知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年8月12日~8月17日)
8月12日~8月17日の週のNYダウと日経平均株価は方向感が出にくくなりそうだ。
先週の振り返り
8月5日~8月10日の週の日経平均株価は非常に値動きの荒い展開となり、週間では大幅下落した。
5日(月)は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が米国の景気減速懸念から下落したことに加え、急激な円高進行を受けて日経平均株価は売り優勢となると、一気に34,000円を割り込むと大幅下落した。
後場の日経平均株価は下げ幅を拡大し、一時前週末比4,700円超安下落したが、前週末比4,451円28銭安の31,458円42銭で取引を終え、史上最大の下げ幅を記録した。
6日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落とは裏腹に、前日の大幅下落からの反発で買い優勢となると上げ幅を一気に拡大した。
後場の日経平均株価も全面高の状態が続き、前日比3,217円04銭高の34,675円46銭と前日の反動から急反発して取引を終えた。
7日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇した一方、日経平均株価は売り優勢で取引を開始。
しかし、内田日銀副総裁が函館で行われた金融経済懇談会で、「市場が不安定な状況で利上げをすることはない。」と述べると、円安が急速に進行したため、日経平均株価は一時1,000円超上昇した。
後場の日経平均株価は上値の重い状態が続いたが、前日比414円16銭高の35,089円62銭で取引を終えた。
8日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したことから売り優勢でスタートすると下げ幅を縮小すると値動きの荒い展開となった。
後場の日経平均株価は好決算銘柄の大幅上昇が牽引する場面もあったが、利益確定売りで再びマイナス圏に沈み、前日比258円47銭安の34,831円15銭で取引を終えた。
9日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の反発を受けて買い優勢でスタートすると、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は連休を控えて調整が入り、一時マイナス圏に沈む場面もあったが、前日比193円85銭高の35,025円00銭と小反発して取引を終えた。
今週のNYダウは?
8月12日~8月17日の週のNYダウは、経済指標の結果に左右されやすく、方向感の出にくい展開となりそうだ。
4-6月期の米企業決算発表が8月5日~8月10日の週に佳境を迎えたことに加え、米国の景気後退に対する不安が高まっていることから、8月12日~8月17日の週は再び経済指標の結果に注目が集まると考えられる。
2日(金)発表の米雇用統計の結果が冴えないものとなったことから、米国の景気後退に対する市場の警戒感が強まったため、8月5日~8月10日の週は株式市場が世界的に混乱。
ただ、今回の米国の株式市場の大幅下落は米雇用統計だけがきっかけとなったわけではない。
1日(木)発表のISM製造業景況感指数が事前予想を下回ったうえに、前月からも低下したことで景況感が悪化。
そうした中で発表された米雇用統計の結果が思わしくなかったことが、株式市場の混乱を招いたとみられている。
加えて、日銀が7月31日(水)に追加利上げを決定し、今後の利上げも示唆したことから一気に円高が進み、円キャリートレードを行っていた海外投資家が、損失の穴埋めをするために保有株の売却をしたことも、米国をはじめとする世界的な株安につながったとの見方がされている。
内田日銀副総裁の発言により、日銀のさらなる利上げに対する警戒感がいったん後退したため、8月12日~8月17日の週のNYダウは、8月5日~8月10日の週のような理由による乱高下はしづらいだろう。
米雇用統計をはじめとする注目度の高い米国の経済指標の結果が思わしくないものであったため、FRBは今後より積極的な利下げに迫られるのではないかとの見方がされている。
また、FRB関係者は市場の混乱ではなく、指標の結果に応じて今後の利下げを判断すると表明している。
よって、8月12日~8月17日の週は注目度の高い経済指標の結果に注意したい。
13日(火)に7月米卸売物価指数、14日(水)に7月米消費者物価指数、15日(木)に7月米小売売上高と、注目度が高い経済指標の発表が続く。
これらの結果が強いものになれば、9月利下げ観測が後退すると考えられ、NYダウの上値抑制要因になるだろう。
反対に弱いものになれば、NYダウは概ね堅調に推移すると考えられるが、大幅に弱い結果となった場合には米景気後退に対する懸念から、NYダウには大きな下押し圧力がかかるとみられるため、注意が必要だ。
また、FRB関係者の利下げに関する発言にも注意したい。
今週の日経平均株価は?
8月12日~8月17日の週の日経平均株価も、方向感が出にくいだろう。
東京株式市場は12日(月)が山の日で休場となるうえに、お盆休みに入ることから、市場参加者が少なくなりやすい。
そのため、方向感が出にくくなると考えられる。
市場参加者が少ない分、ボラティリティが高くなる可能性があることに注意が必要だ。
米経済指標の結果によっては、日経平均株価に強い下押し圧力がかかることもあるだろう。
今週の推奨セクター
8月12日~8月17日の週に推奨したいのは、ITの中でもソフトウェア関連である。
7月2日発表の日銀短観によれば、各業種のソフトウェア投資計画は強含みの状態が続き、金融機関・持株会社等を含む全産業で、前回(3月)調査費5.3%増の前年比14.4%増となっている。
情報サービス業の国内需給DIも需要超過状態が続き、今後も需給がタイトな状態が続くとみられているため、ソフトウェア関連企業にとっては追い風の事業環境が続きそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは食品である。
2024年3月期1Qの営業利益が縮小傾向にあり、値上げも現状では小規模であるため、収益性改善にすぐにはつながらないとみられる。
いずれ値上げに踏み切る可能性が高いとみられるが、現状は避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、8月12日~8月17日の週は13日(火)の7月米卸売物価指数、14日(水)の7月米消費者物価指数、15日(木)の7月米小売売上高のほかに、15日(木)に8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、16日(金)に8月米ミシガン大学消費者態度指数の発表がある。
また、15日(木)には日本の4-6月期四半期GDPが発表される。
これらの結果や内容に注意が必要だ。