知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年12月11日~12月16日)
2023年12月11日~12月16日の週のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2023年12月4日~12月9日の週の日経平均株価は円高進行を受けて大幅下落した。
4日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が上昇したのとは裏腹に、続落スタートとなるとマイナス圏で推移した。
後場の日経平均株価は下げ幅を縮小し、前週末比200円24銭安の33,231円27銭で取引を終えた。
5日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて続落してスタートすると、利益確定売りに押されて軟調に推移した。
後場の日経平均株価はマイナス圏でのもみ合いが続き、前日比455円45銭安の32,775円82銭で取引を終えた。
6日(水)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数が上昇したことを受けて買い優勢となると、上げ幅を拡大する展開に。
後場の日経平均株価は高値圏でのもみ合いが続き、前日比670円08銭高の33,445円90銭と大幅反発して取引を終えた。
7日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて反落した。
後場の日経平均株価は、円高が重しとなって600円超安になる場面もあるなど軟調に推移し、前日比587円59銭安の32,858円31銭で取引を終えた。
8日(金)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したものの、日経平均株価は続落すると下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、米雇用統計前で買いを手控える動きが強まり、前日比550円45銭安の32,307円86銭と大幅続落して取引を終えた。
NYダウは不安定な動向が続く
2023年12月11日~12月16日の週のNYダウは不安定な動向が続くだろう。
その理由として、12日(火)と13日(水)に開催される米FOMCが挙げられる。
今回の米FOMCで利上げは行われないとの見方がされているだけでなく、市場では利上げ終了や利下げ観測が強まっている。
パウエルFRB議長などFRB関係者が、市場の利上げ終了および利下げ観測をけん制する発言をしているものの、これまでのところ市場の反応は限定的なようだ。
そうした中で注意したいのが米経済指標の結果である。
たとえば5日(火)に発表された10月米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は、事前予想の930.0万件を下回る873.3万件と2021年はじめ以来の低水準となり、減少件数も5月以降最大となったが、労働市場の鈍化が明らかになったとして、景気減速を懸念する売りが広がった。
6日(水)に発表された11月米ADP雇用統計は事前予想の前月比13.0万人を下回る同10.3万人となり、利上げ観測が後退したとして一時買い優勢となったものの、その後は景気減速への警戒感から売られる展開となっている。
なお、8日(金)に発表された11月米雇用統計は、11月 非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比18.0万人を上回る同19.9万人となり、失業率も事前予想の3.9%を下回る3.7%となったほか、平均時給も事前予想の前月比0.3%増を上回る同0.4%増となるなど良好な結果となり、これを受けてNYダウは買い優勢となった。
このように、米国の経済指標の結果を受けて、利上げ終了や利下げ観測が高まったり、景気減速への警戒感が強まったりとまちまちな反応になることから、2023年12月1日~12月16日の週のNYダウの動向には注意が必要だ。
特に、FOMCの1日目である12日(火)に発表される11月米消費者物価指数の結果に注意したい。
今回のFOMCでは利上げは行われないとの見方が強いものの、11月米消費者物価指数の結果が事前予想を上回る強いものとなった場合には、再び利上げへの警戒感が広がり、NYダウは不安定な展開になる可能性がある。
また、13日(水)のFOMC終了後のパウエルFRB議長の記者会見での発言にも注目が集まるだろう。
利上げ終了や利下げの可能性を示唆する内容であった場合は、NYダウは上昇する可能性がある。
特に、利下げの時期やペースが示唆された場合には、NYダウの上昇は比較的長く続きそうだが、そうでない場合には急落する可能性もあるため注意が必要だ。
日経平均株価も不安定な展開に
2023年12月1日~12月16日の週の日経平均株価も不安定な展開になりそうだ。
その理由として、市場でマイナス金利政策の解除が意識されていることが挙げられる。
7日(木)の参議院財政金融委員会で、植田日銀総裁が「年末から来年にかけ一段とチャレンジングな状況になる」と語ったと報じられたことから、マイナス金利が解除されるのではないかとの見方が強まったのだ。
ブルームバーグが実施した最新調査において、来年4月までに短期政策金利を引き上げるとの予想が7割近くを占めるとの報道が8日(金)にあったとおり、早期利上げを予想する向きは強い。
ただし、現状日本の経済状況は良好とはいえず、年内の利上げは行われないとの見方もされているため、次回の日銀金融政策決定会合までドル円は円高に振れやすい状態が続きそうだ。
今回のFOMCで市場予想どおり米国の政策金利の据え置きが決定した場合、ただでさえ円高に振れやすい状況を後押しすると考えられるため、為替相場の動向には注意したい。
円高が進行した場合には日経平均株価に下押し圧力がかかり、軟調に推移するだろう。
今週の推奨セクター
2023年12月11日~12月16日の週に推奨したいのは、ヘルステックである。
医療やヘルスケアサービスの質の向上や効率化のためにデジタル技術を活用するヘルステックは今後も旺盛なニーズが見込まれる。
そのため、概ね堅調な状態が続くだろう。
今週の非推奨セクター
避けたいのは非鉄の中でも亜鉛の割合が高いところである。
中国における精錬能力増強の影響により供給過剰になっているため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年12月11日~12月16日の週は、12日(火)と13日(水)の米FOMCや13日(水)のパウエルFRB議長の記者会見、12日(火)の11月米消費者物価指数のほかに、14日(木)に11月米小売売上高、15日(金)に12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、11月米鉱工業生産、12月米製造業PMI(速報値)、12月米サービス業PMI(速報値)、12月米総合PMI(速報値)の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。
また、13日(水)発表の10-12月期日銀短観にも注目したい。