知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年3月29日~4月2日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は概ね堅調に推移
2021年3月29日~2021年4月3日の日経平均株価は、概ね堅調に推移すると考えられる。
先週の振り返り
2021年3月22日~2021年3月27日の日経平均株価は、週半ばまで大幅下落した後、週後半に上昇に転じた。
22日(月)は前週末のNYダウが大幅下落したことを受け、日経平均株価は600円超下落する場面もあるなど軟調に推移した。
23日(火)の日経平均株価は、軟調なアジア株の動向を受けて下落し、翌24日(水)も、海外投資家による景気敏感株の利益確定売りや、欧州の新型コロナウイルスの感染再拡大、そして、不安定な米金利の動向が下押し材料となり、4営業日続落した。
しかし、25日(木)には、米長期金利の下落が一服し、NYダウ先物が上昇したことから、日経平均株価は一時400円超上昇した。
26日(金)は、前日のNYダウが、バイデン米大統領が4月までのワクチン接種目標をこれまでの2倍の2億回に引き上げたことを好感して反発したことから、日経平均株価も買い優勢に。
そのため、日経平均株価は29000円台を回復し、前日比446円82銭高の29,176円70銭と続伸して取引を終えた。
米長期金利と日経平均連動型ETF買い入れ停止
このように、3月22日(月)~3月26日(金)の日経平均株価は、週半ばまでは下落が続いたが、その理由として、米長期金利が再び不安定になったこと以外に、19日(金)に発表された日銀の日経平均連動型ETF買い入れ停止が挙げられる。
こと日本市場に関しては本件が材料視されたようで、値嵩株を中心に売られるなど、週半ばまで影響が残った形だ。
ただ、19日(金)~24日(水)までの間に日経平均株価は1,800円超下落し、25日(木)、26日(金)と反発したことで、日銀の日経平均連動型ETF買い入れ停止という悪材料はすでに織り込まれたものと考えられる。
そのため、3月29日(月)~4月3日(土)の日経平均株価は、概ね堅調に推移するだろう。
米国増税懸念と欧州再ロックダウン
不安材料として米長期金利の動向が挙げられるが、25日(木)の7年物米国債の入札が低調だったことや、前週分新規失業保険申請件数や継続受給者数が改善したこと、さらには、2020年10月-12月期米四半期GDPが事前予想を上回るなど、米長期金利が上昇しそうな材料があったにもかかわらず、小幅なものにとどまった。
そのため、足元では金利の上昇は一服したと考えられる。
ただ、23日(火)に、イエレン米財務長官が下院金融委員会の公聴会で、米政権が検討しているとされるインフラ投資について、「資金を賄うため、歳入増を図る必要がある」と指摘したことから、増税懸念が高まっている。
それに加え、欧州ではフランスやハンガリーなど、新型コロナウイルス変異株の感染が拡大し、再ロックダウン懸念が広がっている。
3月29日(月)~4月3日(土)の週は、これらのことが、株価の押下げ要因として意識されそうだ。
配当・優待目的の買いが相場の下支え材料
一方で、3月末権利確定日が29日(月)に控えていることから、配当や株主優待目的の買いが入ったことが、25日(木)以降の株価押し上げの一因になった。
そのため、29日(月)までは、個人投資家を中心に配当・優待目的の買いが入り、相場の下支え材料となるだろう。
また、26日(金)のNYダウが、バイデン米政権のインフラ投資計画への期待感や新型コロナワクチンの配布加速への期待感から史上最高値を更新したことも、好感されそうだ。
翌30日(火)は権利落ち日となるが、この時に、ETFが先物で受取配当分を買い付けることから、株価の押し上げ要因になる可能性がある。
また、3月31日(水)に年度末を迎え、国内年金の売りも一巡することから、4月1日(木)以降、日経平均株価は概ね堅調に推移するだろう。
日経平均株価は、26日(金)に29,000円台を回復した。
そのため、次に注目されるのは、29,500円台を回復するかどうかであると考えられる。
もしも同水準を回復すれば、3月29日(月)~4月3日(土)の日経平均株価は再び30,000円台を目指して堅調に推移するだろう。
今週の推奨セクター
なお、2020年3月22日~2021年3月27日の週で推奨したいセクターは、機械である。
なぜなら、日本工作機械工業会が23日(火)に発表した2月の工作機械受注速報の確報値において、欧米や中国での受注回復がみられるからである。
それに加え、国内に関しても引き合いが増加傾向にあることから、次第に受注が回復していくと考えられる。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、ハイテク関連に加え、小売りである。
ハイテク関連については、株式市場が景気敏感株を選好していることが挙げられる。
また、小売りについては、首都圏での緊急事態宣言が解除されたものの、オフィスエリアや大商圏型商業エリアの店舗に関しては、コロナ禍前の水準に戻るには、まだ時間がかかりそうであることが理由として挙げられる。
新型コロナウイルスワクチンの2回目の接種が終了する夏までは、これら店舗への人の戻りは鈍い状態が続きそうである。
今週は米雇用統計に注目
また、2021年3月29日~2021年4月3日の週は、31日(水)に3月ADP雇用統計、1日(木)に3月ISM製造業景況指数、2日(金)に米雇用統計が発表される。
これらの指標の結果が株式市場に影響を与える可能性があるため、結果には注意したい。
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