知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年7月27日~7月31日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
先週の振り返り
2020年7月27日~2020年8月1日の週の日経平均株価は、企業の決算発表シーズンに入ることから、個別株の動向が日経平均株価の動向を左右するだろう。
その一方で、米中対立が急速に激化していることが相場の重しとなり、引き続き上値の重い展開になりそうだ。
2020年7月20日~2020年7月25日の週の日経平均株価は、週明け月曜日(20日)は前週末の米ハイテク株高が後押ししたものの、すぐに失速し、マイナス圏へ。
アナリストがアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトの目標株価を引き上げたことから、この日のナスダックが史上最高値を更新すると、翌火曜日(21日)の日経平均株価はハイテク株を中心に買われ、上昇。
しかし、新型肺炎の感染者数が引き続き高止まりになったことが懸念され、伸び悩む展開に。
連休前の最終日である水曜日(22日)は、前日のナスダックが高値警戒感から売られて下落したことに加え、4連休前に利益確定売りをする動きも強く、終始軟調となった。
前週末比でみると55円程度と小幅に上昇して取引を終えたことからも、方向感の出ない一週間であったと言える。
その前の週に続き、新型肺炎の新規感染者数の増加が重しとなったようで、東京だけでなく、大阪や愛知、福岡などでも感染者数が急増していることから、景気回復の遅れが懸念されたようだ。
その一方で、米製薬大手のファイザーと独バイオ医薬品のビオンテックによる新型肺炎ワクチン開発の進捗が、市場にとって明るい材料となった。
米ファイザーと独ビオンテックは開発中の新型肺炎ワクチンについて、米国に続き、ドイツの治験でも好結果が得られたことを、7月20日に発表した。
さらに7月22日には、両社が開発中の新型肺炎ワクチンについて、規制当局の承認を前提に、最大6億回分を米政府に供給することで合意したと発表している。
新型肺炎のワクチンが開発されることで、経済活動が正常化するのではないかとの期待感が高まり、相場にとっては好材料となった。
米中対立が激化が懸念材料
2020年7月27日~2020年8月1日の週についても、新型肺炎に関するワクチンや特効薬に関し、進展がみられる内容のニュースは、相場にとってポジティブ材料になるだろう。
その一方で、懸念材料もある。
それは、日本が4連休に入ってから、米中対立が激化していることである。
米国がテキサス州ヒューストンにある中国の総領事館の閉鎖を求めたことに対抗し、中国は四川省成都市にある米国の総領事館の閉鎖通知をしたことを発表したのだ。
今回、米国がヒューストンの中国総領事館の閉鎖を求めた理由は明らかになっていない。
ただ、米国務省のオルカダス報道官は、「米国の知的財産と米国人の個人情報を守るためだ」と説明していて、知的財産の盗用など、中国による米国の利益侵害行為があったと判断したものとみられている。
米国内の他の中国大使館や領事館の閉鎖についてもあり得ると、トランプ米大統領は示唆しているが、もしそうなれば、中国側も国内の米総領事館などの閉鎖等、報復を相次いで行うことが考えられ、米中対立は激化するだろう。
このことが懸念され、24日のNYダウは下落して始まり、前日比182ドル44セント安の26,469ドル89セントで取引を終えた。
なお、最先端半導体の発売の遅れが懸念されたインテル株の下落も、NYダウ株の押下げ要因となったようだ。
また、ナスダックについては、中国での売上高が大きいアップルなどを中心に下落して取引を終えている。
決算発表の内容を要チェック
米中対立のこれ以上の激化はないと考えられるような安心材料が週明けまでに出れば別だが、そうでなければ、月曜日(27日)の日経平均株価には、下押し圧力が強くかかるだろう。
そして、このまま米中対立が激化すれば、2020年7月27日~2020年8月1日の週の日経平均株価は軟調に推移する可能性が高い。
ただ、冒頭でも書いたように企業の決算発表シーズンに入るため、市場コンセンサスを上回る内容の決算が、日経平均株価の構成銘柄…特に寄与度の高い銘柄で発表されれば、それが株価の押し上げ材料になると考えられる。
とはいえ、日経平均株価が上昇トレンドを形成するまでになるかというと、その可能性は少なく、あくまでも一過性の上昇になる可能性が高いことには留意したい。
日経平均株価が上昇トレンドを形成するためには、今回発表される決算が、新型肺炎の流行下でも強い内容のものが多くみられなくてはならない。
つまり、新型肺炎の影響をこなし、増収増益を確保しているものが多くみられた場合には、日経平均株価はもみ合いから脱し、23,000円台に安定的に乗せるだろう。
また、日銀のETF買い入れも株価を下支えするとみられる。
日銀はETFの買い入れ判断をこのところ緩めてきているため、株価が急落しても、そのまま下降トレンドを形成するに至らず、底堅く推移すると考えられるのだ。
今週はFOMCの内容に要注意
なお、7月27日~2020年8月1日の週で気を付けたいのは、28日と29日に開催されるFOMCである。
前回の会合で議論されたフォワードガイダンスや、イールドカーブ・コントロールの導入、量的緩和の拡大について、FOMCが触れるかどうかに注目したい。
また、30日に発表される米国の4月~6月期GDPの結果にも注意したい。
また、国内に関しては、引き続き新型肺炎の感染拡大の動向にも気を付けたいところだ。
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