知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年4月8日~4月13日)
2024年4月8日~4月13日の週のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2024年4月1日~4月6日の日経平均株価は大幅下落した。
1日(月)の日経平均株価は前週末の米国市場が休場であったため、材料が乏しい中買い優勢でスタートしたが、自動車株が下落すると40,000円台を割り込む展開になった。
後場の日経平均株価は下げ幅をやや縮小し、前週末比566円35銭安の3万9803円09銭で取引を終えた。
2日(火)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は反発して上昇したが、その後は上げ幅を縮小。
後場の日経平均株価は軟調に推移し、前日比35円82銭高の3万9838円91銭と小反発して取引を終えた。
3日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから売り優勢となると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は下げ幅を縮小し、前日比387円06銭安の3万9451円85銭と反落して取引を終えた。
4日(木)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は買い優勢となった。
後場の日経平均株価は狭い範囲で小動きとなり、前日比321円29銭高の3万9773円14銭と反発して取引を終えた。
5日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、下げが一服したものの買いが広がらず、前日比781円06銭安の3万8992円08銭と大幅反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年4月8日~4月13日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
その理由として、パウエルFRB議長をはじめとするFRB関係者がハト派姿勢を弱めたことが挙げられる。
29日(金)に行われたサンフランシスコ連銀でのイベントで、パウエルFRB議長は利下げを急ぐ必要はないと発言し、利下げに対し慎重な姿勢を示した。
ほかのFRB関係者によるタカ派発言もあり、市場では利下げ時期の後ずれへの警戒感が高まったことから、2024年4月1日~4月6日のNYダウは不安定な展開となった。
また、1日(月)に発表された3月米ISM製造業景況指数や3日(水)に発表された3月米ADP雇用統計が予想以上に強い結果になったことで、利下げ時期が遠のいたとして、NYダウには強い下押し圧力がかかった格好だ。
しかし、3日(水)にスタンフォード大学で行われた講演で、パウエルFRB議長が「年内どこかの時点で利下げを開始するのが適切になる可能性が高い」との認識を改めて示したため、利下げ時期に対する市場の懸念はいったん後退。
ただ、同講演で事前配布された原稿では、「インフレについては、最近のデータが単なる一時的な上振れ以上のものなのかどうかを判断するのは時期尚早だ」とし、「インフレ率が2%に向かって持続的に低下しているという確信が強まるまでは、政策金利を引き下げるのは適切ではないとみている」と述べていることから、パウエルFRB議長は従来の慎重姿勢を崩していないことが窺える。
4日(木)にはミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が「インフレ改善が停滞した場合、年内利下げを実施しない可能性がある」と言及。
同日にリッチモンド連銀のバーキン総裁が、「利下げまでに時間かけるのが賢明である」と利下げに慎重な発言をしたことも報道されたため、市場には利下げ時期の後退に対する警戒感が再び広がった。
一方で、クリーブランド連銀のメスター総裁は、利下げ開始のために必要な確信の水準に今後数か月のうちに近づく可能性があるとの見解を示すなど、FRB関係者によって利下げに対する見解が異なっていることから、市場は米経済指標の結果に神経をとがらせている。
そうした中、5日(金)に発表された3月米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が前月比30.3万人増と、事前予想の同20.0万人増を大幅に上回る結果となった。
失業率も前月から改善し、3.8%となっている。
インフレは鈍化傾向となっているが、人手不足が継続し、強い雇用状態が続いていることが窺える結果となったといえよう。
雇用統計が強い結果となったことで、2024年4月8日~4月13日の週は利下げ時期の後ずれに対する懸念がくすぶり、NYダウの上値を抑えると考えられる。
引き続き米経済指標に対し市場の注目が集まると考えられるため、結果に注意したい。
10日(水)発表の3月米消費者物価指数やFOMC議事要旨の公表、11日(木)発表の3月米卸売物価指数に特に注目が集まりやすいだろう。
加えて、中東情勢の緊迫化がNYダウの動向を不安定化させると考えられる。
1日(月)にイランのシリア大使館がイスラエルによる空爆を受けたことに対し、イランが対抗措置を示唆したことで、イスラエルとイランとの間で緊張が高まっている。
本件は2024年4月8日~4月13日の週のNYダウの動向にも影響を与えると考えられるため、注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
2024年4月8日~4月13日の週の日経平均株価も不安定な展開となりそうだ。
3月米消費者物価指数、FOMC議事要旨など、市場が注目する経済指標等が発表されることに加え、中東情勢が緊迫化している。
米国の経済指標の結果や中東情勢に関するニュースに日経平均株価が翻弄される場面もあると考えられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2024年4月8日~4月13日の週に推奨したいのは、医療機器の中でも米国での売上比率の高いところである。
米国では心臓血管手術を中心に手術件数の回復と成長が顕著になっているため、これらを扱う企業にとっては追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはゲームである。
2月の日米の家庭用ゲーム市場規模はどちらも2桁減となっている。
今後開催されるアニメイベント等で注目度の高いコンテンツの新作ゲームの発表があれば回復の可能性があるが、今はいったん避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年4月8日~4月13日の週は、10日(水)の3月米消費者物価指数、FOMC議事要旨の公表、11日(木)の3月米卸売物価指数のほかに、12日(金)に4月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果には注意が必要だ。
また、11日(木)にはECB理事会と政策金利の発表があるので、こちらの動向と結果にも注意したい。