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今週の相場見通しについて(2023年10月2日~10月7日)
2023年10月2日~2023年10月7日の週のNYダウは、米国の来年度予算案をめぐり不安定な展開になると考えられる。
日経平均株価は方向感の出にくい展開になると考えられるが、下落する場面でも底堅く推移するだろう。
先週の振り返り
2023年9月25日~9月30日の週の日経平均株価は、途中小戻しする日もあったが、全体として軟調だった。
25日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の下落とは対照的に、上昇してスタートすると、プラス圏で推移した。
後場の日経平均株価は、ハイテク関連株に買いが入り、一時300円超高となるなど上げ幅を拡大し、前週末比276円21銭高の32,678円62銭で取引を終えた。
26日(火)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が反発したにも関わらず、日経平均株価は売り優勢となると下げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は安値もみ合いとなり、前日比363円57銭安の32,315円05銭で取引を終えた。
27日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けてマイナス圏でスタートすると軟調に推移したが、下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、マイナス圏でのもみ合いが続いたものの、半導体関連株が買われたことでプラス圏に切り返し、前日比56円85銭高の32,371円90銭で取引を終えた。
28日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したことや配当落ちの影響から売り優勢となった。
後場の日経平均株価も、配当落ちの影響で軟調に推移し、前日比499円38銭安の31,872円52銭で取引を終えた。
29日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて、プラス圏でスタートしたが、買いが続かずマイナス圏に転落した。
午後の日経平均株価はじり安となり、前日比14円90銭安の31,857円62銭で取引を終えた。
NYダウは、引き続き不安定な展開が続く
2023年10月2日~10月7日の週のNYダウは、引き続き不安定な展開が続くだろう。
理由は、米国の来年度予算案をめぐり、政府機関の一部が閉鎖されることが確実視されているためである。
米国では、来月からスタートする新たな会計年度の予算案を9月中に成立させなければならないが、米民主党と米共和党との間で協議が難航しているため、合意の見通しが立っていない。
26日(火)につなぎ予算案を超党派でまとめ、30日(土)までの成立を目指すとしていたが、成立するかどうか不透明な状態が続いていた。
このことが不安材料となり、2023年9月25日~9月30日の週のNYダウやナスダック総合指数は不安定に推移した。
なお、米上院と下院でそれぞれ異なるつなぎ予算案を推進するなど、足並みがそろわない状態が続いていたが、つなぎ予算案は29日(金)に共和党の強硬派の反対により米下院で否決された。
そのため、10月1日(日)から政府機関の一部が閉鎖されることがほぼ確実となっている。
このことが重しとなり、29日(金)のNYダウは200ドル超下落するなど軟調に推移した。
2023年10月2日~10月7日の週も、市場は来年度予算案をめぐる動きを注視するだろう。
今のところ、米下院で合意を得られる目処が立っておらず、調整の難航は続くとみられているため、NYダウの動向に注意が必要だ。
また、2023年10月2日~10月7日の週も、引き続き米国の利上げ継続の可能性に注意したい。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が出席を取りやめたロングアイランドでのイベント原稿が29日(金)に公表され、FRBの利上げが完了した可能性があると示唆したことが判明した。
同時に、インフレ率を目標の2%に押し下げるべく、FRBはしばらくの間、金利を高水準のまま維持するとの見通しも示している。
2023年10月2日~10月7日の週も、引き続き米連銀総裁などFRB高官の利上げに関する発言には注意が必要だ。
さらに、6日(金)には米雇用統計の発表もあるため、週の後半は様子見ムードとなり、方向感の出にくい状態になる可能性も考えられる。
今回発表の米雇用統計の結果が強いものになれば、再び利上げ長期化に対する警戒感が広がり、市場の重しとなるだろう。
2023年10月2日~10月7日の週は、4日(水)に米雇用統計の前哨戦である9月米ADP雇用統計の発表もあるため、こちらの結果にも注意が必要だ。
日経平均株価は、もみ合いが続く
2023年10月2日~10月7日の週の日経平均株価は、もみ合いが続きそうだ。
週後半は米雇用統計の結果を前に様子見ムードになるため、方向感の出にくい展開になると考えられる。
予算案に翻弄される米国市場の動向に影響を受ける場面もあると考えられるが、2023年9月25日~9月30日の週に下げたことから買い戻しも入るとみられ、底堅く推移するだろう。
今週の推奨セクター
2023年10月2日~10月7日の週に推奨したいのは地銀である。
2023年4-6月期決算において外貨調達コストが増加したところが多いものの、想定線となっている。
与信費用が計画を下回るところも多く、全体的に高進捗に推移していることから、堅調な業績に期待できそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、石油化学関連である。
3月期決算企業の第1四半期決算において赤字となっているところが多く、業績の悪化が懸念される。
6月、7月の国内のエチレンプラントの稼働率が、2か月連続の80%割れとなり、2009年3月期以来となる低水準であったことや、アジア市況の低迷など、事業環境が厳しさを増す。
厳しい状態は第2四半期以降も続くと考えられることから、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年10月2日~10月7日の週は、4日(水)の9月米ADP雇用統計、6日(金)の9月米雇用統計のほかに、2日(月)に9月米ISM製造業景況指数、3日(火)に8月米JOLTS求人件数、4日(水)に9月米サービス業PMI(改定値)、9月米総合PMI(改定値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
また、2日(月)にはパウエルFRB議長の発言が予定されているため、その内容にも注意したい。
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