知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年10月16日~10月21日)
2023年10月16日~2023年10月21日の週のNYダウは、中東情勢の混乱により不安定な展開になりそうだ。
日経平均株価はNYダウなど米株価指数の動きに連動しやすいと考えられるが、上昇を後押しする大きな材料がないため、上値が重く方向感の出にくい展開になるだろう。
先週の振り返り
2023年10月9日~10月14日の日経平均株価は、大幅高となった。
9日(月)は、東京市場および米国市場は祝日のため休場だった。
10日(火)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は高値圏で膠着した後、800円超上昇する場面もあったが、前営業日比751円86銭高の31,746円53銭で取引を終えた。
11日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数がそれぞれ3日続伸したことから買い優勢となったが、その後はプラス圏でのもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価はじり高となり32,000円台を回復すると、前日比189円98銭高の31,936円51銭で取引を終えた。
12日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから、上げ幅を拡大するともみ合いとなった。
後場の日経平均株価は高値でのもみ合いが続き、前日比558円15銭高の32,494円66銭で取引を終えた。
13日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことからマイナス圏でスタートした後、プラス圏に浮上する場面もあったが、こう着状態となった。
後場の日経平均株価も週末のポジション売りが優勢となり、前日比178円67銭安の32,315円99銭で取引を終えた。
NYダウは、混乱する中東情勢の影響により、不安定な展開に
2023年10月16日~10月21日の週のNYダウは、混乱する中東情勢の影響により、不安定な展開となりそうだ。
7日(土)早朝に、イスラム組織ハマスがイスラエルに対し大量のロケット弾が発射し、ガザ地区から武装組織の戦闘員がイスラエル国内に侵入した。
イスラエル軍も報復空爆を行うなど戦闘は激化し、ハマス支持のレバノンやシリアの武装勢力が戦闘に加わる可能性や、ハマスに資金・武器を提供しているイランとイスラエルとの直接衝突の可能性も浮上している。
中東情勢が混沌としていることから、世界経済にも悪影響を及ぼすのではないかとの懸念が広がっている。
中東地域での混乱は、エネルギーの安定供給に影を落とす。
産油国が多いうえに、船舶の主要航路もあるなど輸送面においても需要な役割を担う。
そのため、市場では、ハマスの奇襲攻撃をきっかけとした中東情勢の混乱が、原油価格の高騰をもたらすのではないかとの懸念が広がっているのだ。
紛争地域が徐々に拡大するにつれて原油価格は上昇し、最終的にイスラエルとイランの直接衝突に至った場合には、原油価格が高騰するのではないかとの予想がされている。
原油価格の上昇は、株や為替、債券などの金融商品にも大きな影響を及ぼす。
よって、2023年10月16日~10月21日の週もイスラエルを巡る紛争の動向には注意が必要だ。
また、2023年10月16日~10月21日の週も、米国の経済指標の結果がNYダウに影響を与えると考えられる。
10日(火)にFRBのジェファーソン副議長が、インフレ率が依然高すぎるとの見解を示したうえで、「必要となり得る追加的な政策引き締めの程度を見極める上で、慎重に進む余地がある」と述べたことが伝わると、これまでのFRBの立場よりもハト派的であると市場は受け止め、金利高懸念が後退した。
しかし、12日(木)発表の9月米消費者物価指数は、事前予想の前月比0.3%を上回る0.4%と想定以上の伸びとなったため、再び高インフレ長期化への懸念が広がった。
以上のとおり、市場では経済指標の結果や要人発言に一喜一憂する状態が続いているが、2023年10月16日~10月21日の週は、特に17日(火)の9月米小売売上高に注目が集まるだろう。
また、19日(木)には、パウエルFRB議長によるニューヨーク経済クラブでの講演が予定されているため、発言内容に注意が必要だ。
日経平均株価は、上値が重く方向感の出にくい展開に
2023年10月16日~10月21日の週の日経平均株価は、上値が重く方向感の出にくい展開になると考えられる。
ただし、中東情勢がさらに混迷し原油価格が上昇すれば、日経平均株価には強い下押し圧力がかかる可能性があるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2023年10月16日~10月21日の週に推奨したいのは、大手商社である。
業績の上振れがすぐに期待できる局面ではなく、今後各国の金融引き締めの影響をどの程度受けるのか、という点には注意が必要である。
それでも海外からの資金流入や資源価格高騰の影響から株価は底堅く推移すると考えられる。
特に高配当や成長投資を掲げているところに関しては、株主還元や成長投資ができるだけのキャッシュもあるため、中長期的な株価の上昇に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、小売りの中でも医薬品の売上比率が高いドラッグストアである。
前年までコロナ禍の影響により医薬品が好調だったが、反動により、今期に入り医薬品の売上が減少している。
そのため、ドラッグストアの中でも医薬品の売上比率が高いところは避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年10月16日~10月21日の週は、17日(火)の9月米小売売上高、19日(木)のパウエルFRB議長講演のほかに、16日(月)に10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日(火)に9月米鉱工業生産、19日(木)に10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。
また、20日(金)には日本の9月全国消費者物価指数の発表もあるので、併せて注意したい。
