知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年4月10日~4月15日)
2023年4月10日~2023年4月15日の週のNYダウは経済指標の結果に左右され、一進一退の展開となるだろう。
一方、日経平均株価は方向感の出にくい展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年4月3日~2023年4月8日の週の日経平均株価は週の前半は堅調だったが、半ば以降は軟調に推移した。
3日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の大幅続伸を受けて買い優勢となると、堅調もみ合い展開となった。
後場の日経平均株価は狭いレンジで推移し、前営業日比146円67銭高の28,188円15銭で取引を終えた。
4日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウの上昇を受けて上昇したが、ハイテク株の売りが重しとなった。
後場の日経平均株価は材料難から動意の薄い状態となり、前日比99円27銭高の28,287円42銭で取引を終えた。
5日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落した流れを受けて売り優勢となると、為替の円高進行も下押しした。
後場の日経平均株価は全面安となり、下値を探る状態が続くと、前日比474円16銭安の27,813円26銭で取引を終えた。
6日(木)は、前日のNYダウが反発した一方でナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価は軟調に推移すると、27,500円を上回る水準で一進一退の展開が続いた。
後場の日経平均株価は弱含みの状態が続き、前日比340円63銭安の27,472円63銭で取引を終えた。
7日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い戻し優勢となったが、上値の重い展開に。
後場の日経平均株価は、手じまい売りによって上値の重い展開が続き、前日比45円68銭高の27,518円31銭で取引を終えた。
NYダウは指標の結果に左右されやすい展開に
2023年4月10日~2023年4月15日の週のNYダウは、経済指標の結果に左右されやすい展開になりそうだ。
なぜなら、2023年4月3日~2023年4月8日の週が、雇用関係指標の悪化によって、週の半ばから景気後退懸念が強まったためである。
4日(火)に発表された2月米JOLTS求人件数は、事前予想の1040.0万件を下回る993.1万件となり、2021年5月以来の低水準となった。
結果を受けてFRBの追加利上げ観測は後退したものの、景気後退懸念が強まったことから、NYダウは下落。
さらに、同日のJPモルガンのダイモンCEOが、米国の銀行危機がまだ終わっておらず、影響が何年にもわたり継続するとの見方を示したことも、投資家心理を悪化させた。
翌5日(水)には、3月米ADP雇用統計が発表されたが、事前予想の前月比20.0万人を下回る同14.5万人となった。
また、同日に発表された3月米ISM非製造業景況指数も、事前予想の54.5を下回る51.2となったことから、利上げへの懸念はさらに後退した。
しかし、この日に行われたTVインタビューで、クリーブランド連銀総裁が「政策金利はもう少し引き上げられ、しばらくはその水準で維持されなくてはならない」と発言したことから、利上げに加えて景気後退への懸念が強まり、NYダウは小反発したものの、ナスダック総合指数は下落している。
このように、2023年4月3日~2023年4月8日の週の動向から、市場は経済指標の結果が弱い場合に景気減速を懸念していることが窺える。
連銀総裁などFRB高官による利上げ関連の発言は、これまで同様、景気減速を招くとして嫌気されると考えられるが、それに加え、経済指標の結果には注意したい。
弱い経済指標は利下げの可能性を高めるとしてNYダウの下支え材料になる一方で、景気後退に対するネガティブな反応として株価下落を招くため、NYダウが急落する可能性があることに注意したい。
なお、7日(金)に発表された3月米雇用統計は、3月非農業部門雇用者数変化が前月比23.6万人と、事前予想の23.9万人をやや下回った。
3月の失業率は事前予想の3.6%に対し3.5%と改善したが、平均時給は事前予想の前年同月比4.3%を下回る4.2%となった。
賃金の伸びは縮小しているものの、企業の人手不足が賃金上昇を促す状態は変わっていないため、インフレ圧力は依然として強いといえるだろう。
2023年4月10日~2023年4月15日の週は、12日(水)に3月米消費者物価指数とFOMC議事要旨の発表が予定されている。
また、14日(金)には3月米小売売上高の発表が予定されているため、これらの結果や内容には注意したい。
さらに、11日(火)に発表されるIMFの世界経済見通しについても注意が必要だ。
日経平均株価は方向感が出にくい展開に
2023年4月10日~2023年4月15日の週の日経平均株価は、NYダウの動向に追随し、一進一退の展開になると考えられ、方向感が出にくいだろう。
今週の推奨セクター
2023年4月10日~2023年4月15日の週に推奨したいのは、小売りの中でもアパレルである。
3月に入り、上旬から中旬にかけて例年よりも暖かい日が続いた。
下旬はところどころで気温の低い日があったが、2月に引き続きアパレルは春物を中心に堅調が続いている。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは不動産・住宅の中でも首都圏の分譲マンションの比率が高いところである。
不動産研究所によれば、2月の首都圏新築マンション発売件数は1,821戸(前年比20.4%減)と4ヵ月連続で減少し、初月契約率は73.3%と好不調の分かれ目になる70%を2か月ぶりに上回った。
全体の供給が減少する中、東京五輪・パラリンピックの選手村として使用された「晴海フラッグ」の人気が寄与したとみられ、一過性のものである可能性が考えられる。
郊外を中心に購入の勢いが弱まっていることから、今後、物価上昇の影響や物件価格の上昇の影響を受けて住宅需要が減退する可能性が考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2023年4月10日~2023年4月15日の週は、11日(火)のIMF世界経済見通しや、12日(水)の3月米消費者物価指数、FOMC議事要旨の発表、14日(金)の3月米小売売上高のほかに、13日(木)に3月米卸売物価指数、14日(金)に3月米鉱工業生産、4月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
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