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今週の相場見通しについて(2023年7月17日~7月22日)
2023年7月17日~2023年7月22日の週のNYダウは引き続き経済指標の結果に左右されやすい展開になるだろう。
一方、日経平均株価はNYダウなど米国の株価指数や為替動向に左右され、不安定な展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年7月10日~7月15日の週の日経平均株価は横ばいとなった。
10日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの若干反発してスタートしたが、その後は売り優勢となりマイナス圏に転落した。
後場の日経平均株価も軟調に推移したが、前場安値付近で下げ渋り、前週末比198円69銭安の32,189円73銭で取引を終えた。
11日(火)は前日のNYダウとナスダック総合指数が反発したことを受け、日経平均株価は前日比プラス圏でスタートしたが、円高が重しとなりもみ合いとなった後、失速した。
後場の日経平均株価は円高進行が嫌気されると値を消す場面もあったが、前日比13円84銭高の32,203円57銭で取引を終えた。
12日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が続伸したことから前日比プラス圏でスタートしたものの、円高が嫌気されて売り優勢となった。
後場の日経平均株価は円高が一服したことから様子見ムードとなりもみ合いが続き、前日比259円64銭安の31,943円93銭で取引を終えた。
13日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が続伸したことから買い優勢となり、400円超上昇した。
後場の日経平均株価は、買い優勢が続くと500円超高となる場面もあり、前日比475円40銭高の32,419円33銭で取引を終えた。
14日(金)は、NYダウとナスダック総合指数が続伸した流れを受けて、日経平均株価は前日比プラス圏でスタートしたが、円高進行により失速すると下落に転じ、前引けにかけてプラス圏に再浮上した。
後場の日経平均株価はもみ合いが続き、前日比28円07銭安の32,391円26銭で取引を終えた。
NYダウは経済指標の結果に左右されやすい展開に
2023年7月17日~7月22日の週のNYダウは、引き続き米国の経済指標に一喜一憂する展開になると考えられる。
翌週にFOMCが控えているため、利上げ長期化をめぐり神経質な動向が続きそうだ。
7月開催のFOMCでは利上げの可能性が高いとみられていることから、焦点はその後のFOMCでも利上げが行われる可能性が高いのかどうか、ということになる。
12日(水)に発表された6月米消費者物価指数は、事前予想の前月比0.3%に対し同0.2%、前年同月比3.1%に対し同3.0%と下回った。
12か月連続で伸びが縮小傾向にあるため、高い伸びが続いていた米国の物価上昇が落ち着きつつあることが窺える。
エネルギー価格も下落するなど物価上昇の勢いが鈍化していることが確認でき、この日のNYダウとナスダック総合指数は上昇した。
さらに、13日(木)にはタカ派の代表格とされたセントルイス連銀のブラード総裁が、8月半ばで退任することが発表された。
同総裁の退任により、米国の金利ピーク観測が強まったことに加え、13日(木)発表の6月米卸売物価指数も事前予想を下回ったことから、米国の利上げ長期化への懸念は後退し、7月のFOMCでの利上げを最後に、年内の利上げは行われないとの見方が強まっている。
しかし、依然としてFRBが目指すインフレ率2%を上回る水準であることに加え、価格変動の大きいエネルギーや食品を除いたコア物価上昇率は4.8%と高水準にあるため、利上げ長期化に対する懸念はくすぶっているといえよう。
また、米国の経済成長の鈍化も懸念材料の一つだ。
12日(水)にFRBが公表したベージュブックでは、大半の連銀地区が景気拡大のペース鈍化を予想していることが判明した。
今後数か月の経済見通しについて、引き続き成長鈍化を見込んでいるとしたため、この日のNYダウやナスダック総合指数の上値押し下げ要因となった。
なお、ベージュブックの中では物価について、今後数か月にわたって安定しているか下がると予想しているが、2023年7月17日~7月22日の週に発表されるさまざまな米経済指標の結果にNYダウは左右されると考えられる。
特に、18日(火)に発表される6月米小売売上高は注目度が高いため、結果には注意が必要だ。
日経平均株価は円高が懸念材料
2023年7月17日~7月22日の週の日経平均株価は基本的にNYダウなど米経済指標の動向に影響を受けると考えられるが、円高が懸念材料である。
米国の利上げ長期化懸念が今のところ後退しているため、ドル円は急激に円高に振れている。
6月30日には一時1ドル145円まで円安が進んだが、14日(金)には1ドル137円台前半まで円高が進行した。
ただし、日銀短観の想定為替レートが1ドル132円であることを考慮すると、現在の為替レートはそれよりも大幅な円安水準にあるといえるだろう。
よって、企業収益の圧迫につながるとして日経平均株価が本格的な下降トレンドに転換するには至らない水準にあると考えられるが、2023年7月17日~7月22日の週もドル円の為替相場には注意が必要だ。
なお、17日(月)は祝日であるため、この日の東京株式市場は休場であることに留意したい。
今週の推奨セクター
2023年7月17日~2023年7月22日の週に推奨したいのは、旅行やレジャー関連である。
移動制限が解除され、マスク着用も任意になるなどコロナ禍からの人流回復が顕著になりつつある。
自民党の観光立国調査会が2023年5月16日に開催した会議によれば、GW中に大手旅行会社を通じた国内旅行の需要動向は、コロナ禍前の平成30年と比較して約8割の水準に戻ったとのことである。
完全回復には至っていないものの、回復途上にあることが窺える結果であり、夏休み期間中も同様の傾向が続く可能性があると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは自動車である。
急激に進んだ円高により、株価は軟調である。
今後の為替動向に注視する必要があるが、引き続き円高傾向が続くようであれば、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年7月17日~7月22日の週は、18日(火)の6月米小売売上高のほかに、17日(月)に7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日(火)に6月米鉱工業生産、19日(水)に6月米住宅着工件数、20日(木)7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、6月米中古住宅販売件数の発表がある。
また、21日(金)には日本の6月全国消費者物価指数の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
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