知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年6月27日~7月2日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
NYダウは上値重く日経平均は下値堅いか
2022年6月27日~2022年7月2日の週のNYダウは、経済指標の結果に左右される展開になると考えられるが、利上げ加速への警戒感から、上値は重くなりやすいだろう。
日経平均株価は、NYダウやナスダック総合指数の動向に影響されながらも、下値は堅いと考えられる。
先週の振り返り
2022年6月20日~2022年6月25日の週の日経平均株価は、20日(月)に大幅下落したが、その後は概ね堅調に推移した。
20日(月)は、前週末のNYダウが続落した一方、ナスダック総合指数は反発したが、日経平均株価は寄り付きに上昇した後に失速すると、下げ幅を拡大する展開となり、一時400円超安下落した。
後場の日経平均株価はマイナス圏で膠着状態となり、前週末比191円78銭安の25,771円22銭で取引を終えた。
21日(火)の日経平均株価は、前日の米株式市場が休場だったため、堅調な欧州株価指数の動向を受けて堅調に。
円安進行に加え、NYダウ先物やアジア株の堅調を受けて上昇し、後場には日経225先物の上昇につれて600円超高となる場面もあった。
最終的に日経平均株価は、前日比475円09銭高の26,246円31銭で取引を終えた。
22日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の大幅続伸を受けて上昇したものの、ナスダック100先物などが軟調に推移したことから、前場中頃には失速。
その後は前日終値を挟んでもみ合いが続いた。
後場も日経平均株価は利益確定売りに押されて軟調になり、前日比96円76銭安の26,149円55銭で取引を終えた。
23日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が小幅反落したものの、上昇してスタート。
しかし上値が重く失速すると、下落に転じた。
後場の日経平均株価は方向感に欠ける展開になり、前日比21円70銭高の26,171円25銭で取引を終えた。
24日(金)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が反発したことを受けて、日経平均株価は堅調に。
アジア株の上昇も追い風となり、日経平均株価は、前日比320円72銭高の26,491円97銭で取引を終えた。
NYダウは、米経済指標の発表に左右される展開
2022年6月27日~2022年7月2日の週のNYダウは、米経済指標の発表に左右される展開になると考えられる。
ただ、利上げペースの加速に対する警戒感が重しになると考えられるため、上昇する場面でも上値は重くなるだろう。
パウエルFRB議長は、22日(水)に行われた米上院委員会の証言で、足元の米経済は強いとの見方を示したうえで、積極的な利上げを続けることを表明したが、景気後退の可能性を否定しなかった。
パウエルFRB議長は、元々7月まで0.5ptの利上げを示唆していた。
しかし、5月の消費者物価指数が上回ったことを受けて、14日(火)と15日(水)のFOMCでは0.75ptに利上げ幅を拡大したという経緯がある。
そのため、市場では今後の利上げペース加速への不安が燻っているのだ。
また、ボウマンFRB理事やウォラーFRB理事の他、ハト派のシカゴ連銀エバンス総裁やミネアポリス連銀カシュカリ総裁も、7月FOMCでの0.75ptの利上げについて支持、ないしは議論は適切との見解を示している。
このことも市場の不安が燻る理由になり、7月以降のFOMCでも0.75ptの利上げが行われるのではないかとの見方が強まっているのだ。
さらに、急速な利上げに加え、6月からスタートした量的引き締めは、9月に2倍のペースに加速する方針のため、市場は景気後退を懸念している。
2022年6月27日~2022年7月2日の週は、29日(水)に1-3月期米四半期GDP(確定値)、30日(木)に5月米個人消費支出、7月1日(金)に6月米ISM製造業景況指数といった重要な米経済指標が発表される。
これらの結果が強いものになれば、利上げペースの加速に対する懸念が市場で広がり、NYダウの下押し要因になると考えられるため、その結果には注意が必要だ。
また、29日(水)にはパウエルFRB議長が、ラガルドECB総裁、ベイリーBOE総裁らとともにパネル討論会に出席する。
ここでの発言にも十分に注意したい。
日経平均は配当金支払いに伴う再投資が下支え
一方、2022年6月27日~2022年7月2日の日経平均株価は、引き続き、NYダウなど米経済指標の動向や、為替相場の動きに左右されるだろう。
材料難から方向感が出にくくなりやすいと考えられるが、3月決算企業の配当金支払いに伴う再投資が下支えするとみられるため、下値は堅いだろう。
今週の推奨セクター
2022年6月27日~2022年7月2日の週に推奨したいのは、非鉄の中でも電線である。
日本の光関連製品の出荷数量は増加し、内需・輸出ともに北米欧州向け光ケーブルや海底ケーブルの出荷が増えている。
また、中国の光ケーブルの生産量も増加している。
欧米の需要がけん引し、今後も概ね堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは食品の中でも乳製品である。
ロシア・ウクライナ戦争や円安加速により、飼料、肥料、燃料価格が高騰しているため、値上げ圧力が高まっている。
13日(月)に関東生乳販連が乳業メーカーに乳価の値上げ交渉を行う方針を示すなど、今後、生乳価格は引き上げられる可能性が高い。
それに伴い各乳業メーカーも値上げを行うと考えられるが、コスト増を吸収できる反面、販売数量の減少が懸念されるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年6月27日~2022年7月2日の週は、29日(水)の1-3月期米四半期GDP(確定値)、30日(木)の5月米個人消費支出、7月1日(金)の6月米ISM製造業景況指数、さらに29日(水)のパウエルFRB議長のパネル討論会出席の他に、27日(月)に5月米耐久財受注、28日(火)に6月消費者信頼感指数、6月リッチモンド連銀製造業指数の発表がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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