知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年10月7日~10月12日)
10月7日~10月12日の週のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
先週の振り返り
9月30日~10月5日の週の日経平均株価は、大幅安となった。
30日(月)は、前週末のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は大幅下落してスタートすると、売られる展開となった。
後場の日経平均株価は前週末比で円高に振れたことから軟調となり、一時2,000円超下落したが、前週末比1,910円01銭安の37,919円55銭で取引を終えた。
1日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢で取引すると、上げ幅をじりじりと拡大した。
後場の日経平均株価は高値もみあい状態となり、前日比732円42銭高の38,651円97銭と反発して取引を終えた。
2日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから、売り優勢となるともみ合いとなった。
後場の日経平均株価は下げ幅を縮小すると再び下げ幅を拡大し、1,000円超安となる場面もあったが、前日比843円21銭安の37,808円76銭で取引を終えた。
3日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢となると1,000円超上昇する場面もあったが、中東情勢の緊迫化などが重しとなった。
後場の日経平均株価は高値圏でこう着状態となると上値の重い状態となり、前日比743円30銭高の38,552円06銭と大幅反発して取引を終えた。
4日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価はSOX指数の上昇を受けて買われたが、上げ幅は限定的となった。
後場の日経平均株価はこの日発表の米雇用統計を前に様子見ムードが広がり、前日比83円56銭高の38,635円62銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
10月7日~10月12日の週のNYダウは、不安定な展開になりそうだ。
その理由として、中東情勢が緊迫化していることが挙げられる。
イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派組織のヒズボラとの戦闘が続き、1日(火)にイランがイスラエルに向けて弾道ミサイルを発射したことを発表。
イスラエルによるヒズボラの最高指導者ナスララ師の殺害に対する報復攻撃ということである。
イランは、報復攻撃は正当なものであると強調する一方、イスラエルは対抗措置をとる構えだ。
4日(木)には米国のバイデン大統領が、イスラエルがイランの石油関連施設を攻撃する可能性についてイスラエルと協議していることを明らかにした。
イランは世界7位の産油国であるため、イスラエルとの攻撃が激化した場合には、原油価格に大きな影響を与えることが懸念される。
特に、市場ではホルムズ海峡を封鎖するという最悪のシナリオが嫌気されている。
なぜなら、同海峡は世界の石油の3分の1とLNGの5分の1がタンカーで通過し、封鎖された場合にこれらが供給されなくなるなど深刻な影響を与えることが懸念されるためだ。
イスラエルの一部の人がイランの核攻撃を支持しているのに対し、イラン軍は、イスラエルが報復攻撃を行った場合にイスラエル全土のインフラを攻撃することを表明するなど、緊張状態が続いている。
10月7日~10月12日の週も原油価格は上昇が続くとみられるが、値動きが荒い状態になりやすいだろう。
NYダウもその影響を受けると考えられるため、注意が必要だ。
また、状況がさらに悪化すれば、リスク回避から売られやすくない、NYダウは軟調な展開になるだろう。
ほかに、米経済指標と要人発言にも引き続き注意が必要である。
市場はさらなる利下げを期待しているが、30日(月)に米ナッシュビルで開催された全米企業エコノミスト協会の年次会合に出席したパウエルFRB議長は、講演の中で、「時間とともに」政策金利を引き下げていくと発言して小幅な利下げペースを示唆した。
10月7日~10月12日の週もFRB関係者の発言が予定されているため、発言内容に注目する必要がある。
さらに、10月7日~10月12日の週は、9日(水)にFOMC議事要旨が公表されるほか、10日(木)に9月米消費者物価指数、11日(金)に9月米卸売物価指数の発表が予定されている。
結果を受けてNYダウが大きく動く可能性があるため、注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
10月7日~10月12日の週の日経平均株価は、NYダウと同様に不安定になりやすいと考えられる。
就任前に掲げていた経済政策が懸念された石破首相であるが、日銀の追加利上げに慎重な姿勢を示すなど、軌道修正を図っている。
円高リスクが後退したうえに、4日(金)に発表された9月米雇用統計の結果が事前予想を上回る良好なものだったことから、足元では円安が進行し、日経平均株価にとっては好材料となるだろう。
ただ、米経済指標の結果が冴えないものになった場合や米国の要人発言、中東情勢によっては再び円高に転換する可能性があるため、注意が必要だ。
その場合、日経平均株価は軟調に推移するだろう。
今週の推奨セクター
10月7日~10月12日の週に推奨したいのは、小売りの中でもEコマースを手掛けているところである。
円高に傾いたことから免税関連の鈍化が懸念されていたが、今のところ影響は限定的である。
また、台風や地震等の影響から、食料、住居など防災需要が高まった恩恵を受けて概ね好調が続いているため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは鉄鋼の中でも高炉である。
8月に中国の鉱工業生産、建設投資など同国の鋼材需要がいっそう減速し、鋼材市況の低迷がまだ続くと考えられる。
そのため、避けたほうがよいだろう。
今週の経済指標
なお、10月7日~10月12日の週は、9日(水)のFOMC議事要旨公表、10日(木)の9月米消費者物価指数、11日(金)の9月米卸売物価指数のほかに、11日(金)に10月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表があるため、結果に注意が必要だ。