知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通し(2020年4月20日~4月24日)について
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
先週の相場の振り返り
2020年4月20日~2020年4月24日の週の株式相場は、2万円を回復すると考えられるが、上昇トレンドを形成するまでには至らず、もみ合いになりやすいと考えられる。
2020年4月13日~2020年4月17日の週の日経平均株価は、週のはじめは前週末のFRBの新型肺炎対策が好材料となったものの、翌日は欧米の株式市場が休場だったことから方向感の定まらない状態となり、軟化した。
日本独自の好材料があるわけではない中、買い戻しの動きは巣ごもり銘柄に流れる場面もあった。
その後、米ニューヨーク州、カリフォルニア州等で経済活動再開に向けた動きが出てきたことが材料視される一方で、米国の経済指標の悪化が相場の下押し材料となり、15日、16日は軟化。
しかし、17日にはトランプ米大統領の経済活動再開への指針や、米製薬会社Gilead社のレムデシビルの臨床試験で、同薬を投与された中等度・重度の患者のほとんどで症状が回復したとのニュースが好感され、日経平均株価は19,922円まで上昇する場面もあるなど、強含みで取引を終えた。
先週書いた、ポイントとなる19,564円は、14日にいったん超えて取引を終えたものの、そこからは上値の重い状態が続いた。
15日にも同水準を超える場面が一時的にあったが、終値ベースでは下回った。
17日になって、日経平均株価はようやく19,564円を上抜けたのである。
日経平均株価は2万円回復もあるが米国市場に引きずられる展開に
これにより、2020年4月20日~2020年4月24日の週の日経平均株価はいよいよ2万円を回復する可能性がある。
ただ、力強い上昇トレンドになるかといえば、やはり米株式市場の動向に引きずられる形になるだろう。
前述のとおり、3月の米小売売上高や同米鉱工業生産指数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数など、4月13日~2020年4月17日に発表された米国の経済指標は軒並み弱かった。
その一方で、経済活動の再開に向けた動きが出てきているうえ、FRBの緊急利下げや量的金融緩和策、緊急資金供給策なども相場を下支えしている。
さらに、欧米の新型肺炎感染者数の拡大ペースが鈍化しつつあることも、安心材料となっているようだ。
このことが相場の安心感へとつながり、NYダウはコロナショック前の水準を目指して上昇していくだろう。
ただ、今後発表される米国の経済指標や企業決算の結果に、NYダウは大きく上下する場面もあると考えられる。
NYダウがコロナショック以前の水準まで戻るためには、米国の経済見通しが今後回復基調となる必要がある。
まだ新型肺炎の感染が収束に向かっているとは言い難く、今後、感染者数の動向がどう推移するか、見通しが立てにくい。
そのため、現状では、米国での外出禁止などの移動制限は6月頃までは続くとの見方が出てきている。
米国経済が元の状態に戻るためには経済活動が概ね再開する必要があり、そのためには移動制限が緩和されなければならないが、その段階に入るのは、今のところ早くても7月以降になると考えられているのだ。
このことを踏まえると、2020年4月20日~2020年4月24日の週に、日経平均株価は2万円台を回復するとみられるが、2万円台に定着するにはまだ早いと考えられる。
中国の経済指標と日米企業決算に注視
一方で中国だが、3月の貿易統計は輸出がドル建てで前年比-6.6%、輸入が同-0.9%と事前予想(輸出:同-14.0%、輸入:同9.5%)を上回り、1月-2月平均の-17.2%からは大幅に改善した。
今回の改善は、アジア向け輸出が底堅く推移したことが原因とみられている。
なお、人民元ベースでは、輸出が同-3.5%減となっている。
予想よりは悪化していないことが相場の安心材料となった一方で、世界各国の経済活動が停滞していることから、今後の動向には引き続き注意が必要である。
一方で、中国国内の生産活動の先行指数となる未加工銅の輸入は、数量ベースで同+13.3%と増加し、鉄鉱石も同-0.6%にとどまったことはポジティブ。
2020年4月20日~2020年4月24日の週については、中国の主要な経済指標の発表はないが、今後もその動向には注目したい。
また、2020年4月20日~2020年4月24日の週は、日米の企業決算が注目されるとみられる。
連休前の週となることから、ポジションを手仕舞いする動きも出ると考えられる一方で、欧米の感染者数の動向次第では買い戻しが入る可能性もあるなど、方向感が出にくいだろう。
日経平均株価が自力で上昇トレンドを形成するには、現政権が力強い経済対策を行う必要があるが、その動きがみられず、これまでと同様に新味のない経済対策を行うのであれば、上昇は一時的なものとなりもみ合いに転じやすいと考えらえる。
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