知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年10月10日~10月16日)
2022年10月10日~2022年10月15日のNYダウは上値が重く神経質な展開になると考えられる。
日経平均株価もNYダウの影響を受けて上値の重い展開になると考えられるが、下落時には底堅く推移するだろう。
先週の振り返り
2022年10月3日~2022年10月8日の週の日経平均株価は、7日(金)こそ下落したものの、週間では大幅な上昇となった。
3日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の大幅続落を受けてマイナス圏でスタートしたものの、下げ幅を縮小するとプラス圏に浮上する展開に。
後場の日経平均株価は戻り売りの影響で上値が重い状態となり、前週末比278円58銭高の26,215円79銭で取引を終えた。
4日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の大幅反発を受けて好調に推移し、大幅上昇。
後場も全面高の状態が続き、日経平均株価は前日比776円42銭高の26,992円21銭で取引を終えた。
5日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が大幅続伸したことを受けて、日経平均株価は27,000円を回復してスタートしたが、利益確定売りやNYダウ先物の軟化を受けて失速するとこう着状態となった。
後場の日経平均株価はNYダウ先物の軟調に加え、材料難からもみ合いが続き、前日比128円32銭高の27,120円53銭で取引を終えた。
6日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が反落した一方、日経平均株価は上昇。
NYダウ先物の好調も後押しして堅調に推移した。
後場の日経平均株価は高値でのもみ合いが続き、前日比190円77銭高の27,311円30銭で取引を終えた。
7日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の軟調を受け、一時300円超下げ幅を拡大したが、その後は徐々に下げ幅を縮小する展開となった。
後場の日経平均株価は、この日の米雇用統計の発表を前に小動きとなり、前日比195円19銭安の27,116円11銭で取引を終えた。
NYダウは大幅利上げ懸念が重しとなり神経質な展開に
2022年10月10日~2022年10月15日の週のNYダウは、11月FOMCでの大幅利上げ懸念が重しとなり、神経質な展開となりそうだ。
7日(金)発表の米雇用統計は、9月非農業部門雇用者数変化が、事前予想の前月比25.0万人を上回る26.3万人、9月の失業率が、事前予想の3.7%より良好な3.5%となった。
これを受けて米10年債利回りが3.87%へ上昇し、NYダウは大幅下落した。
11月米FOMCでの大幅利上げ観測が強まった形だ。
2022年10月3日~2022年10月8日の週のNYダウは、週の前半は堅調に推移したが、その背景として、その前の週の30日(金)に発表された9月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)やミシガン大学消費者信頼感指数確報値、3日(月)に発表された9月ISM製造業景況指数といった米経済指標が、市場の予想を下回ったことが挙げられる。
また、英・トラス政権による最高所得税率の引き下げ案について、クワーテング英財務相が撤回を発表したことも、市場心理の改善につながった。
これにより米10年債利回りが低下し、また、オーストラリア準備銀行(RBA)が予想を下回る0.25ptの利上げを行ったことから、FRBによる急速な金融引き締めが緩和するのではないかとの見方が広がったが、5日(水)に米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が、コアインフレ率が上昇する中での引き締めペースの減速は非常に困難であると強調。
FRBが0.75ptの利上げペースを緩めるためには高いハードルがあるとの見方を示したため、市場に冷や水を浴びせることとなった。
それに加え、同じく5日(水)には、OPECが2020年以来となる大規模減産を発表したことから、WTI原油先物や米10年債利回りが上昇したため、NYダウは再び神経質な展開となっている。
2022年10月10日~2022年10月15日の週もこの流れを引き継ぐと考えられ、原油価格の動向や米経済指標の結果にNYダウは左右されやすいだろう。
12日(水)には9月米卸売物価指数、13日(木)には9月米消費者物価指数が発表されるが、これらの結果が事前予想を上回る良好なものであれば、NYダウには下押し圧力がかかり、軟調に推移すると考えられる。
また、12日(水)にはFOMC議事録の発表もあるので、その内容にも注意が必要だ。
デーリー米サンフランシスコ連銀総裁のみならず、6日(木)には米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も、積極的な利上げの一時停止はかなり先になるとの見方を示している。
利上げペースの緩和に対する市場の期待はある程度後退しているが、2022年10月10日~2022年10月15日の週に発表される米経済指標の結果の内容によっては、さらなる利上げペース加速と長期化への懸念が高まり、NYダウは軟調に推移すると考えられる。
日経平均株価も上値の重い展開に
2022年10月10日~2022年10月15日の週の日経平均株価は、NYダウの動向を受けやすいと考えられ、上値の重い展開になりそうだ。
13日(木)には9月米消費者物価指数の発表があるため、その前は様子見ムードになりやすいだろう。
9月米消費者物価指数の結果が強いものになった場合には、日経平均株価にも強い下押し圧力がかかると考えられるが、内需株を中心に底堅く推移するだろう。
今週の推奨セクター
2022年10月10日~2022年10月15日の週に推奨したいのは、内需関連の中でも高配当のものである。
米国の利上げペース加速の長期化と景気後退への懸念から、相場の地合いは良くない。
このことから、海外市況の影響を比較的受けにくい内需関連が買われやすい状況が続いているが、その中でも高配当のものや増配が続くものは、リスク回避から特に選好されやすいと考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは機械である。
工作機械の受注は増加傾向にあり、中長期的には脱炭素化に伴うEV需要増加等が下支えすると考えられるが、今後、値上げや先行発注、景気悪化への懸念などから需要はいったん調整すると考えられる。
そのため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年10月10日~2022年10月15日の週は、12日(水)の9月米卸売物価指数と米FOMC議事録、13日(木)の9月米消費者物価指数の他に、14日(金)に9月米小売売上高の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
また、10日(月)は日米ともに休場になることに留意したい。
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