知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2024年11月25日~11月30日)
11月25日~11月30日の週のNYダウは、上値は限定的なものの、底堅い展開になると考えられる。
一方、日経平均株価は上値の重い展開になりそうだ。
先週の振り返り
11月18日~11月23日の週の日経平均株価は上昇する日もあったが、週間では軟調だった。
18日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が下落したことを受けて売り優勢となった。
後場の日経平均株価は、大型株を中心に軟調に推移し、前週末比422円06銭安の38,220円85銭で取引を終えた。
19日(火)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したため、日経平均株価は小動きとなった。
後場の日経平均株価は半導体関連株を中心に上げ幅を拡大し、前営業日比193円58銭高の38,414円43銭で取引を終えた。
20日(水)は、前日のNYダウが下落し、ナスダック総合指数が上昇したため、日経平均株価は小動きで推移した後に下落した。
後場の日経平均株価は、一時38,100円台まで下落した後に買い戻しが入る場面もあったが、前日比62円09銭安の38,352円34銭と反落して取引を終えた。
21日(木)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したが、この日の日経平均株価は小動きで取引を開始し、米エヌビディアの決算を受けて半導体関連株を中心に徐々に下げ幅を拡大すると、もみ合いとなった。
後場の日経平均株価は400円超安となる場面もあったが、前日比326円17銭安の38,026円17銭と続落して取引を終えた。
22日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから、買い優勢となると38,400円台まで上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は利益確定売りの影響でもみ合いが続き、前営業日比257円68銭高の38,283円85銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
11月25日~11月30日の週のNYダウは、積極的に上値を追う展開にはなりにくいと考えられるが、底堅く推移しそうだ。
その理由として、FRBが再びタカ派姿勢を示していることが挙げられる。
20日(水)にFRBのボウマン理事がフロリダ州パームビーチで行う講演原稿の中で、インフレ抑制の進展が停滞していることから、さらなる利下げには慎重な姿勢で臨みたいとの認識を示したことが報道された。
また、21日(木)にはシカゴ連銀のグールズビー総裁が、FRBは追加利下げを行わなければならないとの考えを支持するとともに、来年の金利が現状を下回るとの見通しを示したが、利下げは一段と緩やかなペースで行わなければならないと表明した。
FRBの理事の中で最もタカ派的といわれるボウマン理事の発言に対し、早期利下げを期待する市場は失望感を示したため、この日のNYダウは一時的に下落したが、翌日のグールズビー総裁の発言を受けて、再び安心感が広がった模様である。
ただし、グールズビー総裁はより緩やかなペースでの利下げを示唆しているため、現状は、大幅利下げを期待する市場の期待には沿わない可能性が高そうだ。
なお、20日(水)にバージニア大学で開催されたイベントで講演したFRBのクック理事は、時間をかけて政策金利を中立的なスタンスに近づけるのが適切との見方を示し、「労働市場が強い状態が続く場合には、金利の低下を一時的に停止するシナリオも考えられる」「労働市場が著しく軟化すれば、緩和のペースを速めることも適切である」として、利下げは労働市場の状況によると発言している。
そのため、11月25日~11月30日の週も、米経済指標の結果に左右されやすい状態が続くとみられ、注意が必要だ。
26日(火)に10月米新築住宅販売件数が発表されることに加え、同日には米FOMC議事要旨も公表される。
さらに、27日(水)には10月米個人消費支出と7-9月期米四半期GDPも発表されるため、これらの結果には注意したい。
強い結果となった場合にはNYダウの下押し要因になると考えられるが、下落しても限定的なものになりそうだ。
なぜなら、29日(金)はブラックフライデーであり、本格的な年末商戦に突入するためである。
ブラックフライデーの好調に対する期待感から、下落する場面でも下値は堅いと考えられる。
なお、28日(木)は感謝祭のため、米国市場は休場となることに留意したい。
今週の日経平均株価は?
11月25日~11月30日の週の日経平均株価は、NYダウやナスダック総合指数の動きに影響されやすいと考えられるが、材料難から上値が重くなりそうだ。
ロシア・ウクライナ情勢がいっそう緊迫化したときには円高が進む可能性があり、その場合、日経平均株価は下落すると考えられるため、注意したい。
今週の推奨セクター
11月25日~11月30日の週に推奨したいのは、不動産のなかでも首都圏を中心に中古マンションを手掛けるところである。
新築・中古ともに在庫が減少しているため成約件数は減少しているが、1平米当たりの単価が上昇。
特に中古マンションの1平米当たりの単価は54か月連続で上昇が続いている。
在庫の影響で販売数も減少しているが、新築マンションの在庫減少や割安感から中古マンションの販売は堅調に推移するとみられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、鉄鋼や電線を扱うところである。
日本から米国に輸出する鋼材はごくわずかであることから、トランプ米大統領が来年1月に就任し、追加の輸入関税引き上げが行われた場合の影響は比較的小さいと考えられる。
ただし、米国へ輸出予定だった鋼材が日本の輸出先に流入するようになるなどの需給悪化リスクが考えられるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、11月25日~11月30日の週は、26日(火)の10月米新築住宅販売件数、米FOMC議事要旨の公表、27日(水)の10月米個人消費支出、7-9月期米四半期GDPのほかに、26日(火)に11月米消費者信頼感指数、11月米リッチモンド連銀製造業指数、27日(水)に10月米耐久財受注の発表があるため、これらの結果にも注意したい。