知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2020年10月5日~10月9日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は上値が重く方向感の出にくい展開
2020年10月5日~2020年10月10日の週の日経平均株価は、米国の政局に左右されやすいと考えられる。
トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染が市場の重しとなり、上値が重く方向感の出にくい展開になりそうだ。
先週は波乱の一週間
2020年9月28日~2020年10月3日の週は、波乱の一週間となった。
週始めは、前週末の米国株の上昇を受けて相場の地合いが改善したことに加え、9月末の権利取りの最終売買日であったことから、日経平均株価は前日比307円の上昇で終わったが、翌日は権利落ち日だったことから、売りに押される場面もあった。
9月30日(水)は米大統領選候補者によるテレビ討論会が行われ、「史上最悪の討論会」「カオス」と評されるなど、泥仕合の様相となった。
ただ、テレビ討論会の内容から、市場は増税論者のバイデン氏が有利との見方をしたために、この日の日経平均株価はNYダウ先物の下落に引きずられる形で下落。
さらに10月1日(木)には、東証でシステム障害が発生し、国内の全銘柄の売買が終日停止という、前代未聞の出来事が起きた。
なお、この日の米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大に対する追加経済対策についての与野党協議が進展するとの期待感が強まり、NYダウは小幅上昇。
翌10月2日(金)の日経平均株価は、前日の米株の動向を受けて買い優勢となったものの、週末ということでポジション解消の動きも出たため、堅調ながらももみ合う展開に。
しかし、終盤、トランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染したとの報道が出ると、一気にマイナス圏に沈み、日経平均株価は一時23,000円を割り込む場面もあった。
最終的には23,000円台を回復して取引を終えたものの、前日比マイナスで取引を終えた。
このように、2020年9月28日~2020年10月3日の週は大統領選候補者によるテレビ討論会という大きなイベント以外に、想定外の大きな出来事が発生し、波乱含みの展開となった。
東証のシステム障害はアローヘッドの機器故障によるものだったが、10月2日(金)には復旧し、通常どおり取引が行われた。
トランプ・ショックは一旦消化した形に
また、トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染に関しては、風邪のような症状で軽いとのことだが、米大統領選は約1か月後ということもあって、選挙活動への影響が心配されている。
また、それと同時に、先日テレビ討論会を共に行ったバイデン氏への感染も心配されていたが、検査の結果、同氏は陰性だったと報道された。
トランプ米大統領の新型コロナウイルスへの感染は、バイデン氏にとって追い風になると考えられる。
事実、トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染の報道直後、日経平均株価は大幅に値を下げた。
また、同日のNYダウも前日比マイナス圏でのスタートとなり、一時430ドル超下落する場面もあった。
ただ、市場にとってポジティブなニュースもあり、この日発表された9月の米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)は事前予想の79.0を上回る80.4となった。
同日発表された米雇用統計が事前予想の前月比+85.0万人を大幅に下回る同+66.1万人となったことが悲観されたが、米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)の上振れによって景気見通しが改善したため、この日の米10年債利回りは、0.65%から0.7%台に上昇している。
また、このところの懸念材料の一つになっていた追加経済対策についても、米民主党のペロシ下院議長が「交渉が継続し、何らかの合意に達する」と発言。
さらに、航空会社対象の支援についても示唆したことが市場心理の改善につながり、NYダウは最終的に前日比134.09ドル安で取引を終えたものの、プラス圏を一時回復する場面もあり、新型コロナウイルス感染による「トランプ・ショック」をいったんは消化した形だ。
今後もトランプ米大統領の症状に関する報道や米大統領選に関する報道には注意が必要
とはいえ、2020年10月5日~2020年10月10日の週の日経平均株価の動向は、米政局の動向に左右されやすい展開となるだろう。
今のところトランプ米大統領は軽症で、そのことも市場の安心材料となっているが、年齢のこともあり、今後病状が悪化する可能性も考えられる。
もしも病状が悪化し、バイデン氏有利の状況が変わらない場合は、日経平均株価の下落につながるだろう。
一方で、ポジティブシナリオがないかというと、そうではない。
今回のトランプ米大統領のように、国の首脳が新型コロナウイルスに感染した例は他にもある。
例えば、英国のボリス・ジョンソン首相は新型コロナウイルスに感染し、一時は重症化したものの、無事に回復。
その後、ジョンソン英首相の支持率は急上昇した。
今回、トランプ米大統領が無事回復すれば米保守層の団結は一層強まり、ジョンソン英首相同様、「新型コロナウイルスに打ち勝ったリーダー」というイメージが追い風になる可能性もゼロではない。
いずれにせよ、今後もトランプ米大統領の症状に関する報道や米大統領選に関する報道には注意が必要だ。
今週はノーベル賞の発表もある
また、2020年10月5日~2020年10月10日の週に注目したいのが、ノーベル賞の発表だ。
5日(月)から発表が始まるが、日本人受賞者が出た場合、関連する銘柄に個人投資家を中心に買いが入る可能性がある。
この他に、5日(月)発表の9月の米ISM非製造業景況指数の結果や、国内の小売大手の決算発表の内容にも注目したい。
Copyright secured by Digiprove © 2020