知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年9月12日~9月17日)
2022年9月12日~2022年9月17日の週のNYダウと日経平均株価は、8月米消費者物価指数と8月米卸売物価指数の結果に左右される展開になると考えられる。
ただ、下落の場面でも、日経平均株価は円安を背景に底堅いだろう。
先週の振り返り
2022年9月5日~2022年9月10日の週の日経平均株価は、前半は軟調だったが、週の後半から上昇し、週間では堅調となった。
5日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウがノルドストリーム稼働停止の継続を受けて下落した流れを引き継ぎ、軟調に。
後場は方向感の出にくい状態の中、もみ合いが続き、日経平均株価は前週末比31円23銭安の27,619円61銭で取引を終えた。
6日(火)の日経平均株価は、前日の米株式市場がレイバーデーで休場だったことから材料不足となった。
しかし、NYダウ先物が上昇したことを受けて、一時前日比194円超上昇したものの失速し、マイナス圏に沈む場面もあった。
後場に入ると売買が一巡してこう着状態となり、日経平均株価は前営業日比6円90銭高の27,626円51銭で取引を終えた。
7日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが続落したことから軟調もみ合いとなった。
後場の日経平均株価は、円安進行にも関わらず買いが進まず、前日比196円21銭安の27,430円30銭で取引を終えた。
8日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反発した流れから、買い戻し優勢に。
後場は、この日に行われるパウエルFRB議長参加の討論会を前に様子見ムードとなったものの、米国の金利上昇一服を受けて買いが入り、日経平均株価は、前日比634円98銭高の28,065円28銭で取引を終えた。
9日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢に。
メジャーSQに絡む売買の影響もあり、その後は一進一退で方向感に欠ける展開となった。
後場の日経平均株価は、手掛かり材料不足から小動きとなり、前日比149円47銭高の28,214円75銭で取引を終えた。
NYダウは神経質な展開に
2022年9月12日~2022年9月17日の週のNYダウは、13日(火)の8月米消費者物価指数、14日(水)8月米卸売物価指数の結果に左右されやすく、神経質な展開になるだろう。
それぞれ事前予想を上回り、強い結果となった場合には、NYダウには強い下押し圧力がかかると考えられる。
ただ、20日(火)、21日(水)開催の9月米FOMCについて、CMEのFedWatchは、9日(金)時点で88%が0.75ptと予想していることから、市場ではすでに0.75ptの利上げが織り込まれつつあると言えよう。
なお、パウエルFRB議長は、8日(木)開催の金融政策に関するオンライン討論会に出席し、物価の安定を達成するために大幅な利上げを続ける考えを示し、「インフレに対し、ただちに強力に行動する必要がある」「仕事をやり遂げるまで続ける必要がある」「歴史は時期尚早の緩和を警告している」等、インフレに対する警戒感を強く示し、改めてタカ派姿勢が確認できる内容となった。
この発言を受けて米長期金利は上昇し、NYダウは一時売り優勢となったものの、概ね想定内であったことから、この日のNYダウは後半にかけて買い戻しが優勢になり、上昇して取引を終えている。
このように、9月の米FOMCの大幅利上げやパウエルFRB議長のタカ派スタンスについて、現状、市場は織り込んでいるようだ。
なお、CMEのFedWatchを確認すると、大幅利上げは9月までで、11月以降は利上げ幅が縮小するとの見方が今のところ優勢になっている。
しかし、8月の米消費者物価指数や8月米卸売物価指数の結果が想定以上に強いものとなり、インフレの終息が見えない場合には、11月以降も大幅利上げが続く可能性が高くなる。
この場合、米長期金利の上昇によって、NYダウは売り圧力から大幅下落する可能性があるので、注意が必要である。
反対に、8月の米消費者物価指数や8月米卸売物価指数の結果が弱いものとなれば、インフレがピークアウトした可能性が高くなり、大幅利上げの長期化の可能性も低くなることから、NYダウは堅調に推移するだろう。
いずれにせよ、2022年9月12日~2022年9月17日の週のNYダウは、これらの指標の結果に左右されやすい展開になると考えられるため、注意が必要だ。
日経平均株価は円安が下支えし底堅いか
2022年9月12日~2022年9月17日の週の日経平均株価は、NYダウの動向の影響を受けやすいと考えられる。
13日(火)の8月米消費者物価指数、14日(水)8月米卸売物価指数の結果が強いものになれば、日経平均株価は下値を探る展開になるだろう。
ただ、下落する場面でも円安が下支えし、底堅いだろう。
反対に結果が弱いものになれば、米国のインフレのピークアウトが意識され、日経平均株価は買いが入りやすい展開になると考えられる。
今週の推奨セクター
2022年9月12日~2022年9月17日の週に推奨したいのは、インバウンドの恩恵を受けやすいホテルなどの宿泊、旅行関連会社である。
岸田首相は、8月31日(水)に現行の水際対策を緩和し、9月7日(水)から1日あたりの入国者数の上限をこれまでの2万人から5万人に引き上げることとし、全ての国を対象に、添乗員を伴わないパッケージツアーによる入国を可能にするなどの発表をしている。
現在の円安が外国人観光客にはメリットになると考えられ、これらの業種にとっても追い風になると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、銀行の中でも地銀である。
有価証券の含み損が増加している地銀が多く、中でも外債の含み損については、今後注意が必要である。
損失処理をすべて行わないにしても、最終利益の押下げ要因になると考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年9月12日~2022年9月17日の週は、13日(火)の8月米消費者物価指数、14日(水)8月米卸売物価指数の他に、15日(木)に8月米小売売上高、9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、8月米鉱工業生産、16日(金)に9月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
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