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今週の相場見通しについて(2022年7月4日~7月9日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
米雇用統計を前に不安定な動き
2022年7月4日~2022年7月9日の週のNYダウと日経平均株価は、米雇用統計を前に不安定な動きになりやすいと考えられる。
先週の振り返り
2022年7月4日~2022年7月9日の週の日経平均株価は、週の半ばから下落が続いた。
27日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が大幅上昇したことに加え、好調なアジア株の動向も追い風となって堅調に推移し、後場には前週末比400円超上昇する場面もあった。
最終的に日経平均株価は、379円30銭高の2,6871円27銭と3営業日続伸で取引を終えた。
28日(火)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が反落したため、日経平均株価は前日比マイナスでスタートしたが、切り返してプラス圏に浮上すると水準を上げる展開に。
しかし、27,000円を回復すると、売りに押されて上値が重くなった。
後場も日経平均株価は上値が重く、最終的に前日比178円20銭高の2,7049円47銭で取引を終えた。
29日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落した流れを引き継ぎ、軟調に。
アジア株の下落も影響し、日経平均株価は一時350円超下落すると安値圏でもみ合いとなった。
後場も日経平均株価は軟調に推移したが、円安を支えに下げ渋り、前日比244円87銭安の2,6804円60銭で取引を終えた。
30日(木)は、前日のNYダウが反発し、ナスダック総合指数が横ばいとなった一方で、日経平均株価は前日比小幅マイナスでスタートすると、一時300円近く下落。
後場の日経平均株価は、この日発表の米国の物価関連指標を前にポジション解消の売りが優勢となったため軟調に推移し、前日比411円56銭安の2,6393円04銭で取引を終えた。
1日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて軟調に。
後場の日経平均株価は円高進行が嫌気され、一時500円超下落した。
最終的に日経平均株価は、前日比457円42銭安の25,935円62銭で取引を終えた。
米雇用統計を前に様子見ムードに
2022年7月4日~2022年7月9日の週のNYダウは、不安定な動きになりやすいだろう。
8日(金)に6月の米雇用統計の発表があることから様子見ムードになりやすいうえに、6日(水)にはISM非製造業景況指数、7日(木)には6月米ADP雇用統計といった注目度の高い経済指標が発表される。
それに加え、6日(水)にはFOMC議事要旨が公表されるため、これらの結果や内容には注意が必要だ。
というのも、28日(火)発表の6月米消費者信頼感指数が事前予想の100.4に対し98.7と予想以上に悪化したり、29日(水)発表の1-3月期米GDPの確定値が改定値の前年比年率-1.5%から同-1.6%と予想外に下方修正されたりしたことから、NYダウは下落している。
なお、29日(水)については、この日ECBの年次フォーラムに出席したパウエルFRB議長が、「米経済は実際のところ、かなり力強い状態にある」とし、金融引き締めについて、企業や家計の財務状況の強さを強調したうえで、「米経済全般が金融引き締めに十分耐えられる状態だ」と述べたことから警戒感が後退したため、NYダウは最終的には持ち直している。
このように、注目度の高い米経済指標の結果が事前予想より弱いものになってしまうと、景気後退への懸念から、NYダウには強い下押し圧力がかかりやすい。
一方で、経済指標の結果が事前予想を上回ると、利上げペースの加速が懸念されてNYダウに下押し圧力がかかる、という状態になっている。
6日(水)公表のFOMC議事要旨は、6月に0.75ptの利上げを決定した時のものだが、タカ派的な内容であることが想定されている。
利上げペースの加速を示唆するような内容があれば、景気後退に対する不安からNYダウは下落すると考えられるため、注意が必要だ。
2022年7月4日~2022年7月9日の週の後半からは米雇用統計を前に積極的な買いを手控える向きが広がる可能性があるため、上値が重くなりやすいだろう。
また、今回発表の米雇用統計が強い内容だった場合には、前述のとおり利上げペースの加速が意識されるため、NYダウは急落する可能性が考えられる。
週を通してNYダウには積極的な上昇を支援する材料が少ないため、上昇する場面があっても、トレンドを形成するまでには至らず上値が重くなるだろう。
2022年7月4日~2022年7月9日の週の日経平均株価も、NYダウ同様不安定な動きになりやすく、週の後半からは米雇用統計を前に様子見ムードになると考えられる。
なお、8日(金)は、ETF分配金捻出売りが予想されるうえ、オプションSQ日でもあることから、日経平均株価には下押し圧力がかかりやすくなると考えられるので注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2022年7月4日~2022年7月9日の週に推奨したいのは、工作機械の中でも特に造船や航空機、輸送用機械である。
日本工作機械工業会の5月受注確報によれば、航空機・造船・輸送用機械は、日本は前年同月比80%増、前月比47%増、中国は前年同月比180%増、前月比133%増と大幅に伸びていることから、堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは銀行の中でも大手都市銀行である。
24日(金)に経営再建中の自動車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)が、事業を続けながら再建を目指す事業再生ADRが不成立となり、民事再生法の適用を申請した。
今回同社は事業再生ADR同様、再生計画の成立が可能な簡易再生の手続きを行うと発表している。
大手都市銀行各社は同社に対し債権を保有しているが、今回事業再生ADRが不成立となったことで、貸倒引当金戻入益が計上されるのではなく、すでに計上した貸倒引当金が全額計上されることになるため、ネガティブ材料になるだろう。
今週の経済指標
2022年7月4日~2022年7月9日の週は、6日(水)のISM非製造業景況指数、FOMC議事要旨の公表、7日(木)の6月米ADP雇用統計、8日(金)6月米雇用統計の他に、6日(水)に6月米サービス部門PMI、6月総合PMIの発表がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
また、4日(月)は米国市場が独立記念日のために休場となることに留意したい。
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