知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年8月7日~8月12日)
2023年8月7日~2023年8月12日の週のNYダウは、米国の経済指標の結果に左右されやすい展開が続くだろう。
日経平均株価は、基本的に米国の経済指標に影響されやすいと考えられるが、上値が重くなると考えられる。
先週の振り返り
2023年7月31日~2023年8月5日の週の日経平均株価は、週の前半は上昇したが、半ば以降大幅下落した。
31日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の反発を受けて買い優勢となり、上げ幅を拡大する展開に。
後場の日経平均株価は幅広い業種が買い戻されるも、もみ合いが続き、前週末比412円99銭高の33,172円22銭で取引を終えた。
1日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の続伸や円安を受けて買われると、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、好決算を受けてトヨタ株が上昇したことや、円安を受けて相場の地合いが改善し、前日比304円36銭高の33,476円58銭で取引を終えた。
2日(水)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となった。
後場の日経平均株価は、米国債の格下げが発表されたことから一時800円超下落し、最終的に前日比768円89銭安の32,707円69銭で取引を終えた。
3日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて売られると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価はリスク回避の売りが続くも、円安を背景に底堅く推移し、前日比548円41銭安の32,159円28銭で取引を終えた。
4日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて前日比マイナス圏でスタート。
買い戻しが入るとプラス圏に浮上する場面もあったが、再び軟化した。
後場の日経平均株価は、この日発表の米雇用統計を前に様子見ムードで小動きとなり、前日比33円47銭高の32,192円75銭と小反発して取引を終えた。
NYダウは、米経済指標の結果に左右される展開に
2023年8月7日~2023年8月12日の週のNYダウは、米経済指標の結果に左右される展開になると考えられる。
加えて、米国債の引き下げによる影響が残る恐れがあるため、注意が必要だ。
2023年7月31日~2023年8月5日の週のNYダウは、米国債の格下げが相場の波乱材料となった。
1日(火)に大手格付け会社のフィッチが米国の外貨建て長期債務格付けの引き下げを発表。
2011年にもS&P(現・S&Pグローバル)が米国債の引き下げを行ったことがあるうえ、今年の5月時点でフィッチは米国の外貨建て長期債務格付けの見通しをネガティブに引き下げていたため、今回の格下げは市場の想定内であったといえよう。
それでも、日本をはじめ世界の金融市場が混乱することとなった。
今回の米国債の格下げによる市場の混乱は一服した模様だが、米国債の売りが出るなどの影響がまだ残ると考えられる。
そのため、本件は2023年8月7日~2023年8月12日の週のNYダウの重しになる可能性があり、注意が必要だ。
また、2023年8月7日~2023年8月12日の週も、NYダウは米経済指標の影響を受けやすいだろう。
パウエルFRB議長は7月のFOMC後の記者会見で、利上げや金利据え置きなどの金融政策はデータ次第との発言をしていることから、注目度の高い経済指標の結果には注意したい。
なお、4日(金)発表の7月米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が前月比18.7万人と事前予想の同20.0万人を下回り、失業率も事前予想の3.6%に対し3.5%と下回った。
賃金の伸びも想定を上回ったことから利上げ観測が緩和され、この日のNYダウは半ば過ぎまで堅調に推移したが、決算を受けたアップル株の下落などの影響で、終盤にマイナス圏に沈んだ。
2023年8月7日~2023年8月12日の週は、10日(木)に発表される7月米消費者物価指数に注意が必要だ。
足元では原油価格が再び上昇していることから、強い結果になった場合には再び利上げ長期化への懸念が広がるだろう。
また、11日(金)に発表される7月米卸売物価指数の結果も併せて注意したい。
日経平均株価は上値の重い展開か
2023年8月7日~2023年8月12日の週の日経平均株価は、10日(木)発表の7月米消費者物価指数が意識されて上値の重い展開になりそうだ。
なお、11日(金)が山の日で東京株式市場は休場となるため、7月米消費者物価指数の結果が織り込まれるのは翌週になる。
また、11日(金)から3連休となることから、週の後半は積極的な買いが入りにくいことが予想される。
2023年8月7日~2023年8月12日の週も3月期決算企業の第1四半期決算が発表されるため、その結果に翻弄される場面もあると考えられるが、注目度の高い企業の決算内容が良好であっても、7月米消費者物価指数が意識され、本格的な上昇トレンドにはなりにくいだろう。
今週の推奨セクター
2023年8月7日~2023年8月12日の週に推奨したいのは、小売りの中でもアパレルである。
7月上旬まで梅雨明けがずれこんだことに加え、地域によっては大雨の被害を受けたが、下旬以降は高温が続いている。
気象庁によれば8月から10月までの3か月も全国的に厳しい暑さが続くとの見通しを立てているため、夏物を中心に好調が続くと考えられる。
また、今年の春から新型コロナが5類に移行され、行動制限が大幅に緩和されたことに伴い、夏のイベント開催が本格化するとみられる。
それに伴い、浴衣や水着等夏物衣類の売れ行きが好調に推移すると考えられることもポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、損害保険や保険代理店である。
ビッグモーターの問題を受けて金融庁が損保7社に対し報告徴求命令を出したが、栗田金融庁長官が朝日新聞のインタビューに対し、調査結果次第では厳しい処分になりうることを示唆した。
損害保険各社への処分の可能性や保険代理店への影響などが懸念され、避けられやすい状態が続くと考えられる。
今週の経済指標
なお、2023年8月7日~8月12日の週は、10日(木)の7月米消費者物価指数、11日(金)の7月米卸売物価指数のほかに、11日(金)に8月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
その結果にも注意が必要だ。