知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年6月21日~6月25日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
NYダウなど米株価指数の動向に左右される展開
2021年6月21日~2021年6月26日の日経平均株価は、NYダウなど米株価指数の動向に左右されやすいだろう。
米国の利上げ予想の前倒が懸念材料に
2021年6月14日~6月19日の日経平均株価は、週の前半は概ね堅調だったが、FOMC後は金融緩和終了の前倒しが意識されたことで、下落した。
14日(月)は、利益確定売りに押される場面もあったが、時間外のNYダウが底堅く推移したため、日経平均株価は前営業日比213円07銭高で取引を終えた。
15日(火)は、前日のナスダック総合指数が終値での最高値を達成したことを受けて、半導体関連などのハイテク株や医薬品を中心に買われた。
景気敏感株が利益確定売りに押されて下落したが、日経平均株価は後場に300円超上昇する場面もあるなど堅調に推移し、前日比279円50銭高となった。
16日(水)は、前日のNYダウが続落したことから売りが先行し、輸出関連株を中心に下落。
中国株や香港株の軟調や値嵩株の下落も下押し材料となり、日経平均株価は前日比150円29銭安となった。
17日(木)は、前日のFOMCで米国の利上げ予想が前倒しされたことが懸念材料になった。
米長期金利の上昇を受けてハイテク株が売られた一方、金融株や自動車株が買われたが、下押し圧力は強く、日経平均株価は前日比384円26銭安と下落した。
18日(金)の日経平均株価は、米長期金利の上昇を受けてハイテク株に買いが入ったが、特段の材料がなく、週末のポジション解消売りに押される展開に。
最終的に前日比54円25銭安の28,964円08銭と3日続落で取引を終えた。
金融緩和の早期終了が重しに
2021年6月21日~2021年6月26日の日経平均株価は、米国の利上げ前倒しによる金融緩和の早期終了が重しとなるだろう。
今回のFOMCでは、事前予想どおりゼロ金利と量的緩和策の維持が決定された。
サプライズとなったのは、2023年中にゼロ金利政策を解除し、2回の利上げを行う見通しになったことだ。
今年3月時点では、FOMCメンバーの過半数が2023年末までのゼロ金利維持を予想していたため、利上げは2024年に行われるとみられていたが、今回のドットチャートから、2023年中に過半数のメンバーが少なくとも2回の利上げを見込んでいることが判明した。
パウエルFRB議長は、ドットチャートはメンバーの個人的な見解であり、テーパリング開始の条件まではかなり遠いと強調した一方、テーパリングについて、当局者が議論を始めることも明らかにしている。
米国では新型コロナワクチン接種が進み、経済活動の再開が本格化しつつある。
今後も米経済指標が強含みで推移し、米国の景気の過熱感が確認されるようなら、金融緩和の終了はさらに前倒しされる可能性もある。
このことが2021年6月21日~2021年6月26日の週は意識されるだろう。
日本国内は特段の材料無し
国内は特段の材料がないため基本的には方向感が出にくく、NYダウやナスダック総合指数など、米国の株価指数の動向を受けて日経平均株価が動く、という展開が続きそうだ。
なお、今回のFOMCを受け、概ね1.50%を割り込む水準で推移していた米10年債利回りは急騰し、1.50%を一気に超過した。
しかし、17日(木)発表の前週分新規失業保険申請件数や同失業保険継続受給者数は予想外に悪化し、6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は事前予想より弱い結果となった。
そのため、米10年債利回りは急落し、再上昇後も1.50%~1.525%の範囲で推移した。
また、18日(金)に米CNBCテレビのインタビューに応じたブラート米セントルイス連銀総裁が、2022年終盤の利上げ開始を予想していると明らかにしたことで、米10年債利回りは再度急上昇したが、米株安を受けて米国債が買われたことから1.50%を割り込んだ。
そのため、米国の金融緩和の早期縮小が意識されて米株安になっても、安全資産として米国債が買われる展開になり、米長期金利は比較的落ち着いて推移すると考えられる。
今週の推奨セクター
2021年6月21日~2021年6月26日の週で推奨したいのは、小売である。
国内でのワクチン接種が急速に拡大し、経済活動再開が本格化した際の株価の値上がりに期待できる。
今期業績の見通しが厳しいために株価が軟調なものもあるが、既存店売上高が会社計画を上回るペースとなっているものを中心に買い進めておくのも良いだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、銀行や保険などの金融である。
米国の利上げ前倒し見通しや米セントルイス連銀のブラート総裁の発言を受け、米10年債利回り急騰したが、落ち着くのも早かった。
そのため、米10年債利回りの上昇は頭打ちになっていると考えられ、金融株にとってはマイナス材料となるだろう。
今週の経済指標
なお、2021年6月14日~2021年6月19日の週は、22日(火)に5月米中古住宅販売件数、23日(水)に6月米製造業PMI、6月米サービス部門PMI、5月米新築住宅販売件数、 25日(金)に米5月個人消費支出が発表される。
これらの結果にも注目したい。
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