知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年12月9日~12月14日)
12月9日~12月14日の週のNYダウは、概ね堅調に推移すると考えられる。
日経平均株価は方向感が出にくいだろう。
先週の振り返り
12月2日~12月7日の週の日経平均株価は、下落した日もあるが全体としては急伸した。
2日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢となったが、円高に上値を抑えられる展開となった。
後場の日経平均株価は半導体株に買いが入ったことから300円超高になるなど堅調に推移し、前営業日比304円99銭高の38,513円02銭で取引を終えた。
3日(火)は前日のNYダウが下落した一方、ナスダックは上昇したことから、日経平均株価は買い優勢でスタートすると、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は900円超高になる場面もあるなど買い優勢が続き、前日比735円84銭高の39,248円86銭と大幅上昇して取引を終えた。
4日(水)は、前日のNYダウが下落し、ナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は買い優勢となったが、徐々に上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は小売り株が下支えし、安値もみ合いが続いたが、前日比27円53銭高の39,276円39銭と小幅続伸して取引を終えた。
5日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて買い優勢となったが、不安定な韓国情勢や翌日な11月米雇用統計発表を前に様子見ムードが広がった。
後場の日経平均株価は利益確定売りに押されて上げ幅を縮小し、前日比119円21銭高の3万9395円60銭で取引を終えた。
6日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反落したことから、方向感が出にくい状態が続いた。
後場の日経平均株価は、米雇用統計を控えた週末のポジション調整の売りも入り、400超円安となる場面もあったが、前日比304円43銭安の3万9091円17銭と5日ぶりに反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
12月9日~12月14日の週のNYダウは概ね堅調に推移すると考えられる。
その理由として、先日公表されたベージュブック(地区連銀経済報告)、ウォラーFRB理事とパウエルFRB議長の発言、6日(金)に発表された米雇用統計がある。
2日(月)に米経済研究所が主催するシンポジウムに出席したウォラーFRB理事は、12月のFRBで利下げを支持すると表明。
4日(木)に発表されたベージュブックでは、11月に入ってから大半の地域とセクターで成長見通しが緩やかに上向いたとして、「企業関係者は向こう数か月で需要が増加するとの楽観的な見方を示した」と記述していることが判明し、前回報告の経済活動に関する「ほぼ変わりなし」という記述から、改善がみられた形となった。
なお、このベージュブックは12月のFOMCにおいて、金融政策を決定するうえで参考にされる。
また、同日に米・ニューヨーク・タイムズ紙主催のイベントに出席したパウエルFRB議長が、雇用の悪化に備えて利下げペースを柔軟に判断できるとの考えを示し、「米経済は極めて好調で、利下げ当初の9月に想定していたよりも、労働市場も強く、インフレ率は少々上がってきているほどである」と発言。
パウエルFRB議長が楽観的な米国経済の見通しを立てていることに加えて、前述のベージュブックの内容でも米国の経済活動の拡大継続が確認されことから、この日のNYダウは過去最高値を更新した。
米国経済に対する明るい見通しが相次ぐなか、5日(金)に発表された11月米雇用統計は、 非農業部門雇用者数変化が前月比+22.7万人と事前予想の+20.0万人を上回った。
失業率は事前予想どおり、かつ先月(4.1%)から少し上がり4.2%、平均時給は事前予想の3.9%を若干上回る4.0%と、前回と同じ数値となっている。
前回10月の雇用統計では、ハリケーンや米大手航空機メーカーのボーイングのストライキが影響し、雇用者数の伸びが大幅に鈍化したが、今回は改善がみられる結果となった。
労働市場がやや軟化しているものの、まだ健全な状態にあることが窺える内容であり、12月の米FOMCでの利下げの可能性を補強するものになったといえよう。
軟化したとはいえ、米労働市場の先行きに不安を感じる内容ではないことから、市場では12月の米FOMCで25bpsの利下げを行うとの見方が強まっているが、ポイントとなるのは11日(水)に発表される11月の米消費者物価指数だろう。
よほど強い結果となった場合には、FRBが利下げを見送る可能性が急浮上すると考えられるが、そうではない場合には、見送る可能性が高いとみられるため、結果に注意したい。
もしも想定外にかなり強い結果となった場合には、NYダウには強い下押し圧力がかかると考えられるが、そうでない場合には、その後のNYダウは概ね堅調に推移するだろう。
今週の日経平均株価は?
12月9日~12月14日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開になりそうだ。
米FOMCや日銀の金融政策決定会合が翌週に行われることから、様子見ムードになりやすく、明確な方向感が出にくいだろう。
また、NYダウと同様、11日(水)の米消費者物価指数の結果が想定以上に強いものとなった場合には、日経平均株価にも下押し圧力がかかると考えられるため、注意したい。
今週の推奨セクター
12月9日~12月14日の週に推奨したいのは、非鉄のなかでもアルミの割合が高いところである。
中国がアルミや銅などで導入されていた輸出優遇税制を12月より撤回することを発表。
今後は税金がかかることになるため、中国からの輸出が抑制されると考えられる。
これにより、アルミ地金の需給がタイトになる可能性があり、価格が改善されるとみられるほか、東南アジア市場における需給悪化も改善されると考えられる。
そのため、アルミの割合が高い非鉄関連企業にとっては追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはゲームである。
コンシューマーゲームが低調であり、10月の米国の家庭用ゲーム市場規模も、販売本数がハード・ソフトともに20%以上減少している。
今後、人気タイトルの発売が予定されていることから、売れ行き次第では株価が上昇する可能性があるが、現状は買い材料に乏しいため避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、12月9日~12月14日の週は、10日(火)の米消費者物価指数のほかに、11日(水)に11月米卸売物価指数の発表があるため、結果に注意したい。
また、日本の経済指標が発表されるが、9日(月)の7-9月期四半期GDPや13日(金)の日銀短観にも併せて注意が必要だ。