知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年8月24日~8月28日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は底堅いものの方向感の出にくい展開に
2020年8月24日~2020年8月29日の週の日経平均株価は、底堅いものの方向感の出にくい展開になりやすいだろう。
2020年8月17日~2020年8月22日の週の日経平均株価は、23,000円を挟んだ動きとなった。
17日(月)は前週末のNYダウの下落に加え、この日発表された日本の4-6月期GDPが戦後最大の落ち込みとなったことが嫌気され、利益確定売り優勢となった。
そこからの回復は鈍く、19日(水)に内需株を中心に買い戻しの動きがあったものの、上値を追う展開にはならず、前日比小幅高で取引を終えている。
翌20日(木)は再び下落し前日比229円99銭安の22,880円62銭で取引を終えた。
そして、21日(金)は、前日比39円68銭高の22,920円と小戻しして取引を終えている。
週末の手じまい売りが入ったことも主因だが、コロナショックからの日本企業の業績回復遅れや日本の景気先行き不安が上値を抑えたと考えられる。
以前も書いたように、8月は、夏枯れ相場で軟調な展開になりやすい。
ただ、今年については、上値は重くても底堅い印象である。
とはいえ、2020年8月17日~2020年8月22日の週に関しては、日経平均株価は方向感に欠ける展開となっている。
一方で、マザーズ指数は年初来高値を更新するなど強含みとなった。
中小型株に資金流入
このところの株式市場の特徴として、中小型株に資金が流れているということが挙げられる。
これは日本国内にとどまらず、海外でもみられる傾向である。
理由としては、今回のコロナショックを機に、各国が景気を下支えするために、大規模な金融緩和を行ったことが挙げられる。
それに加え、今期はコロナショックによって業績見通しが立たず、通期会社計画を未公表とする会社が多い中、中小型株については会社計画を公表している会社が比較的多く、下方修正の割合も小さい傾向にあることが、選好される理由として考えられるのだ。
中小型株は、米国の金融引き締めを機にパフォーマンスが下がっていたが、今回の大規模金融緩和により持ち直し、パフォーマンスが急回復している。
なお、21日にFRBが公表したFOMC議事要旨によれば、7月の同会合で実施した米国の利下げについては、サイクル半ばの調整であって、長期的な利下げサイクルの一環であるとは考えていないことが示唆されている。
とはいえ、コロナショックが米経済にもたらす悪影響について、「中長期的には経済見通しにとって、かなり深刻なリスクになる」との見解を持っていることも同議事要旨から判明し、今後、しばらくは金融緩和が継続すると考えられる。
そのため、金融緩和策が継続する限りは、中小型株を選好する動きは続くだろう。
27日までは様子見ムードで方向感が出にくい状態
2020年8月24日~2020年8月29日の週についても、日経平均株価は方向感の出にくい展開が続くものの、下値は堅いだろう。
日本独自の材料に欠けるが、米株の堅調を受けて株価が左右される動きが続くとみられる。
なお、21日(金)に発表された8月の米製造業PMI(速報値)は53.6と2019年1月以来、同月の米サービス業PMIは54.8と2019年3月以来の高水準となった。
さらに、7月の米中古住宅販売件数も事前予想の541万戸を上回る586万戸となり、集計開始の1968年以来最大の伸びとなっている。
このことが好感され、24日(月)の日経平均株価は堅調に推移すると考えられる。
ただ、27日(木)には、ジャクソンホールで行われる年次経済シンポジウムで、パウエルFRB議長が講演を行う予定となっている。
そのため、その後、27日までは様子見ムードで方向感が出にくい状態が続くかもしれない。
今回、パウエルFRB議長は金融政策の枠組み見直しについて講演する予定で、FOMCが見直しの過程で検討した内容と、その理由を概説することになるとの見方もされている。
一方で、FRBが長期の目標や戦略を新たに取りまとめる作業を進めていることが、FOMC議事要旨では示唆されているため、今回の講演では踏み込んだ内容まで説明されないとの見方もある。
この講演で米国の今後の金融政策の方向性について触れられる可能性があり、その内容に株価が大きく反応すると考えられるため、注意が必要だ。
米国経済指標と米中対立に注意
なお、2020年8月24日~2020年8月29日の週は、米・消費者信頼感指数、米・新築住宅販売件数が発表される。
結果が良好なものであれば、日経平均株価も上昇しやすい地合いになると考えられるため、これらの指標にも注目したい。
さらに、米中対立の動向についても引き続き注意が必要だ。
15日に予定されていた、米中通商合意の履行状況を精査するための会合は延期されている。
中国側が同会合を近く行うと20日に発表したが、米国側はこのことについて特にコメントしていない。
米国はファーウェイの関連会社38社をエンティティリストに追加すると発表するなど、中国への圧力をさらに強めている。
これらのことが相場の重しになると考えられるため、引き続き注意が必要だ。
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