知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年2月28日~3月5日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
不安定な展開が継続か
2022年2月28日~2022年3月5日の週の日経平均株価とNYダウは、引き続きウクライナ情勢への懸念から、不安定な展開になると考えられる。
先週の振り返り
2022年2月21日~2022年2月26日の週の日経平均株価は、ウクライナ情勢への懸念から一時25,800円台まで大幅下落したが、週末に26,400円台まで回復した。
21日(月)は、前週金曜日のNYダウがウクライナ情勢の緊迫化を受けて下落したため、日経平均株価も軟調となり一時573円超下落したが、米ロ首脳会談が行われることが伝わると、急速に買い戻されて下げ渋り、もみ合いとなった。
後場もウクライナ情勢への警戒感と、この日の米国市場が休場であることから積極的な買いが入らず、日経平均株価は前週末比211円20銭安の26,910円87銭で取引を終えた。
22日(火)は、ロシアがウクライナ東部で親ロシア派が実効支配する地域の独立を承認し、これを受け、バイデン米政権も経済制裁を発動すると発表したことから前日の欧州の株価指数が軟調に推移したため、日経平均株価も下落し、もみ合いとなった。
後場も、ウクライナ情勢の重大局面入りを背景に、NYダウ先物などが下落したことから売り優勢となり、日経平均株価は前日比461円26銭安の26,449円61銭で取引を終えた。
23日(水)の東京株式市場は天皇誕生日のため休場だった。
24日(木)は、22日(火)、23日(水)のNYダウが、ロシアのウクライナ侵攻が警戒されたことから大幅下落したため、リスク回避優勢に。
香港ハンセン指数の下落も重しとなり、安値圏で一進一退の状態が続いた。
後場に入ると、プーチン露大統領がウクライナでの軍事作戦決行を表明し、全面侵攻が始まったとの情報も伝わったことが嫌気され、売りが広がった。
日経平均株価は約1年3カ月ぶりに2万6000円の大台を割り込む場面もあったが、最終的に前営業日比478円79銭安の25,970円82銭と5営業日続落し、昨年来安値を更新した。
25日(金)は、対露制裁が厳しいものでないと受け止められたほか、FRBが金融引き締めを遅らせるとの見方から、前日のNYダウが6日ぶりに反発した流れを引き継ぎ、日経平均株価は値がさグロース株を中心に買い戻され、堅調もみ合いの展開となった。
後場に入っても日経平均株価は堅調に推移し、前日比505円68銭高の26,476円50銭で取引を終えた。
ウクライナ侵攻に関するニュースなど引き続き注意が必要
2022年2月28日~2022年3月5日の週は、NYダウ、日経平均株価ともに不安定な動きが続くと考えられる。
原因は、ロシアのウクライナ侵攻である。
当初、プーチン露大統領は戦争を仕掛けないとの見方もされ、ウクライナ東部の国境近くに展開していた部隊が撤退を開始したとの報道もあった。
しかし、24日(木)にロシアはウクライナに侵攻し、プーチン露大統領は、ロシアを妨げようとする者は、ただちに歴史上経験したことのないような結果をもたらすと警告した。
ロシアは、ウクライナがNATOに加盟することで、ウクライナの首都キエフから800㎞ほどしか離れていないモスクワを狙えるミサイルが配備されることを警戒している。
現状、ウクライナはNATO加盟国ではなく、また米国との安保条約も交わしていないことから、米国をはじめとする西側諸国にはロシアのウクライナ侵攻を止める有効な手立てがない。
米国や英国、EUなどの国が経済制裁を科すと表明しているものの、ロシアはEUからの食料品輸入が禁止されるなどの経済制裁を2014年から受けているため、米ドルへの依存から脱却し、外貨と金の準備高を増やすなど、経済制裁に耐えうる経済づくりを進めてきた。
このような背景から、西側諸国による経済制裁がロシアに与える影響は、今のところ限定的なものにとどまるとみられている。
例えば、バイデン米大統領が24日(木)に発表したロシアへの経済制裁は、軍との関係が深いロシアの国営大手2行の米国内での取引禁止という内容になっている。
また、ショルツ独首相が発表した制裁は、ロシアとの新しいガスパイプラインの認可手続きの停止という内容である。
そのため、対露制裁が厳しいものではないとして、24日(木)のNYダウは安心感から上昇している。
なお、25日(金)に、ロシアのぺスコフ報道官がウクライナとの交渉のため、ベラルーシの首都ミンスクに代表団を送る用意があると表明したため、この日のNYダウも安心感から上昇している。
しかし、状況は流動的でどのように変わるか分からないため、2022年2月28日~2022年3月5日の週も引き続き注意が必要だ。
また、2022年2月28日~2022年3月5日の週は、注目度の高い経済指標の発表や要人発言が相次ぐため、その結果にNYダウや日経平均株価は影響を受けるとみられる点にも注意が必要だ。
中でも、1日(火)のバイデン米大統領の一般教書演説、2日(水)のパウエルFRB議長の米下院での証言、そして、4日(金)の米雇用統計に注意したい。
今週の推奨セクター
2022年2月28日~2022年3月5日の週に推奨したいのは、石油である。
ウクライナ情勢の悪化により、原油価格は上昇が続いている。
石油元売りなど石油関連企業にとっては追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、電力である。
原油価格が上昇傾向にあるため、コスト上昇要因となる。
株価を下押しすると考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年2月28日~2022年3月5日の週は、先ほど挙げた米雇用統計などの他に、1日(火)に2月米製造業PMI、2月米ISM製造業景況指数、2日(水)に2月米サービス業PMI、2月米総合PMI、2月米ADP雇用統計、ベージュブック、3日(木)に2月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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