知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年1月10日~1月15日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今年もよろしくお願いします。
今週の相場見通しをお届けしますが、今週から米国市場の見通しも加えて解説します。
方向感の出にくい展開に
2022年1月10日~2022年1月15日の週の日経平均株価とNYダウは、方向感の出にくい展開になると考えられる。
先週の振り返り
2022年1月3日~2022年1月8日の週の日経平均株価は、大発会こそ大幅上昇したが、その後は米長期金利の上昇や想定より早い米国の利上げの可能性が嫌気され、大幅下落した。
3日(月)は、日本は休場だった。
一方、米株式市場では、オミクロン株の感染拡大が短期間で収束するとの専門家の見方が安心感を誘い、米国の景気回復が2022年も続くとの期待感からNYダウが史上最高値を更新し、ナスダック総合指数も上昇して取引を終えた。
4日(火)の日経平均株価は、前日の米国市場でNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから306円高でスタートすると、上げ幅を拡大する展開に。
後場も買い優勢となり、日経平均株価は前営業日比510円08銭高の29,301円79銭で取引を終えた。
5日(水)は、前日のNYダウが連日で史上最高値を更新した一方、ナスダック総合指数が大幅反落したことを受け、日経平均株価は小反落してスタートした。
円安が進行したため輸出関連株が買われたが、ハイテク株が軟調となったため日経平均株価は伸び悩み、前日比30円37銭高の29,332円16銭で取引を終えた。
6日(木)は、想定より速いペースでの米利上げの可能性を嫌気して、NYダウとナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は下落。
国内の新型コロナウイルス感染者数の増加も懸念され、日経平均株価は前日比844円29銭安の28,487円87銭で取引を終えた。
7日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は買い戻しが入り、223円高からスタートした。
ただ、この日の夜に米12月雇用統計が発表されることから様子見ムードが続き、日経平均株価は前日比9円31銭安の2万8478円56銭で終了した。
今週の米国市場の見通しについて
2022年1月10日~2022年1月15日の週は、日米ともに引き続き米国の早期利上げが意識される展開が続くと考えられる。
5日(水)に発表された12月FOMCの議事要旨では、労働市場が非常にタイトであることから、高インフレへの対応として、想定より早い時期の利上げや資産購入額の縮小が必要との見方が示された。
そのため、米国の早期利上げが警戒され、日米の株式市場は総じて軟調となった。
7日(金)発表の12月米雇用統計では、非農業部門雇用者数変化(前月比)は、事前予想の40.0万人を下回る19.9万人だったが、平均時給は前月比、前年同月比ともに事前予想を上回った(前月比…事前予想0.4%、結果0.6%/前年同月比…事前予想4.2%、結果4.7%)。
賃金の伸びが事前予想を上回ったことから、2022年1月10日~2022年1月15日の週も、引き続き米国の早期利上げは意識されるだろう。
11日(火)には米上院でパウエルFRB議長の指名承認公聴会が予定されている。
ここで、パウエルFRB議長が早期利上げに触れる可能性があるため、発言内容には注意が必要だ。
さらに、2022年1月10日~2022年1月15日の週は、12日(水)に米12月消費者物価指数、13日(木)に米卸売物価指数、14日(金)に12月米小売売上高、1月ミシガン大学消費者態度指数が発表される。
これらの結果が強いものであれば、米国の早期利上げが意識される一方で、米企業の業績回復への期待感も強まると考えられるため、NYダウは方向感の出にくい展開になるだろう。
注目したいのは、米株価に早期利上げがいつ織り込まれるのか、という点である。
今回の米雇用統計の発表後、NYダウはもみ合いからいったん上昇に転じたが、その後は再びもみ合いに転じて取引を終えている。
2022年1月10日~2022年1月15日の週は、12日(水)の米12月消費者物価指数など米国の物価関連指標が発表される。
これらの結果が強いものになり、NYダウが上昇に転じれば、その後は再び上昇トレンドに乗るだろう。
一方、米10年債利回りは、3月の利上げを織り込んで高水準の動きが続いている。
このことは米ハイテク株の下押し材料となるため、特にナスダック総合指数にとってはマイナス要因となると考えられる。
そのため、米長期金利の動向にも注意が必要だ。
今週の日本市場の見通しについて
2022年1月10日~2022年1月15日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開が続くと考えられる。
NYダウが上昇しても、米長期金利の上昇が続けばナスダック総合指数が下落するため、日本のハイテク株は軟調に推移し、日経平均株価の下押し要因になるだろう。
それに加え、日本国内では新型コロナウイルスの感染拡大が再び懸念されている。
7日(金)に、沖縄、広島、山口の各県に対し、9日(日)~31日(月)までまん延防止措置が適用されることとなった。
オミクロン株の市中感染が各地で明らかになっていることから、経済活動再開に急ブレーキがかかるとの懸念が広がり、日経平均株価の下押し材料になる可能性に留意したい。
なお、11日(月)には東証による市場区分見直しの内容が発表される。
ここでプライム市場に入った銘柄に対し買いが入る可能性や、プライム落ちとなった銘柄が売られる可能性があるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2022年1月10日~2022年1月15日の週に推奨したいのは、アパレルである。
2021年12月は寒暖差が大きく、クリスマス以降は短期間で気温が大幅低下した。
また、6日(木)には首都圏を中心に太平洋側でも雪が降り、気象庁は東京23区に4年ぶりの大雪警報を発表するなど、1月に入ってからも寒波の影響は続いている。
これにより冬物衣料の需要が高まったと考えられるため、アパレルの12月~1月の売上の追い風になると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは旅行関連である。
7日(金)の閣議後の記者会見で、斉藤国土交通省は「Go To トラベル」に関し、「具体的な再開時期を申し上げる時期ではない」と話し、新型コロナウイルスの急速な感染拡大をその理由として挙げた。
そのため、旅行関連銘柄にとってはネガティブ材料となるだろう。
また、空運や鉄道にとっても同様にネガティブ材料となるため、避けた方が良いと考えられる。
今週の経済指標
すでに書いたように、2022年1月10日~2022年1月15日の週は、12日(水)の米12月消費者物価指数、米ベージュブックの公表、13日(木)の米卸売物価指数、14日(金)に12月米小売売上高、1月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表が予定されているので、結果には注意が必要だ。
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