知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年1月22日~1月27日)
2024年1月22日~1月27日の週のNYダウは米決算の動向に左右されやすいと考えられる。
一方、2024年1月22日~1月27日の週の日経平均株価は、引き続き調整が入り下落する場面もあると考えられるが、下値は堅いだろう。
先週の振り返り
2024年1月15日~1月20日の週の日経平均株価は、調整が入った日もあったが、週間を通した場合には堅調に推移した。
15日(月)は、前週末のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は開始後に小動きとなったが、その後は上げ幅を拡大すると、昨年来高値を更新。
後場の日経平均株価は一時1990年2月以来となる3万6000円台を付けるなど一段高となり、前営業日比324円68銭高の3万5901円79銭と6営業日続伸して取引を終えた。
16日(火)の日経平均株価は、前日の米国市場が休場だったことから、方向感が乏しい中下落したが、円安が進むと下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価はマイナス圏での小動きとなり、前日比282円61銭安の35,619円18銭で取引を終えた。
17日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は円安を受けて買い優勢となったが、中国株の下落が影響して上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、マイナス圏に沈むなど上値の重い状態が続き、前日比141円43銭安の35,477円75銭と続落して取引を終えた。
18日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の続落を受けて軟調に推移したが、円安を受けて買われると、一時35,700円台まで上昇した。
後場の日経平均株価は、円安の一服などから上値の重い状態となり、前日比11円58銭安の35,466円17銭で取引を終えた。
19日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反発したことから、買い優勢となると堅調に推移し、一時36,000円台を回復した。
後場の日経平均株価は、利益確定売りに押されて上げ幅を縮小し、前日比497円10銭高の35,963円27銭で取引を終えた。
NYダウはECB理事会の結果に左右されやすい
2024年1月22日~1月27日の週のNYダウは、米決算の動向やFOMCより一足先に開催されるECB理事会の結果に左右されやすいだろう。
1月22日以降、米国株の決算発表が本格化する。
2024年1月22日~1月27日の週は、ネットフリックス(NFLX)やテスラ(TSLA)など米有名企業の決算発表が行われるため、米国の株式市場はその影響を受けるだろう。
NYダウ構成銘柄については、23日(火)にジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ベライゾン・コミュニケーション(VZ)、24日(水)にアイビーエム(IBM)、25日(木)にダウ(DOW)、インテル(INTC)、26日(金)にアメリカン・エキスプレス(EXP)の決算発表が予定されている。
これらの結果にNYダウの動向が左右される場面があると考えられるため、注意が必要だ。
また、1月のFOMC(30日、31日)を前にブラックアウト期間に入り、FRB関係者による金融政策関連の発言が禁じられるため、材料不足となる。
ただ、欧州株式市場でもECBによる利下げのタイミングが注目されていることから、25日(木)開催のECB理事会と、その後に行われるラガルドECB総裁の記者会見に注目が集まりそうだ。
スイスのダボスで17日(水)に行われたラガルドECB総裁のインタビューでは、今年の夏に利下げする可能性が高いとの見方を示し、早期利下げに対する市場の期待をけん制した。
また、18日(木)に公表された昨年12月のECB理事会議事要旨では、市場の利下げ観測に迎合しないことが重要であるとしたことも判明している。
そのため、今回のECB理事会では利下げは行われない可能性が高いが、理事会終了後の記者会見で、ラガルドECB総裁が利下げに関してどのような発言をするのかに注目が集まるだろう。
直近の発言を考慮すると、これまでのスタンスを踏襲すると考えられるが、サプライズがあればNYダウにも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要だ。
また、緊迫化する中東情勢に関するニュースにも引き続き注意を払う必要がある。
さらに、米経済指標にも注目が集まるだろう。
2024年1月22日~1月27日の週は、25日(木)の10-12月期米四半期GDPや、26日(金)の12月米個人消費支出が特に注目されるとみられるため、結果を注視したい。
日経平均株価は概ね堅調に推移か
2024年1月22日~1月27日の週の日経平均株価は、引き続き調整が入る場面があると考えられるが、下落時も下値は堅く、概ね堅調に推移するだろう。
なお、22日(月)、23日(火)に日銀金融政策決定会合が開催されるが、市場が期待するマイナス金利解除は、能登半島地震によりいったん後退したと考えられるため、今回の日銀金融政策決定会合では政策変更はないとみられている。
今週の推奨セクター
2024年1月22日~1月27日の週に推奨したいのは、ヘルスケア関連である。
その中でも医療データを扱うヘルステックは、利活用のニーズが高い。
加えて、レセプト等の定型データの基盤強化が進んでいる。
他社との連携やM&Aなどの再編が進み、今後は分野を超えた連携に発展するなどさらなる成長が望めるとみられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
避けたいのは鉄鋼である。
中国が大型景気刺激策を発表しなかったことなどから鉄鋼市況が軟調であることに加え、中国の経済状況の見通しが不透明であり、中国政府が推し進めるインフラ投資も低調である。
また、鋼材消費の多くを占める建設市場も不振が続いている。
季節性の要因で需要も減少していることから、避けたほうが良さそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年1月15日~1月20日の週は、25日(木)のECB理事会やラガルドECB総裁記者会見、10-12月期米四半期GDP、26日(金)の12月米個人消費支出のほかに、23日(火)に1月米リッチモンド連銀製造業指数、24日(水)に1月米製造業PMI(速報値)、1月米サービス業PMI(速報値)、1月米総合PMI(速報値)の発表があるため、これらの結果には注意が必要だ。
また、26日(金)には日銀金融政策決定会合議事要旨が公表されるため、その内容にも注視したい。