知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年3月15日~3月19日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は、日米金融政策決定会合を前に方向感の出にくい展開に
2021年3月15日~2021年3月20日の日経平均株価は、FOMCと日銀の金融政策決定会合を前に方向感の出にくい展開になると考えられる。
先週の振り返り
2021年3月8日~3月13日の週の日経平均株価は、前週末の下落から一転、29,000円台を回復した。
8日(月)は、序盤は買い優勢だったものの、時間外のNYダウ先物の軟調により、日経平均株価は続落。
9日(火)の東京株式市場では、景気敏感株を中心に買われ、日経平均株価は29,000円台を回復した。
前日に米国で総額1.9兆ドル規模の経済対策法案が可決され、14日(日)までに成立する見通しとなったことが原因である。
10日(水)の日経平均株価は一時200円超上昇したが、米10年債の入札を控え、徐々に上げ幅を縮小する展開となり、ほぼ横ばいで取引を終えた。
11日(木)は、NYダウが終値の史上最高値を更新したことから、景気敏感株を中心に買いが優勢となり、日経平均株価は上昇。
12日(金)は前日のNYダウが5日続伸したため、朝方こそ先物・オプション3月物のSQ算出に絡む売買によりマイナスに沈む場面もあったが、SQを通過すると上げ幅を拡大し、後場には一時前日比530円まで上昇する場面もあった。
最終的に、日経平均株価は前日比506円19銭高の29,717円83銭で取引を終えた。
米長期金利の上昇に対する警戒感は依然として強い
このように、日経平均株価は持ち直したものの、米長期金利の上昇に対する警戒感は依然として強い。
そのため、2021年3月15日~2021年3月20日の週に開催される、FOMCと日銀の金融政策決定会合には注意が必要だ。
11日(木)に開催されたECB理事会では、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れを次の四半期に拡大すると決定した。
ユーロ圏では米金利に追随して国債利回りが上昇し、景気回復の遅れが懸念されていた。
ECBは景気回復に向けてユーロ圏の国債利回りの上昇を抑制するために、1兆8,500億ユーロ規模のPEPPに基づく資産の買い入れついて、次の四半期にかけてペースを加速させる計画を示している。
ECBの決定を受けて、長期金利の上昇を今のところ静観している日米がどのようなスタンスを示すかに市場の注目が集まるだろう。
そのため、2021年3月15日~2021年3月20日の日経平均株価は、16日(火)~17日(水)のFOMCと18日(木)~19日(金)の日銀・金融政策決定会合を前に、方向感が出にくくなるだろう。
FRBが金利上昇の歯止めをかけるのか?
ただ、現状、FRBが金利上昇に歯止めをかけるべく何らかの措置をとる可能性は低い。
2月の米消費者物価指数のコアCPIが事前予想を下回ったことから米長期金利の上昇は一服したが、足元では不安定な動きを見せ、12日(金)に再び上昇基調となっている。
長期金利の上昇は、必ずしもネガティブなものでなく、景気回復の「通過儀礼」であるが、今のところはマーケットの混乱要因となっている。
そのため、市場では、パウエルFRB議長から長期金利の上昇をけん制する発言が出ることを期待する向きが強い。
長期金利の上昇に対する懸念を表明するだけでは、市場は失望感を示すだろう。
17日(水)のFOMC終了後のパウエルFRB議長の会見で、踏み込んだけん制があるか注目したい。
一方で、14日(日)までに成立見込みの米国の総額1.9兆ドル規模の経済対策法案は、1人あたり1,400ドルの現金給付も含むため、景気の底上げが期待される。
そのため、NYダウや日経平均株価は方向感が出にくいながらも、概ね底堅く推移するだろう。
今週の推奨セクター
なお、2020年3月15日~2021年3月20日の週で推奨したいセクターは、金融や自動車である。
金融は、14日(日)までに成立見込みの米国の追加経済対策法案によって、景気の底上げが期待されることから、市場の関心が景気敏感株に移っていることが追い風になるだろう。
また、自動車については、円安基調になっていることが好材料である。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、ハイテク関連と機械である。
ハイテク関連については元々割高な水準にあったことに加え、米国の株式市場において、景気敏感株に関心が移ったことから売られる展開となっている。
そのため、日本のハイテク関連株も連れ安になる可能性があり、注意が必要だ。
機械については、特に半導体製造装置のメーカーに注意が必要だ。
これらのメーカーの株価は、半導体のひっ迫による半導体メーカーの生産増強への期待から上昇してきた側面もある。
目下のところ半導体の需要は堅調だが、半導体メーカーの製造装置の搬入計画は、2021年の上期にピークを迎えるとみられる。
そのため、これを織り込んで株価が下降トレンドに転換する可能性があることに注意したい。
今週は16日の米小売売上高にも注目
なお、2020年3月15日~2021年3月20日の週は、FOMCや日銀の金融政策決定会合以外に、16日(火)の2月の米小売売上高に注目したい。
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