知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年5月23日~5月28日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
FOMC議事録に左右される展開
2022年5月23日~2022年5月28日の週のNYダウは、25日(水)まではFOMC議事録の公表を前に不安定な展開が続くと考えられる。
その後は、FOMC議事録の内容によって動向が変わるだろう。
日経平均株価はNYダウの動きに影響されながらも、底堅く推移すると考えられる。
先週の振り返り
2022年5月16日~2022年5月21日の週の日経平均株価は、19日(木)に大幅下落したものの、堅調に推移した。
16日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウの反発を受けて409円超上昇する場面もあったが、ナスダック100先物が下落したため失速し、上げ幅を縮小した。
後場に入ると中国のロックダウンとそれに伴う景気悪化への不安から上値の重い展開となり、日経平均株価は前営業日比119円40銭高の26,547円05銭で取引を終えた。
17日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウが小幅上昇した一方で、ナスダック総合指数が下落したことを受けて方向感に欠ける展開に。
後場に入ると、日経平均株価はアジア株高を受けて堅調に推移し、前日比112円70銭高の2,6659円75銭で取引を終えた。
18日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが大幅上昇したことから買い優勢に。
時間外のナスダック100先物やアジア市況が軟調だったことから上げ幅を縮小する場面もあったが、後場に入るとハイテク株を中心に幅広い業種で買いが入り、日経平均株価は前日比251円45銭高の26,911円20銭で取引を終えた。
19日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウが1,164ドル安と大幅反落し、終値ベースで年初来安値を更新したため、一時760円超下落するなど大幅下落。
後場に入ると日経平均株価は下げ幅を縮小し、前日比508円36銭安の26,402円84銭で取引を終えた。
20日(金)は、前日のNYダウが続落した一方、日経平均株価は前日の大幅下落の反動から買い戻し優勢に。
NYダウ先物や中国株や香港株の反発を受けて上昇した。
後場も日経平均株価は値嵩株を中心に堅調に推移し、前日比336円19銭高の26,739円03銭で取引を終えた。
NYダウは不安定だが日経平均は底堅いか
2022年5月23日~2022年5月28日の週のNYダウは、25日(水)のFOMC議事要旨の公表を前に不安定な動きが続くと考えられる。
17日(火)に行われた米ウォールストリート・ジャーナル主催のイベントでの講演で、パウエルFRB議長は明確で納得できる形でインフレが後退するまでは利上げを続けると発言。
中立水準を超える利上げについても躊躇しないと発言し、タカ派姿勢を示した。
また、クリーブランド連銀のメスター総裁は、16日(月)の日本経済新聞社の単独インタビューで、6月と7月に各0.5pt利上げしたうえで、9月以降に0.75ptの大幅利上げが必要か判断する考えを示している。
FOMCメンバーであるメスター総裁は以前からタカ派発言をしていたが、今回パウエルFRB議長が今までで最もタカ派的な発言をしたことにより、米景気の腰折れ懸念が広がっている。
それに加え、16日(月)に発表された5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日(水)に発表された4月米住宅着工件数、19日(木)に発表された5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、4月米中古住宅販売件数、4月米景気先行指標総合指数といった指標が事前予想を下回り悪化しているのも、懸念材料だ。
大幅利上げによる米景気の鈍化・後退への警戒感と軟調な米経済指標が不安要素となり、NYダウは不安定な動きが続くと考えられる。
そんな中、25日(水)に公表されるFOMC議事録では、タカ派的な議論が行われたと市場では予想している。
0.75ptの大幅利上げを示唆するFOMCメンバーが予想より多いなど、想定以上にタカ派的な内容となっていれば、米長期金利の上昇要因になり、NYダウには下押し圧力がかかるだろう。
ただ、17日(火)に行われたエネルギー関連の会議で、米セントルイス連銀のブラード総裁が、「今後数回の会合で、0.5ptずつ利上げを行うというFRBの計画は良好な計画である」と述べている。
これまで0.75ptの利上げに言及してきたブラード総裁が、この時にそれに触れなかったことから、今回公表のFOMC議事録は市場の予想を超えるようなタカ派的な内容にはなっていない可能性が考えられる。
もしそうであれば、NYダウは下値を探る動きになるだろう。
また、2022年5月23日~2022年5月28日の週には、26日(木)の1-3月期米四半期GDP、27日(金)の4月米個人消費支出など、米経済指標の発表が多く予定されている。
その結果によってNYダウの変動が激しくなる可能性があるため、注意が必要だ。
一方、2022年5月23日~2022年5月28日の週の日経平均株価は、引き続きNYダウの動向に左右されやすいだろう。
ただ、日本国内に関していえば、新型コロナウイルスの水際対策緩和など、経済活動の正常化がさらに進むと期待されている。
そのため、下落しても押し目買いが入りやすく、底堅く推移するだろう。
今週の推奨セクター
2022年5月23日~2022年5月28日の週に推奨したいのは、機械である。
3月機械受注の民需(船舶、電力を除く)は、事前予想の前月比+3.9%を上回る同+7.1%と3か月ぶりに増加し、製造業が同+7.1%、非製造業が同+11.0%となった。
外需は同-14.2%と落ち込んだが、4-6月期は同+15.4%と回復する見通しになっている。
また、4-6月期は航空機、工作機械、電子・通信機械などが前年同期比プラスの受注見通しになっているため、今後も堅調に推移すると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方避けたいのは、金融の中でも大手都市銀行である。
会社計画が市場予想を下回ったところがあったことに加え、日銀は引き続きマイナス金利政策を続けるとみられていることから、市場の注目度が低く、積極的な買いが入りにくいと考えられる。
そのため、株価が伸び悩むなど下押し圧力がかかりやすいだろう。
今週の経済指標
2022年5月23日~2022年5月28日の週は、25日(水)のFOMC議事要旨公表、26日(木)の1-3月期米四半期GDP、27日(金)の4月米個人消費支出の他に、24日(火)に5月米製造業PMI、5月サービス部門PMI、5月米総合PMI、4月米新築住宅販売件数、25日(水)に4月米耐久財受注の発表が予定されている。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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