知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年8月30日~9月4日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
方向感の出にくい状態が続く
2021年8月30日~2021年9月4日の週の日経平均株価は、3日(金)発表の8月米雇用統計を前に、方向感が出にくいだろう。
先週の振り返り
2021年8月23日~2021年8月28日の週の日経平均株価は大幅上昇した後は、方向感の出にくい展開が続いた。
23日(月)は、タカ派のカプラン米ダラス連銀総裁が、テーパリングを巡る方針について、デルタ株の感染状況次第で調整することを示唆したため、前週末のNYダウが反発した流れから、日経平均株価は終始高値圏で推移すると、前週末比480円99銭高で取引を終えた。
24日(火)は、前日のNYダウが、ファイザー・独ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンを米当局が正式承認したことを好感して上昇したため、日経平均株価も前日比プラス圏でスタートし、前日比300円超上昇するなど強含んだ。
しかし、その後はもみ合いとなり、前日比237円86銭高で取引を終えた。
25日(水)は、前日のNYダウが小幅ながら3日続伸したことを好感し、日経平均株価は前日比プラス圏でスタートしたが、緊急事態宣言の対象地域拡大が重しとなってマイナス圏に沈むと、前日比7円30銭安で取引を終えた。
26日(木)は、前日のNYダウが4日続伸した流れを受け、日経平均株価は前日比プラス圏でスタートしたが、国内での新型コロナ感染拡大や緊急事態宣言の対象地域拡大などの懸念材料が重しとなって上げ幅を縮小し、前日比17円49銭高で取引を終えた。
27日(金)は、年内のテーパリング開始を支持すると複数の地区連銀総裁が述べたことや、アフガニスタンの空港周辺で自爆テロが発生したことが懸念され、前日のNYダウが下落したため、日経平均株価も前日比マイナスでスタートすると下げ幅を拡大した。
しかし、この日開催のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を前に、様子見ムードが広がると下げ渋る展開に。
ただ、積極的な商いが手控えられたために買いも出にくく、日経平均株価は前日比101円15銭安の27,641円14銭で取引を終えた。
このように、2021年8月23日~2021年8月28日の週の日経平均株価は、好悪材料が混在したことに加え、ジャクソンホール会合が意識されて方向感の出にくい状態が続いた。
米雇用統計公表まで様子見ムード
2021年8月30日~2021年9月4日の週の日経平均株価は、引き続き方向感の出にくい状態が続くと考えられる。
なぜなら、3日(金)に8月米雇用統計が発表されるからだ。
27日(金)のジャクソンホール会合で、パウエルFRB議長は、経済が著しい一段の前進を見せていると述べ、テーパリングは年内開始が適切との見方を示した。
一方で、パウエルFRB議長は、テーパリング開始が利上げの直接的なシグナルではないとの発言もしたことから、タカ派色は強まらず、市場では安心感が広がった。
今回のパウエルFRB議長の発言は、市場にとって想定内のものであったため、特段のサプライズはない。
次に注目されるのは8月の米雇用統計で、その結果を判断材料として、9月のFOMCではテーパリングの開始時期を決定するとの見方がされている。
そのため、2021年8月30日~2021年9月4日の週の日経平均株価は、米雇用統計を前に様子見ムードが続くと考えられる。
パウエルFRB議長の発言が安心材料になり、NYダウやナスダック総合指数は堅調に推移すると考えられるため、日経平均株価にとってはプラス材料になるだろう。
ただ、国内での新型コロナウイルスの感染者数拡大や、アフガン情勢の悪化などの下押し材料があることから、日経平均株価は上昇しても限定的なものにとどまる可能性に注意したい。
今週の推奨セクター
2021年8月30日~2021年9月4日の週で推奨したいのは、IT関連である。
今回のパウエルFRB議長の発言を受け、早期利上げの開始への懸念は後退し、27日(金)のナスダック総合指数は取引時間中の史上最高値を一時更新している。
そのため、IT関連株は概ね底堅く推移するだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、鉄道や航空である。
新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言の対象地域拡大を受けて、これら業種は、しばらくは逆風が続くと考えられる。
現在猛威を振るう変異株の感染状況の影響を受けやすいため、避けた方が良いだろう。
また、今回のパウエルFRB議長の発言から低金利が当面続くとの見方が強まったため、銀行にとって逆風となるかもしれない。
今週の経済指標
なお、2021年8月30日~2021年9月4日の週は、8月米雇用統計以外に、31日(火)の8月米消費者信頼感指数、1日(水)の8月米ADP雇用統計と8月米ISM製造業景況指数、3日(金)の8月米ISM非製造業景況指数の結果にも注目したい。
好調な結果が続けば、テーパリング開始時期が早まることが懸念され、米株価指数は軟調に推移する可能性がある。
日経平均株価の下押し材料になるため、注意が必要だ。
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