知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年6月20日~6月25日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
NYダウ・日経平均ともに不安定な展開か
2022年6月20日~2022年6月25日の週のNYダウは、不安定な展開が続くだろう。
日経平均株価も、NYダウに影響されやすい展開になると考えられる
先週の振り返り
2022年6月13日~2022年6月18日の日経平均株価は大幅下落した。
13日(月)の日経平均株価は、先週末のNYダウが大幅続落したことを受けて下落。
後場に入ると日経平均株価は2万7000円を割りこんで下値試しをする展開となり、前営業日比836円85銭安の26,987円44銭と大幅続落で取引を終えた。
14日(火)は、前日のNYダウが大幅に4日続落したことから、日経平均株価も大幅下落してスタートすると、短期筋の買い戻しで一時下げ幅を縮めたが、失速した。
後場に入るとやや下げ幅を縮小したものの、FOMCを前に積極的な買いは入らず、日経平均株価は前日比357円58銭安の26,629円86銭と3営業日続落して取引を終えた。
15日(水)は、前日のNYダウが5日続落したが、ナスダック総合指数が小幅反発したため、日経平均株価はほぼ横ばいでスタートすると、方向感に欠ける展開に。
後場は、FOMCを前に様子見ムードが広がったため底這いが続き、日経平均株価は前日比303円70銭安の26,326円16銭で取引を終えた。
16日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウが6日ぶりに反発したことから、大幅上昇してスタート。
買い戻しが先行したが、後場に入るとNYダウ先物が伸び悩んだことから利益確定売りに押されて上げ幅を縮小する展開となり、日経平均株価は、前日比105円04銭高の26,431円20銭と5営業日ぶりに反発して取引を終えた。
17日(金)は、世界的金融引き締めの加速が懸念され、前日のNYダウが大幅反落した流れを受けて、日経平均株価は一時710円超安となった後、下げ渋ったが、安値圏でのもみ合いが続いた。
後場に入ると、日銀の大規模金融緩和の維持の決定を受けて買い戻しが入ったため、日経平均株価は下げ幅を縮小し、前日比468円20銭安の25,963円00銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開が続く
2022年6月20日~2022年6月25日の週のNYダウは、急速な利上げが懸念材料となり不安定な展開が続きそうだ。
13日(金)発表の5月米消費者物価指数が、事前予想の前年同月比8.3%に対し同8.6%と上振れたことから、2022年6月13日~2022年6月18日のNYダウは大幅下落した。
それまで、14日(火)、15日(水)開催の6月FOMCで0.5ptの利上げが行われるとの見方がされていたが、5月米消費者物価指数の結果は、3月に物価上昇率がピークを迎えたとの見方を否定するものになったため、0.75ptの利上げの可能性が再浮上したのだ。
15日(水)発表の5月米小売売上高が、事前予想の前月比0.2%に反して同-0.3%となったことに加え、この日、FOMCが市場予想どおり、1994年以降最大となる0.75ptの利上げを決定した。
ただ、パウエルFRB議長は記者会見で、「インフレ予測の上昇が顕著だったことから、より大幅な利上げが正当化される」とし、7月のFOMCでも0.5ptまたは0.75ptの利上げをする可能性が高いと述べるなど、インフレ抑制に努める強い姿勢を見せた。
そのため、この日のNYダウは上昇したが、翌日以降は景気後退が意識され、NYダウは下落している。
その原因として、パウエルFRB議長が記者会見で、「0.75ptの利上げが通常になるとは見込んでいない」と発言しながら、7月のFOMCでの0.75ptの利上げの余地を残していることが考えられる。
また、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行が、2007年以来となる利上げを発表し、英国の中央銀行であるBOE(英イングランド銀行)も5会合連続となる利上げを発表したことから、世界的な金融引き締め加速が懸念されたため、NYダウの押下げ要因になったと考えられる。
2022年6月20日~2022年6月25日の週も、7月のFOMCでの0.75ptの利上げや景気後退の可能性が懸念材料となり、不安定な展開になると考えられる。
そのため、21日(火)発表の5月米中古住宅販売件数や24日(金)発表の5月米新築住宅販売件数の結果には注意した方が良いだろう。
さらに、パウエルFRB議長が、22日(水)に上院銀行委員会、23日(木)に下院金融サービス委員会で証言を行う。
6月のFOMCを踏襲した証言を行うとみられているものの、金融引き締めの加速が伺える内容が示されれば、NYダウには強い下押し圧力がかかるとみられるため、その内容には注意したい。
日経平均はNYダウに翻弄される
2022年6月20日~2022年6月25日の週の日経平均株価は、引き続きNYダウに翻弄されそうなので、注意したい。
ただ、FOMCや日銀政策決定会合を通過したことに加え、22日(水)に参院選の公示日を迎えるため、政策期待から買われる銘柄も出てくると考えられる。
また、米国など各国で利上げが行われているのに対し、日本は金融緩和を継続する方針であることから、日米金利差による円安地合いは続くと考えられるため、輸出銘柄を中心に、下値は限定的なものにとどまるだろう。
今週の推奨セクター
2022年6月20日~2022年6月25日の週に推奨したいのは、小売りの中でも百貨店やドラッグストア、コンビニエンスストアである。
百貨店の6月の売上高はコロナ禍前の水準に概ね戻りつつある。
また、ドラッグストアは緩やかながらも回復傾向、大手コンビニエンスストア3社は外出の増加などで売上が回復傾向にあるため、底堅く推移するだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは紙・パルプである。
原燃料費の上昇や円安が進む中、急激なコスト高を受けて2度目の値上げに踏み切る企業も出てきているが、値上げが浸透するかどうか不透明であるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年6月20日~2022年6月25日の週は、21日(火)発表の5月米中古住宅販売件数や24日(金)発表の5月米新築住宅販売件数、さらに22日(水)と23日(木)のパウエルFRB議長の証言の他に、23日(木)に6月米製造業PMI、6月米サービス部門PMI、6月米総合PMI、24日(金)に6月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
また、22日(水)には日銀金融政策決定会合議事要旨が公表される。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
なお、20日(月)はジューンティーンスのため、米国市場は休場になることに留意したい。
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