知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年12月2日~12月7日)
12月2日~12月7日の週のNYダウは、方向感の出にくい展開になりそうだ。
日経平均株価は上値の重い展開になると考えられる。
先週の振り返り
11月25日~11月30日の週の日経平均株価は、上昇する日もあったが、週間では小幅に下落した。
25日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから、買い優勢となると700円超上昇する場面もあった。
後場の日経平均株価は利益確定売りに押されて上値の重い状態が続き、前週末比496円29銭高の38,780円14銭で取引を終えた。
26日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したのとは反対に、日経平均株価はトランプ次期大統領がカナダとメキシコに25%、中国に10%の関税を新たにかけるとSNSで発表したことから、売り優勢となると一時38,000円割れ寸前まで下落した。
後場の日経平均株価は安値でもみ合う状態が続き、前日比338円14銭安の38,442円00銭で取引を終えた。
27日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したのとは裏腹に、日経平均株価は売り優勢となると、38,000円割れ寸前まで下落する場面もあるなど軟調に推移した。
後場の日経平均株価は円高を嫌気した売りが続き、一時400円超安となったが、前日比307円03銭安の38,134円97銭で取引を終えた。
28日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は売り優勢となったが、半導体株の上昇に押されて上昇に転じた。
後場の日経平均株価は堅調に推移し、前日比214円09銭高の38,349円06銭で取引を終えた。
29日(金)の日経平均株価は、前日の米国市場が休場だったものの円高が進んだことから、売り優勢となると一時38,000円を割り込んだ。
後場の日経平均株価は下げ幅を縮小し、前日比141円03銭安の38,208円03銭と反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
12月2日~12月7日の週のNYダウは、方向感の出にくい展開となりそうだ。
その理由として、6日(金)に米雇用統計が発表されることが挙げられる。
11月の米FOMCでは、市場予想どおりFF金利が25bps引き下げられることとなった。
現在、市場は「今後の米FOMCでどの程度の利下げが行われていくのか」ということに関心を寄せている。
特に、パウエFRB議長をはじめとしたFRB高官や各連銀総裁の最近の発言は、「利下げを急ぐ必要性はない」「時間をかけて利下げを行うのが適切である」といったものであり、利下げペースが従来の予想よりも緩やかなものになるのではないかとの見方が強まっていた。
そうした中、26日(火)に公表されたFOMC議事要旨は、利下げペースが緩やかなものになる可能性を示唆する内容となった。
FOMC参加者の間では、インフレは徐々に鎮静化しつつあるものの、目標とする2%には届いていないとの見方が優勢となっている模様だ。
市場は利下げペースが緩やかになることを織り込んではいるものの、12月のFOMCで利下げが行われるのか否かということや、どの程度の利下げを行うのか、という点を次に注目している。
たとえば、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、25日(月)のブルームバーグテレビジョンの番組で、12月のFOMCで25bpsの利下げを検討するのは妥当であると発言している。
また、15日(金)にブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じた米ボストン連銀のコリンズ総裁は、12月の利下げは依然として選択肢であるとし、FOMCの判断は今後のデータによって導かれると語っている。
緩やかな利下げを行うことはFRB関係者の中での共通認識となっているが、果たして12月に利下げが行われるのかどうか、という点に市場の注目が集まっていることから、12月2日~12月7日の週は米経済指標の結果に市場の注目が集まるだろう。
特に6日(金)の米雇用統計に多くの注目が集まるのはいうまでもないが、ほかにも、2日(月)の11月米ISM製造業景況指数、4日(水)の11月米ADP雇用統計、11月米ISM非製造業景況指数にも注目が集まると考えられるため、結果に注意が必要だ。
強い内容となった場合には、12月の利下げの可能性が後退したとして、市場の反応はネガティブなものになり、NYダウの押下げ要因になると考えられる。
また、トランプ米次期大統領の発言にも注意したい。
25日(月)に自身のSNSで、カナダ、メキシコ、中国に対する追加関税策について発言したことから、翌日のNYダウやナスダック総合指数は軟調に推移した。
12月2日~12月7日の週も、トランプ米次期大統領の発言や発信内容が、NYダウなどの米株価指数に影響を与える可能性があるため注意したい。
さらに、ウォラーFRB理事やパウエルFRB議長の発言も予定されているため、こちらにも注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
12月2日~12月7日の週の日経平均株価は、上値の重い展開になりそうだ。
6日(金)に発表される米雇用統計を前に様子見ムードが広がるだろう。
基本的にNYダウやナスダック総合指数の動向をみながら日経平均株価は動くと考えられるが、米国の経済指標の結果が12月の利下げの可能性が後退するような強い内容となった場合は、日経平均株価の重しになると考えられる。
また、トランプ米次期大統領の発言にも注意が必要だ。
今週の推奨セクター
推奨したいのは、防衛関連である。
日本の防衛予算は大幅に拡大しており、防衛予算はGDP比2%を目指すとしている。
また、装備品の国産化を進める動きが出てきていることや、国産装備品の輸出、宇宙防衛分野の拡大が予想されることも追い風になると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、化学・繊維である。
石油化学工業協会が発表した日本のエチレンプラントの10月稼働率は77.4%と9月の80.2%よりも低下。
3ヶ月連続で低下し、2023年7月以来の低水準となっている。
今後、稼働率がさらに悪化する可能性が高くはないとみられるが、回復の兆候がみられないため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、12月2日~12月7日の週は、2日(月)の11月米ISM製造業景況指数、4日(水)の11月米ADP雇用統計、11月米ISM非製造業景況指数、6日(金)の米雇用統計のほかに、3日(火)に10月JOLTS求人件数、4日(水)に11月米サービス業PMI、11月米総合PMI、米地区連銀経済報告、6日(金)12月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表があるため、これらの結果にも注意したい。
また、既述したとおり、4日(水)にパウエルFRB議長の発言が予定されているため、内容に注意が必要だ。