知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年11月1日~11月6日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
方向感の出にくい状態続くか
2021年11月1日~2021年11月6日の週の日経平均株価は、FOMCや米雇用統計を前に方向感の出にくい状態が続くとみられる。
先週の振り返り
2021年10月25日~2021年10月30日の週の日経平均株価は方向感が出にくかった。
25日(月)は、前週末のNYダウが、中国恒大のドル建て債利払い実施や米企業の好決算を受けて上昇した一方、インフレリスクが意識されてナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は上値の重い展開に。
日経平均株価は前週末比204円44銭安の28,600円41銭で取引を終えた。
26日(火)は前日のNYダウが続伸し、ナスダック総合指数が反発したことから、日経平均株価は29,100円台に上伸した。
その後も堅調に推移し、前日比505円60銭高の29,106円01銭で取引を終えた。
27日(水)は、前日のNYダウが小幅ながら3日続伸し、連日で史上最高値を更新したほか、ナスダック総合指数も小幅続伸したが、日経平均株価は前日の大幅上昇からの反動で下落。
中国株が軟調に推移したため、29,000円台を割り込む場面もあったが、日経平均株価は前日比7円77銭安の29,098円24銭で取引を終えた。
28日(木)は、前日のNYダウが4日ぶりに反落したことから、日経平均株価は下落してスタートしたが、半導体関連株などの上昇が下支えした。
しかし、上値は重く、材料難も手伝って軟調もみ合いとなると、前日比278円15銭安の28,820円09銭で取引を終えた。
29日(金)の日経平均株価は、時間外取引で米ハイテク株が売られたことから、前日比マイナス圏でスタートした後、前日終値近辺まで値を戻したものの、方向感の出にくい展開に。
後場に入ると日経平均先物の上昇を受けて、一時前日比180円高となったが、衆院選を前に様子見ムードも強く、前日比72円60銭高の28,892円69銭で取引を終えた。
FOMCまで様子見モード
2021年11月1日~2021年11月6日の週の日経平均株価は、2日(火)までは小動きになると考えられる。
なぜなら、3日(水)にFOMCが開催されるからである。
3日(水)は祝日で日本の市場は休場だが、FOMCの結果を前に、それまでは様子見ムードとなりやすいだろう。
なお、今回のFOMCでは、テーパリングを公表するとの見通しがされている。
22日(金)のオンライン討論会で、パウエルFRB議長は、物価高が従来予想よりも長く続く可能性が高く、2022年も続くとの見方を示した。
パウエルFRB議長がインフレ長期化への警戒感を示したことから、この日のナスダック総合指数は下落し、週明け25日(月)の日経平均株価の軟調の原因となった。
市場は年内のテーパリング開始を織り込み済みで、9月のFOMCで「すぐに正当化される可能性がある」との表現が声明文に加えられたため、今回のFOMCでテーパリングが公表されるとの見方がされているのだ。
また、9月のFOMCで発表されたドットチャートで、2022年の利上げを予想するFRB高官が半数に及び、ほとんどの高官が2023年の利上げを予想していることから、利上げのペースが速まるとみられている。
13日(水)発表の9月米消費者物価指数が前年同月比+5.4%となるなど、米国のインフレ加速が懸念されているため、今回のFOMCでは利上げ時期にも注目が集まるだろう。
中でも5日(金)の雇用統計は、パウエルFRB議長の記者会見での発言を基に結果が注視されると考えられ、事前予想を上回る結果となった場合には円安が進み、日経平均株価を押し上げると考えられる。
なお、31日(日)の衆院選に関しては、自民党単独での過半数獲得が厳しいとの報道がされている。
仮に自公で過半数割れとなった場合には、1日(月)の日経平均株価の下押し材料になる可能性が高いものの、一時的なものにとどまるだろう。
今週の推奨セクター
2021年11月1日~2021年11月6日の週に推奨したいのは、引き続き石油と海運である。
石油に関しては、原油価格が来年まで高止まりするのではないかとの見方がされている。
目先のイベントとして注意したいのが、4日(木)のOPECプラスで、ここで追加増産が決定されず見送りになるようなら、株価はしばらく堅調に推移するだろう。
海運に関しては、業績好調な銘柄に買いが入りやすい地合いが続くと考えられる。
利益確定売りで押されても、需給のひっ迫が続く見通しであることから、下落は限定的なものにとどまると考えられるため、押し目買いの好機になるだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、電力である。
原油価格の高騰は、電力会社の減益要因になっている。
OPECプラスの動向次第だが、追加増産が見送られれば、電力各社の業績下押し要因になるため、株価の軟調が続くだろう。
今週の経済指標
なお、2021年11月1日~2021年11月6日の週は、3日(水)のFOMC、5日(金)の米雇用統計以外に、1日(月)に10月米製造業PMI、10月米ISM製造業景況指数、3日(水)に10月米ADP雇用統計、米ISM非製造業景況指数が発表される。
また、2日(火)には日銀・金融政策決定会合議事要旨の発表があるため、これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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