知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年8月1日~8月6日)
2022年8月1日~2022年8月6日の週のNYダウは、概ね堅調に推移すると考えられる。
一方、日経平均株価は国内企業の決算発表に影響されやすいだろう。
先週の振り返り
2022年7月25日~2022年7月30日の週の日経平均株価は、軟調に推移した。
25日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が下落した流れを引き継ぎ、軟調もみ合いとなった。
後場もNYダウ先物の下落や円高の影響で日経平均株価はマイナス圏でのもみ合いが続き、前週末比215円41銭安の27,699円25銭で取引を終えた。
26日(火)は、前日のNYダウが反発した一方、ナスダック総合指数は下落したため、日経平均株価は売り優勢となったが、途中で下げ渋ると前日終値近くまで戻す展開となった。
後場の日経平均株価は、この日からスタートする米FOMCを前に様子見ムードが広がり、前日比44円04銭安の27,655円21銭と小幅続落して取引を終えた。
27日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落した流れを引き継ぎ、前日比マイナス圏でスタートすると下落。
しかし、時間外のナスダック100先物が上昇したことで日経平均株価はプラス圏に転じ、後場には大型株を中心に買いが入り堅調に推移すると、前日比60円54銭高の27,715円75銭で取引を終えた。
28日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したことから、寄り付き直後に買われる展開に。
しかし、すぐに失速してマイナス圏に沈んだが、下げ渋ると再びプラスに転じた。
後場も、米国の利上げ加速への懸念が後退したことから日経平均株価は堅調に推移し、前日比99円73銭高の27,815円48銭で取引を終えた。
29日(金)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は寄り付き直後に上昇したが、売りに押されて失速すると、その後はもみ合いとなった。
後場に入ると、円高が進行したことから日経平均株価は小幅安となり、前日比13円84銭安の27,801円64銭で取引を終えた。
NYダウは概ね堅調に推移か
2022年8月1日~2022年8月6日の週のNYダウは、米企業決算の結果に影響されるものの、7月米FOMCを通過したことから概ね堅調に推移すると考えられる。
2022年7月25日~2022年7月30日の週は、26日(火)と27日(水)の7月米FOMCに市場の注目が集まった。
今回の米FOMCでは、大方の予想どおり、2会合連続となる0.75ptの利上げが決定した。
米経済指標が良好な結果になるたびに、7月米FOMCでの1.0ptの利上げ予測が何度も浮上していたが、ここ最近は、0.75ptの利上げをするとの見方が市場では優勢だったようである。
というのも、今回の米FOMCの前に発表された6月米中古住宅販売件数、7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、7月米製造業PMI、7月米サービス業PMI等の米経済指標が、軒並み弱い結果になっていたからだ。
FOMC終了後の記者会見で、パウエルFRB議長は今後の利上げについて「ペースを緩めることが適切になる可能性が高い」として、9月以降の利上げペースの鈍化を示唆している。
パウエルFRB議長は記者会見で、「利上げペースを加速させたことで米国の個人消費の伸びは鈍化している」と話したが、露宇戦争に伴う原油や食料の供給不安や、コロナ禍に端を発する人・モノ不足が解消されないと、米国のインフレは完全に抑制されないとの懸念がある。
その一方で、米国の景気後退懸念はくすぶっており、今後は雇用情勢にいっそうの注目が集まるだろう。
そのため、5日(金)の7月米雇用統計の結果には注意が必要である。
28日(木)に発表された4-6月期米GDPは事前予想を下回ったものの、NYダウは堅調に推移している。
そのため、今回の米雇用統計の結果が事前予想を下回っても、NYダウが大崩れしなければ、インフレの一服や金融引き締めのピークアウトの方が市場では好感されるということになる。
反対に、NYダウが急落して軟調になった場合には、すでにインフレの一服等は織り込まれ、米国の景気後退に対する警戒に市場の関心が移っていると判断できるだろう。
日経は月期決算発表に左右されやすい展開に
2022年8月1日~2022年8月6日の週の日経平均株価は、引き続きNYダウの動向を意識しながらも、本格化する国内企業の4-6月期決算発表の内容に左右されやすい展開になると考えられる。
京セラ、任天堂、トヨタ、ソフトバンクなど注目度の高い企業の決算発表は注意が必要だ。
もともと円安効果で業績が上振れる企業が多いことは織り込み済みである。
円安効果を差し引いても内容が良好な決算が多ければ、日経平均株価は28,000円を上回って堅調に推移する可能性が考えられる。
また、週の後半は、5日(金)発表の7月米雇用統計を前に様子見ムードになりやすく、仮に上昇しても積極的に上値を追う展開にはなりにくいだろう。
今週の推奨セクター
2022年8月1日~2022年8月6日の週に推奨したいのは、自動車部品の中でもタイヤを取り扱う銘柄である。
日本自動車タイヤ協会は6月の国内タイヤ販売本数を766.7万本と発表した。
新車用が310.4万本(前年同月比11.6%減)、市販用が456.3万本(同2.0%増)となっている。
コロナ禍前の2019年と比較した場合、市販用は値上げ前の特需の反動が継続も、新車用が5月の47.2%減から6月は18.6%減と減少幅が縮小しているため、底打ちした可能性が考えられる。
中国のサプライチェーンの混乱といったマイナス材料があるが、これが収束すれば、緩やかな回復トレンドに入ると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは商社である。
世界的な景気後退への懸念が広がっていることに加え、中国の粗鋼の減産が行われていることから、鉄鉱石や原料炭の価格の下落が続くと考えられる。
また、チリの銅鉱山への課税強化もネガティブ材料である。
そのため、商社は、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標について
2022年8月1日~2022年8月6日の週は、5日(金)の7月米雇用統計の他に、1日(月)に7月米ISM製造業景況指数、3日(水)に7月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
中でも、1日(月)の7月米ISM製造業景況指数については、インフレ動向を示す仕入価格が事前予想や前月を上回った場合には、再びインフレ懸念が強まり、NYダウや日経平均株価の下押し要因になると考えられるため、注意が必要だ。
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