知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2023年9月11日~9月16日)
2023年9月11日~2023年9月16日の週のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2023年9月4日~9月9日の週の日経平均株価は、前半は堅調に推移したが、後半に下落した。
4日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが上昇したことを受けて上昇。
後場の日経平均株価は、下値は堅いものの材料難からこう着状態となり、前週末比228円56銭高の32,939円18銭で取引を終えた。
5日(火)は、前日の欧州株式市場の軟調とは反対に日経平均株価は続伸したが、利益確定売りに押されると一進一退の展開となった。
後場の日経平均株価は底堅く推移し、前日比97円58銭高の33,036円76銭と約1カ月ぶりに3万3,000円を回復して取引を終えた。
6日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は円安を背景に買い優勢となった。
後場の日経平均株価は、輸出関連株を中心に買い優勢となったが、高値圏でのもみ合いが続き、前日比204円26銭高の33,241円02銭で取引を終えた。
7日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて前日比マイナス圏でスタートすると、軟調な展開となった。
後場の日経平均株価は下げ幅をやや拡大するなど軟調に推移し、前日比249円94銭安の32,991円08銭で取引を終えた。
8日(金)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数が下落したことから売り優勢となると、一時455円超安まで下落した。
後場の日経平均株価は、利益確定売りから下値模索の状態が続き、前日比384円24銭安の32,606円84銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2023年9月11日~9月16日の週のNYダウは、不安定な展開になりそうだ。
理由として、13日(水)発表の8月米消費者物価指数と、14日(木)発表の8月米小売売上高、8月米卸売物価指数が挙げられる。
6日(水)に発表された8月米ISM非製造業景況指数は、事前予想の52.5を上回る54.5となった。
その結果、インフレと利上げ長期化への懸念が高まり、米長期金利が上昇。
NYダウやナスダック総合指数が下落する原因となった。
また、利上げ長期化懸念の一つとなったのが、原油価格の上昇だ。
5日(火)にサウジアラビアが、現行の日量100万バレルの原油の自主減産を今年12月まで延長すると表明した。
同日にロシアも年末まで輸出量を30万バレル減らすことを発表した。
これにより、原油の需給が懸念されてWTI原油先物が上昇し、その後も高水準で推移している。
以上のことから、市場ではインフレと利上げ長期化が再び懸念され、NYダウやナスダック総合指数の下押し要因となっている。
現状、9月のFOMCでは利上げはされないとの見通しが大勢を占めていて、CMEのFedWatchによれば、2023年9月7日現在は92%が据え置きとの見方を示している。
しかし、11月のFOMCでは利上げが行われるとする予想が急激に増え、2023年9月7日現在では利上げするとの見方が47.0%となっている(2023年9月1日時点では、35.4%)。
以上のとおり、足元では再び利上げ長期化に対する警戒心が強まっている。
中でも13日(水)発表の8月米消費者物価指数が強い結果となった場合には、再び利上げ長期化懸念が広がり、NYダウの下押し圧力となるだろう。
加えて、原油価格が現状どおり高水準で推移している場合には、NYダウには下押し圧力がかかりやすいと考えられ、仮に上昇しても上値を追いにくい展開になりそうだ。
そのため、2023年9月11日~9月16日の週は、経済指標の発表はもとより、原油価格の動向にも注意したい。
また、2023年9月11日~9月16日の週の懸念材料として、米中対立が挙げられる。
中国政府が政府機関や国有企業の職員に対し、iPhoneの使用禁止を拡大することが報じられたため、6日(水)と7日(木)の米株式市場ではアップル株が大幅下落した。
アップルのみならず、中国での売上が大きい銘柄が米株式市場で大幅下落したことから、2023年9月11日~9月16日の週もハイテク製品を巡る米中対立には引き続き注意したい。
なお、アップルに関しては、12日(火)に新製品の発表会が予定されているため、その内容に市場の関心が集まるだろう。
日経平均株価も不安定な動向に
2023年9月11日~9月16日の週の日経平均株価は不安定な動向になりそうだ。
13日(水)発表の8月米消費者物価指数を前に様子見ムードとなりそうであることに加え、先述した米中対立が重しとなり、上値が重くなるだろう。
8月米消費者物価指数の結果が強いものとなった場合には、日経平均株価にも下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2023年9月11日~9月16日の週に推奨したいのは百貨店である。
中国に関しては本格的な回復には至っていないものの、その他の国からのインバウンド需要が回復しつつあることに加え、7月の下旬以降、8月、9月と猛暑日が続いていることから、夏物を中心に好調な売れ行きに期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、非鉄・電線の中でも米国における光ファイバーの売上が高いところである。
インフレや利上げの影響で、米国では大手通信事業者のFTTHや5G加入者の加入が鈍化している。
また、バイデン政権が光ケーブルのBuy American政策によってプロジェクトが遅れ気味であり、業績不振のクラウド事業者による支出削減の影響もあって、光ファイバーの在庫調整が長期化する可能性がある。
そのため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年9月11日~9月16日の週は、13日(水)の8月米消費者物価指数、14日(木)の8月米小売売上高、8月米卸売物価指数のほかに、15日(水)に9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、9月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
また、14日(木)にはECB理事会があり、同日にラガルドECB総裁の記者会見も予定されているため、その内容にも注意を払いたい。
Copyright secured by Digiprove © 2023