知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年7月24日~7月29日)
2023年7月24日~2023年7月29日の週のNYダウと日経平均株価は、不安定な展開になるだろう。
先週の振り返り
2023年7月17日~7月22日の週の日経平均株価は、週の前半は堅調だったが、後半に下落した。
17日(月)の東京株式市場は祝日のため休場だった。
18日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が堅調に推移した流れを受けて、買い優勢に。
後場の日経平均株価は値嵩株の一角に売りが入って上値の重い展開となり、前営業日比102円63銭高の32,493円89銭で取引を終えた。
19日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数の続伸に加えて円高が一服したことから日経平均株価も堅調に推移。
後場の日経平均株価は利益確定売りによって上値が抑えられ、前日比402円14銭高の32,896円03銭で取引を終えた。
20日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が続伸したものの、日経平均株価は売られる展開となった。
後場の日経平均株価は、半導体などハイテク株の下落により軟調に推移し、前日比405円51銭安の32,490円52銭で取引を終えた。
21日(金)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の下落や金利の大幅上昇、米ハイテク決算への懸念から売り優勢となったが、円安や一部企業の好決算を受けて買い戻しが入り、下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は半導体関連株の軟調が重しとなってマイナス圏で小動きが続き、前日比186円27銭安の32,304円25銭で取引を終えた。
NYダウは、不安定な展開に
2023年7月24日~7月29日の週のNYダウは、不安定な展開になりやすいだろう。
理由は、25日(火)と26日(水)に開催される7月の米FOMCである。
市場は、今回のFOMCで0.25ptの利上げが行われると予想し、9月のFOMCでの利上げの可能性について注目しているが、最近の米経済指標の結果が弱いことから、今のところ利上げは行われないとの見方が強い。
たとえば、18日(火)に発表された6月米小売売上高は、事前予想の前月比0.5%に対し、結果は同0.2%と下回った。
自動車や自動車部品を除いた小売売上高も、事前予想の0.3%に対し同0.2%増と、下回る結果になっている。
一方で、自動車やガソリンスタンド、建築資材、外食を除くコア小売売上高は同0.6%となり、前月の2倍に伸長した。
コア小売売上高は米国のGDPの動向を反映することから、27日(木)発表の4-6月期米GDPの7割ほどを占める個人消費を押し上げるとみられている。
過去2年間において最速で伸長した1-3月期からは伸びが鈍化したものの、金利上昇や高インフレといった状況でも消費需要は強く、米国の景気が想定よりも堅調なことが窺えるポジティブな結果となったといえよう。
また、全米住宅産業協会(NAHB)が18日(火)に発表した7月NAHB住宅市場指数は事前予想どおりの56と、前月の55から7カ月連続で上昇。
昨年6月以降1年ぶりとなる高水準になり、住宅建設業者の景況感の分かれ目となる50を3カ月連続で上回るなど、需要の強さが確認できる内容となった。
以上のことから、2023年7月17日~7月22日の週のNYダウやナスダック総合指数は概ね堅調に推移するなど、米国の景気後退に対する不安は後退しているが、25日(火)に発表されるIMF世界経済見通しの改定版の結果には注意したい。
4月に発表されたIMFの世界経済見通しは、今年の世界全体の経済成長について、従前の2.9%から2.8%に下方修正し、インフレが根強く金融混乱が続くとの見通しを立てている。
今回発表される改定版の見通しが4月に発表されたものと変わらないのか、より悲観的または楽観的なものになるのかによって、NYダウの動向は変わる可能性があるため、注意が必要だ。
さらに、26日(水)のFOMC終了後のパウエルFRB議長の記者会見での発言にも注目したい。
タカ派的な姿勢が窺えるようであれば、利上げが意識され、NYダウなど米株式指数の下押し要因になるだろう。
反対にハト派的なものであれば、市場には安心感が広がり、NYダウやナスダック総合指数の押し上げ要因になると考えられる。
加えて、2023年7月17日~7月22日の週は米企業の四半期決算発表もあるため、その結果にも注意が必要だ。
日経平均株価は米FOMCの結果をにらんで不安定な展開に
2023年7月24日~7月29日の週の日経平均株価は、米FOMCの結果をにらんで不安定な展開になるだろう。
加えて、27日(木)と28日(金)には日銀金融政策決定会合が開催され、28日(金)には植田日銀総裁の記者会見があるため、内容には注意が必要だ。
さらに、日本企業の四半期決算発表が本格化し、注目度の高い企業の決算に日経平均株価が影響される可能性が考えられるため、注意したい。
今週の推奨セクター
2023年7月17日~2023年7月22日の週に推奨したいのは小売りの中でもドラッグストアである。
食品や医薬品の好調が続いていることに加え、コロナ禍の収束に伴うマスクや除菌関連商品の売上減少を吸収する形で風邪薬の好調が続いているため、堅調な業績に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは半導体や半導体装置関連である。
2023年はDRAM、NANDともに需要が非常に弱く、2024年もその傾向が続くとみられている。
2023年下期に在庫調整の一巡や市場回復が予想されているものの、今のところ明確な改善の兆候はなく、しばらく需要は弱い状態が続くとみられるため、避けた方がいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年7月17日~7月22日の週は、25日(火)と26日(水)開催の7月米FOMCおよび26日(水)のパウエルFRB議長の記者会見、27日(木)、28日(金)の日銀金融政策決定会合および28日(金)の植田日銀総裁の記者会見のほかに、24日(月)に7月米製造業PMI、7月米サービス業PMI、7月米総合PMI、25日(火)に7月米消費者信頼感指数、26日(水)に6月米新築住宅販売件数、27日(木)に6月米耐久財受注、28日(金)に6月米個人消費支出の発表がある。
また、27日(木)にはECB理事会が開催されるため、こちらの内容にも注意が必要だ。