知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2023年10月23日~10月28日)
2023年10月23日~2023年10月28日の週のNYダウは、利上げ長期化懸念と緊迫化する中東情勢により、引き続き不安定な展開になりそうだ。
日経平均株もNYダウなど米株式指数の動向を受けて不安定になりやすいだろう。
先週の振り返り
2023年10月16日~10月21日の週の日経平均株価は、大幅下落した。
16日(月)の日経平均株価は、前週末のナスダック総合指数の軟調を受けて大幅続落すると、前週末マイナス圏で推移した。
後場の日経平均株価は弱含みとなり、700円超安となる場面もあったが、前営業日比656円96銭安の31,659円03銭と続落して取引を終えた。
17日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったが、中東情勢が懸念されると上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は32,000円を挟んで小動きとなり、前日比381円26銭高の32,040円29銭で取引を終えた。
18日(水)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数が反落したことから軟調に推移した。
後場の日経平均株価は弱含みでもみ合いが続いたが、小幅なプラスに転じると、前日比1円96銭高の32.042円25銭で取引を終えた。
19日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて軟調に推移した。
後場の日経平均株価は、アジア株安を受けて下げ幅を拡大し、前日比611円63銭安の31,430円62銭で取引を終えた。
20日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて、続落するとマイナス圏でスタートした。
後場の日経平均株価は、押し目買いが入ったことから下げ渋ったが、前日比171円26銭安の31,259円36銭で取引を終えた。
NYダウは引き続き不安定な展開に
2023年10月23日~10月28日の週のNYダウは、中東情勢の混迷化に加え、利上げの長期化が意識されて引き続き不安定な展開になると考えられる。
16日(火)にグールズビー米シカゴ連銀総裁がインタビューで、「米国のインフレ鈍化は一時的なものではない」としてインフレ鈍化基調を認め、17日(水)にはフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が、FRBは利上げ休止を延長すべきであるとの考えを示したことが報道された。
これにより、市場では利上げ休止や利下げへの期待感が高まったが、19日(金)にニューヨーク・エコノミック・クラブで講演したパウエルFRB議長が、「金融環境の変化が根強く続けば、金融政策の道筋に影響を与え得る」と説明し、長期債利回りの上昇で利上げの必要性が低下する可能性に言及した。
しかし、追加引き締めの可能性を排除せず、高インフレが依然としてリスクであることと、経済の強さが継続した場合には追加利上げが正当化されると述べ、利上げ終了は示唆されなかった。
パウエルFRB議長の発言を受けて、市場では11月の利上げに対する懸念は後退した。
しかし、利上げの可能性は依然として残っていることから、それ以降に利上げが行われるのではないかとの懸念が広がっている。
そのため、引き続き2023年10月23日~10月28日の週に発表される経済指標の結果には注意したい。
特に、25日(水)発表の9月米新築住宅販売件数や、26日発表の7-9月期米四半期GDP、27日(金)発表の9月米個人消費支出は注目されやすいだろう。
一方で、中東情勢がますます緊迫していることから、利下げへの期待感は根強い。
イスラエルとハマスの衝突が周辺国を巻き込んだ戦争に拡大するのではないかとの懸念が広がり、欧州では反イスラエルデモが多発するなど、欧米にも社会不安を与えている。
また、中東の産油国に戦闘が飛び火した場合に、石油やガスの供給に影響を与える恐れがあり、エネルギー価格の高騰を招くのではないかとの見方も浮上している。
イスラエル軍がガザ地区で地上戦を行う事になった場合には、原油価格が高騰するとの見方もあるため、予断を許さない状態だ。
以上のことが要因となり、2023年10月23日~10月28日の週のNYダウは不安定な動きとなる可能性があるため、引き続き注意したい。
なお、2023年10月23日~10月28日の週は米国決算が本格化し、GAFAMのうち、アルファベット、マイクロソフト、メタ、アマゾンの決算発表が予定されている。
GAFAMの決算内容が米国市場に影響を与える可能性があるため、こちらにも注意が必要だ。
日経平均株価も米国市場の動向を受けて不安定な展開に
2023年10月23日~10月28日の週の日経平均株価は、米国市場の動向を受けて不安定な展開になりやすいと考えられる。
日本でも企業決算が始まるため、その結果が市場に影響を与える可能性があり、注意したい。
ただ、円安や日米の景況感が概ね良好であるため、日本企業の業績に対する期待は根強く、日経平均株価の下支えになるだろう。
今週の推奨セクター
2023年10月23日~10月28日の週に推奨したいのは、医薬品の中でもP4医療に力を入れているところである。
世界的に医療品の抑制傾向が強まっていることから、中長期的に医薬品の承認数や薬価が抑制される可能性がある。
そうした中、医療費抑制と不健康寿命の短縮化につながるP4医療への取り組みを進めているところは、長期的に選考されやすいと考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、金融の中でもコンシューマーファイナンスの割合が高いところである。
コンシューマーファイナンスは金利上昇に対しネガティブな反応を示す傾向にある。
世界的な金利上昇を受けて収益の悪化が懸念されるため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年10月23日~10月28日の週は、25日(水)の9月米新築住宅販売件数や26日(木)の米7-9月期四半期GDP、27日(金)の9月米個人消費支出のほかに、24日(火)に10月米製造業PMI、10月米サービス業PMI、10月米総合PMI、10月米リッチモンド連銀製造業指数、26日(木)に9月米耐久財受注、27日(金)に10月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。