知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年12月4日~12月9日)
2023年12月4日~12月9日の週のNYダウは、概ね堅調に推移しそうだ。
一方、日経平均株価は方向感の出にくい展開になるだろう。
先週の振り返り
2023年11月27日~12月2日の週は上値が重く方向感の出にくい展開となった。
27日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウの上昇を受けて前週末比プラス圏でスタートしたものの、マイナス圏に転落。
後場の日経平均株価は材料難からマイナス圏でのもみ合いが続き、前週末比177円86銭安の33,447円67銭で取引を終えた。
28日(火)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は前日比プラス圏でスタートしたが、円高進行により売り優勢となると下げ幅を縮めた。
後場の日経平均株価は、円高や利益確定売りが重しとなり軟調に推移し、前日比39円28銭安の33,408円39銭で取引を終えた。
29日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が反発したのと反対に、日経平均株価は続落スタートとなったが、プラス圏に浮上した。
後場の日経平均株価は円高が重しとなりもみ合いが続き、前日比87円17銭安の33,321円22銭で取引を終えた。
30日(木)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の下落を受けて、続落して取引を開始すると小動きとなった。
後場の日経平均株価は、電機株や機械株が堅調に推移したことで切り返し、前日比165円67銭高の33,486円89銭で取引を終えた。
1日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが大幅続伸したことを受けて続伸して取引を開始すると、前日終値近辺でのもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は、半導体関連株が重しとなったために小動きとなり、前日比55円38銭安の33,431円51銭と反落して取引を終えた。
NYダウは概ね堅調に推移か
2023年12月4日~12月9日の週のNYダウは概ね堅調に推移しそうだ。
その理由として、利下げをめぐる各連銀総裁やパウエルFRB議長の発言、米雇用統計が挙げられる。
米長期金利は利上げ終了に加えて利下げの思惑も織り込み、低下傾向にある。
タカ派として知られるFRBのウォラー理事が利下げの可能性を示唆したことが、その一因だ。
28日(水)に行われた米保守系シンクタンクでの講演で、ウォラーFRB理事は「インフレ率を2%に戻すうえで、現在の政策は好位置にある」と発言し、追加利上げを行う必要はないかもしれないとの見方を示した。
また、同じく28日(水)に開催された銀行協会向けの講演で、タカ派で知られるボウマンFRB理事がさらなる引き締め策が必要としながらも、12月の利上げ支持を表明するには至らなかった。
このことから、市場では利上げ停止や利下げへの期待が広がり、米長期金利の低下によって2023年12月4日~12月9日の週のNYダウは堅調に推移した。
しかし、29日(木)に行われたCNBC主催の会議で、米リッチモンド連銀のバーキン総裁が「米金融当局は利上げの選択肢を残しておくべき」との考えを示すと、NYダウは一時的に下落している。
このように、利上げ停止および利下げについては、各連銀総裁の中で意見が分かれている状態だ。
ただ、29日(木)に公表されたベージュブックで、米国の経済活動がここ数週間のうちに減速したことが明らかになったため、今のところ利上げ停止および利下げへの期待感が根強く、FRB関係者が利上げの可能性を残す発言をしても、NYダウに大きな下押し圧力はかかりにくくなっている。
なお、1日(金)に開催された講演で、パウエルFRB議長は政策金利が景気抑制域に入ったと述べて、利上げ終了を示唆した。
同時に、「金融緩和の時期について臆測するのは時期尚早」「追加の金融引き締めが適切になる場合は、その用意がある」と発言するなど、市場が期待する来年の利下げをけん制。
しかし、利下げへの期待感からNYダウは急上昇した。
このように、FRB関係者が利下げをけん制しても市場はそれに反応しにくい状態となっているため、2023年12月4日~12月9日の週のNYダウは基本的に堅調に推移するとみられる。
そうした中、8日(金)に発表される米雇用統計には注目が集まるだろう。
事前予想よりも弱い結果となった場合には、利下げへの期待が強まりNYダウの上昇要因となりそうだ。
6日(水)に発表される11月米ADP雇用統計にも併せて注意しておきたい。
日経平均株価は方向感の出にくい展開に
2023年12月4日~12月9日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開になるだろう。
材料不足に加え、8日(金)に米雇用統計が発表されることから様子見ムードとなり、小動きになりそうだ。
今週の推奨セクター
2023年12月4日~12月9日の週に推奨したいのは、百貨店である。
高温が続いたため秋冬物の衣料の動きが重かったが、11月に入り急激に気温がった。
秋冬物の衣料の追い風になったと考えられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
避けたいのは化学・繊維の中でもエチレンやプロピレンなどの化学材料を取り扱うところである。
石油化学工業協会によれば、日本のナフサクラッカーの10月稼働率は前月から1.1ppt上昇の82.6%と3か月連続の改善となった。
ただ、好不況の分かれ目となる90%を15か月連続で割りこむ状態が続いている。
また、在庫水準も減少傾向にあり、最悪の状態は抜けつつあるが、インド・ベトナムでの増産計画や需要回復の見通しが立てにくい状況を踏まえると、本格的な回復には遠く、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年12月4日~12月9日の週は、6日(水)の11月米ADP雇用統計、8日(金)の米雇用統計のほかに、5日(火)に11月米サービス業PMI(改定値)、11月米総合PMI、10月米JOLTS求人件数、11月米ISM非製造業景況指数、8日(金)に12月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
また、8日(金)には日本の7-9月期四半期GDP(改定値)の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。