思惑買いが入る可能性がある。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは輸出関連銘柄である。
石破首相誕生で円高が急激に進んでいるため、一服するまでは軟調に推移しそうだ。
今週の経済指標
なお、9月30日~10月5日の週は、30日(月)のパウエルFRB議長発言、2日(水)の9月米ADP雇用統計、4日(金)の9月米雇用統計のほかに、1日(火)に9月米ISM製造業景況指数、8月米JOLTS求人件数、3日(木)に9月米サービス業PMI(改定値)、9月米総合PMI(改定値)、9月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。