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今週の相場見通しについて(2022年11月14日~11月19日)
2022年11月14日~2022年11月19日のNYダウと日経平均株価は概ね堅調に推移するだろう。
先週の振り返り
2022年11月7日~2022年11月12日の週の日経平均株価は堅調だった。
7日(月)の日経平均株価は、前週のNYダウとナスダック総合指数が大幅反発したことを受けて上昇したが、上値の重い展開に。
後場も高値圏で膠着状態となり、日経平均株価は前週末比327円90銭高の27,527円64銭で取引を終えた。
8日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の続伸を受けて上昇し、415円超上昇する場面もあった。
後場の日経平均株価は、27,900円台でもみ合いが続き、前日比344円47銭高の27,872円11銭で取引を終えた。
9日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したものの、開票作業が進む米中間選挙の投票結果を見極めたいとの思惑から積極的な買いが手控えられ、じり安基調に。
後場に入ると香港株安を受けて軟調に推移し、日経平均株価は前日比155円68銭安の27,716円43銭で取引を終えた。
10日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反落したことから売り優勢となり、下げ幅を拡大。
後場も軟調に推移したものの、この日発表の10月米消費者物価指数の発表を前にもみ合いとなり、日経平均株価は前日比270円33銭安の27,446円10銭で取引を終えた。
11日(金)の日経平均株価は、10月米消費者物価指数の結果を好感して前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反発したことから、買い優勢に。
一時880円超まで上昇したが、戻り待ちの売りなども入ると一服した。
後場の日経平均株価も強含みの展開となり、前日比817円47銭高の28,263円57銭で取引を終えた。
NYダウは概ね堅調に推移
2022年11月14日~2022年11月19日の週のNYダウは、概ね堅調に推移すると考えられる。
その原因として、市場の懸案事項だった10月米消費者物価指数の結果が事前予想を下回る結果で着地したことが挙げられる。
10日(木)に発表された10月米消費者物価指数は、CPIが前月比0.4%(事前予想:同0.6%)、前年同月比7.7%(事前予想:同8.0%)と、事前予想を下回る結果となった。
前月比に関しては前回から横ばい、前年同月比に関しては前回を下回る結果となっている。
また、生鮮食品など価格変動の大きい品目を除いたコア指数に関しては、前月比0.3%(事前予想:同0.5%)、前年同月比6.3%(事前予想:同6.5%)となり、どちらも前回を下回る結果となった。
これを受け、市場にはFRBが利上げペースを減速させるのではないかとの見方が広がり、この日のNYダウは一時1,200ドル超上昇。
ドル円は138円台まで高騰するなど、1日で7円とハイペースで円高が進むこととなった。
今回の米消費者物価指数の結果について、FRBが行ってきた金融引き締めの効果がインフレ抑制という形で現れたものとして市場は好感している。
これにより、FRBのタカ派姿勢も緩和するのではないかとの見方がされているため、利上げペース加速の長期化と米経済のリセッション懸念はいったん後退した形だ。
そのため、2022年11月14日~2022年11月19日の週のNYダウは堅調に推移するだろう。
ただし、この週は、15日(火)に10月米卸売物価指数、16日(水)に10月米小売売上高の発表があるため、その結果には注意が必要だ。
結果が弱いものになった場合には、NYダウの上昇を後押しするだろう。
しかし、強い結果になった場合には、NYダウには下押し圧力がかかると考えられる。
引き続き米中間選挙の動向には注意
なお、2022年11月14日~2022年11月19日の週も、引き続き米中間選挙の動向に注意したい。
今のところまだ結果は出ていないが、概ね事前予想どおり、下院は共和党が優勢、上院は接戦という状態が続いている。
確認に時間のかかる郵便投票が増加し、接戦している州も多いことから、結果が判明するまでは時間がかかると考えられている。
共和党が過半数の議席を確保した場合のレームダック化について、市場はある程度織り込んでいるとは考えられるが、NYダウに強い下押し圧力がかかる可能性に注意が必要だ。
なお、今回の中間選挙で、共和党が議席数を伸ばすことで景気後退につながる政策が回避されるとの見方がされていたが、現状は接戦が続いているため、動向を注視する必要がある。
さらに、14日(月)の米中首脳会談や15日(火)のG20首脳会議にも注意が必要だ。
日経平均株価も概ね堅調に推移
2022年11月14日~2022年11月19日の週の日経平均株価は、NYダウの動向を受けて堅調に推移するだろう。
ただ、材料難であることから、上昇する場面であっても本格的な上昇トレンドにはなりにくいと考えられる。
今週の推奨セクター
2022年11月14日~2022年11月19日の週に推奨したいのは、非鉄・電線である。
中国の不動産不況、自動車生産の停滞が亜鉛の需要縮小につながる一方で、欧州ではエネルギー不足により大手亜鉛精錬所が操業を停止し、亜鉛の在庫が減少するとみられる。
そのため、今後、亜鉛価格が上昇する可能性が考えられ、亜鉛の生産を手掛ける企業には好影響になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、避けたいのは保険の中でも損害保険である。
今年は、台風などの国内の自然災害が平年のペースを上回って発生し被害を与えたことに加え、米国でも大型ハリケーン「イアン」の被害が大きかったことから、損害保険会社の利益の下押し要因となる。
そのため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2022年11月14日~2022年11月19日の週は、15日(火)の10月米卸売物価指数、16日(水)の10月米小売売上高の発表の他に、15日(火)に11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日(水)に10月米鉱工業生産、17日(木)に10月米住宅着工件数、11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、18日(金)に10月米中古住宅販売件数の発表がある。
その結果や内容には注意が必要だ。
また、18日(金)には日本の10月全国消費者物価指数の発表もあるため、こちらの結果にも注目したい。
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