知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年4月5日~4月9日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は概ね堅調に推移か
2021年4月5日~2021年4月10日の日経平均株価は、概ね堅調に推移すると考えられる。
先週の振り返り
2021年3月29日~2021年4月3日の日経平均株価は、29,000円台を維持した。
29日(月)は、前週末のNYダウが、バイデン米政権の追加インフラ投資計画が3兆ドル規模になるとの観測から、史上最高値を更新した流れを引き継ぎ、景気敏感株を中心に買われたほか、3月末配当・優待の最終売買日ということも買いを後押しし、日経平均株価は上昇した。
30日(火)は、権利落ち日で売られる銘柄もある一方、翌日以降の再投資を見込んだ買いが入ったことで、日経平均株価は方向感に欠ける展開ながらも底堅く推移した。
31日(水)は、利益確定売り優勢になったことに加え、前々日の29日(月)に、野村ホールディングスが米投資会社のアルケゴスとの取引で巨額損失が発生する可能性があると発表したことを受け、同社以外にも多額の損失が発生する金融機関があるとの不安が下押し材料となり、日経平均株価は5営業日ぶりに反落した。
4月1日(木)は、前日の米国時間に発表された、電気自動車の普及支援やデジタルインフラの拡充を盛り込んだインフラ投資を中心とする、バイデン米政権の成長戦略が好感され、IT関連の大型株を中心に買われる展開に。
午後には上げ幅を縮めたが、日経平均株価は前日比プラスで取引を終えた。
2日(金)は、前日の米国市場で米長期金利の上昇が一服し、ハイテク株を中心に買われたことから、東京市場でも半導体関連株を中心に好業績銘柄が買われる展開となった。
日経平均株価は終始堅調に推移し、前日比465円13銭高の29,854円00銭で取引を終えた。
米長期金利一服による半導体銘柄買い戻し
このように、2021年3月29日~2021年4月3日の日経平均株価は、週半ばの13日(水)に下落したが、29,000円台を維持し、その後は上昇して約2週間ぶりの高値を付けるなど、概ね堅調に推移した。
特に2日(金)は、前日の米国市場で米長期金利が一服したことが好材料となり、米長期金利の上昇を受けて売られていた米半導体株が買い戻された。
その流れが波及し、日本の半導体株にも買いが入った格好だ。
米雇用統計は強い結果に
なお、2日(金)の米国市場は休場だったが、この日発表された米雇用統計は、事前予想の前月比+64.7万人を大幅に上回る+91.6万人となった。
2月の前月比+46.8万人からも大幅に上回り、失業率も、2月の6.2%から3月は6.0%に改善している。
新型コロナワクチンの接種の進展に伴い経済活動の再開が進み、雇用の回復が伺える内容となったことはポジティブだ。
これを受けてドル円の円安基調が強まれば、日経平均株価にとって追い風になるだろう。
また、米バイデン政権のインフラ投資を中心とする成長戦略も、市場の下支え材料になると考えられる。
そのため、2021年4月5日~2021年4月10日の週の日経平均株価は、概ね堅調に推移すると考えられる。
不安材料は金融株
不安材料として、米投資会社のアルケゴスの問題があり、野村ホールディングスやみずほフィナンシャルグループなどで損失発生の可能性が発表されている。
そのため、2021年3月29日~2021年4月3日の週には金融株が売られる場面もあったが、週の後半には持ち直したことから、今回の件はアルケゴス単体の問題で、マーケット全体には波及しないと市場は考えていることが伺える。
ただ、引き続き本件には注意したい。
ファーストリテイリング決算も
また、8日(木)のファーストリテイリングの決算発表にも注目だ。
値嵩株であるため、日経平均株価に及ぼす影響が大きい。
軟調な決算内容であれば、日経平均株価の下押し要因となるだろう。
一方で、好調な内容だった場合は、同社株の上昇が日経平均株価を押し上げ、3万円台を回復するかもしれない。
その場合、現在の相場の地合いが良いことから、3万円台が定着する可能性がある。
今週の推奨セクター
なお、2021年4月5日~2021年4月10日の週で推奨したいセクターは、半導体と小売(旅行)である。
米長期金利が一服したことで、売りが続いて割安感の強まったこれらの半導体株に、再び買いが入っている。
米長期金利が上昇基調にならなければ、しばらくは堅調に推移するだろう。
また、小売の中でも旅行関連については、徐々に回復する可能性がある。
なぜなら、政府が4月1日以降、感染が落ち着いている地域の住民を対象に、居住地と同じ都道府県内を旅行する場合、最大で7,000円の財政支援を順次実施するからである。
現状、6月以降にトラベル事業を再開する予定であることに加え、今後はワクチン接種も進展するとみられ、旅行関連の消費は回復傾向になるだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、海運や銀行である。
これらのセクターは、米長期金利の上昇を受けて景気敏感株が選好された際に買われた。
しかし、米長期金利の上昇が一服したことで、市場はグロース株に再シフトしつつある。
そのため、これらのセクターの銘柄は、上昇が一服するだろう。
今週はFOMC議事要旨発表などあり
また、2021年4月5日~2021年4月10日の週は、5日(月)に3月米ISM非製造業景況指数、7日(水)にFOMC議事要旨が発表される。
その結果や内容が株式市場に影響を与える可能性があるため、注意したい。
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