知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年10月12日~10月16日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は概ね底堅く推移か
2020年10月12日~2020年10月17日の週の日経平均株価は、米大統領選の他、各企業の決算発表の内容に左右されやすいと考えられる。
ただ、ドル円も円高がやや改善傾向にあり、米国株も持ち直してきていることから、概ね底堅く推移するだろう。
トランプショックからの回復
2020年10月5日~2020年10月10日の週は、前週末の「トランプ・ショック」からの回復の一週間となった。
トランプ米大統領の容体が軽症で、5日(月)にも退院するとの報道があったことが後押しし、5日(月)の日経平均株価は下落したものの、買い戻しも入り底堅い展開に。
6日(火)はトランプ米大統領の退院を受けて安心感が広がったことや、米追加経済対策への強い期待感から堅調に推移したが、この日にトランプ米大統領が米追加経済対策を巡る与野党協議を当面停止すると発表したため、翌7日(水)は売り優勢に。
ただ、トランプ米大統領が航空会社などへの支援についてTwitterに投稿すると、リスクオフムードが和らぎ日経平均株価は下げ幅を縮小した。
この日の米国市場でも、トランプ米大統領が航空会社などへの支援策に加え、1350億ドル規模の中小企業支援策や1人あたり1,200ドル規模の現金給付の実施について実施すべきとの考えを示したことが好感され、NYダウが上昇。
これを受けて8日(木)の日経平均株価は23,600円を超えて取引を終えた。
なお、9日(金)については、週末のポジション調整による売りが入ったことが圧迫要因となり小反落したが、それでも23,600円台を維持して取引を終えている。
このように、前週末にトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染という大きな懸念材料が発生したものの、2020年10月5日~2020年10月10日の週は、そこからの回復に加え、上値を伸ばす展開となった。
大統領選挙の影響について
トランプ米大統領は、新型コロナ感染の陽性判定からわずか2日間で退院し、「20年前より調子が良い」「新型コロナウイルスを恐れるな」などとTwitterに投稿。
健康状態が良好なことをアピールしているが、今後また症状が悪化するのではないかとの懸念が一部で広がっているようだ。
また、新型コロナウイルス対策を軽視しているとの批判を浴びていたトランプ米大統領自身が新型コロナウイルスに感染したことで、バイデン候補には追い風になったと考えられる。
従来、増税論者であるバイデン氏が選挙戦で有利との報道が出ると、市場はネガティブ材料と捉え、株安になると考えられていたが、今週に入ってからは必ずしもそうとは言えない動きになっている。
今回、米追加経済対策を巡る与野党協議が難航してなかなか前進せずにいたが、これを受けて、議会と大統領がどちらも民主党であれば、積極的な経済対策が打ち出されるのではないかとの思惑が出てきているのである。
そのため、バイデン氏有利との報道が出ても、市場はこれまでのようにリスクシナリオとしては捉えず、むしろポジティブシナリオとして捉えている向きがある。
とはいえ、市場のこのような姿勢は流動的なものなので、米国の政局次第で再び地合いが変わる可能性があることに注意が必要だ。
今週も小売中心とした決算発表に注意
2020年10月12日~2020年10月17日の週に関しては、引き続き米大統領選の動向に左右されやすいと考えられるが、2020年6-8月期の決算が市場の注目材料になることにも注意したい。
日本では小売りの決算がまずは発表されたが、イオン九州やウエルシアホールディングス、マックスバリュ西日本など、会社が大幅増益予想を開示したり、最高益予想をさらに上乗せしたりと、コロナ禍が追い風となって業績好調なものが目立っている。
特に注目されたのがセブン&アイ・ホールディングスだが、同社の今上期決算は減収減益となり、コロナ禍の影響を受けた一方で、通期会社計画については上方修正している。
コンビニ大手3社の中で、同社だけが既存店売上高が前年並みの水準に戻っているにも関わらず、株価が割安な水準にあることから、同社株は9日(金)に前日比4.6%高の上昇となった。
来週も引き続き小売を中心に決算発表が行われるが、その内容には注意したい。
さらなる注目は半導体セクター
この他に注目したいのが、半導体セクターだ。
韓国のサムスン電子や台湾のTSMCの決算が好調だったため、日本の半導体セクターの決算に対して期待が高まり、思惑買いが入る可能性がある。
また、米国では金融株を中心に7-9月期の決算発表が行われるが、その結果にも注意が必要だ。
なぜなら、日本の金融株に思惑買いが入ったり、反対に売られたりするケースがあるからだ。
そのため、日本のみならず、米国の決算発表にも注目したい。
米大統領選の動向と経済指標を要チェック
なお、15日には2回目の大統領候補者の討論会が行われるが、トランプ米大統領は、リモートで行われる討論会への参加を拒否して選挙集会を開くとし、バイデン氏も有権者とのタウンホール形式の集会を開くことにしている。
そのため、15日の討論会は事実上行われないこととなり、22日に米テネシー州で開かれる予定の討論会の開催方法がどうなるのかに注目が集まるだろう。
いずれにせよ、市場は米大統領選の動向に引き続き左右されるので、注意したい。
米大統領選や決算発表のほか、15日(木)発表の10月米フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、16日(金)の10月米ミシガン大学消費者信頼感指数や9月米小売売上高の結果にも市場の注目が集まると考えられるので注意が必要だ。
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