知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年1月15日~1月20日)
2024年1月15日~1月20日の週のNYダウは中東情勢の影響で不安定な展開になりそうだ。
一方、2024年1月15日~1月20日の週の日経平均株価は、一時的な調整などから下落する場面もあると考えられるが、下値は堅いだろう。
先週の振り返り
2024年1月8日~1月13日の週の日経平均株価は4営業日連続で上昇した。
8日(月)は祝日のため東京株式市場は休場だった。
9日(火)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となり上げ幅を拡大すると、一時33年ぶりとなる高値を付けた。
後場の日経平均株価は、利益確定売りと円高が重しとなって上げ幅を縮小し、前週末比385円76銭高の33,763円18銭と続伸して取引を終えた。
10日(水)は、前日のNYダウが下落した一方でナスダック総合指数が上昇するなどまちまちな結果となったが、日経平均株価は円安を好感すると買い優勢となり、34,400円台まで上昇した。
後場の日経平均株価は700円超高となる場面もあるなど上値を試す展開となり、前日比678円54銭高の34,441円72銭とバブル後の高値を更新して取引を終えた。
11日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことに加え、SQ算出日を前に思惑買いも入ったことから日経平均株価は幅広い銘柄が買われて35,000円台を突破した。
後場の日経平均株価は新規材料不足とこの日発表の米CPIを前に様子見ムードとなったため伸び悩んだが、前日比608円14銭高の35,049円86銭と大幅に続伸し、連日の昨年来高値更新して取引を終えた。
12日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことに加え、SOX指数が反発したことなどを受けて日経平均株価は上昇した。
後場の日経平均株価は利益確定売りに押されてもみあいとなり、前日比527円25銭高の35,577円11銭と5営業日続伸して取引を終えた。
NYダウは、中東情勢の緊迫化を受けて不安定な展開に
2024年1月15日~1月20日の週のNYダウは、中東情勢の緊迫化を受けて不安定な展開になりそうだ。
11日(月)にバイデン米大統領が、米軍と英軍が合同でイエメンの親イラン武装組織フーシ派への空爆を開始し、成功したと声明を発表した。
フーシ派への空爆は紅海でのフーシ派による商戦への攻撃と、それに伴う国際海運への悪影響が理由であるが、バイデン米大統領は必要であればさらなる措置を命じることもためらわないとの声明を発表しているため、2024年1月15日~1月20日の週についても動向に注意したい。
今回の攻撃を受けて原油価格が高騰しているため、併せて原油価格の動向も注視したほうがいいだろう。
また、2024年1月15日~1月20日の週も引き続き、米経済指標の結果には注意を払いたい。
8日(月)に発表された12月米ニューヨーク連銀消費者調査において、1年先のインフレ期待が3%と2021年1月以来の低水準となった一方で、11日(木)発表の12月米消費者物価指数は、CPIが前月比+0.3%(事前予想:同+0.2%)、前年同月比+3.4%(事前予想:同+3.2%)と、事前予想を上回る強い結果となった。
また、コアCPIは前月比が事前予想と同様の+0.3%となったが、前年同月比は事前予想の+3.8%を上回る+3.9%となった。
CPIについては、前年同月比が11月よりも伸びが加速し、住居費の上昇がCPI全体の伸びの半分を超えたほか、ガソリンや食品なども上昇。
この結果から、市場では3月のFOMCで利下げが行われる可能性が後退したとの見方が強まった模様だ。
ただ、CMEのFedwatchによれば、11日(木)時点での3月利下げの可能性は70%超と5日(金)時点よりも高まっているため、市場の3月利下げに対する期待感はいまだに根強いといえよう。
なお、12月米消費者物価指数の結果を受けてこの日のNYダウは大幅下落したものの、米英によるフーシ派への攻撃で地政学的リスクが上昇したことを受け、米長期金利が低下に転じると持ち直した。
2024年1月15日~1月20日の週は、17日(水)の12月米小売売上高に特に注目が集まると考えられるため、結果に注意したい。
さらに、2024年1月15日~1月20日の週は米企業決算発表もあり、その結果がNYダウなど米株価指数に影響を与える可能性がある。
本格化するのは翌週以降となるが、16日(火)にはモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスの決算発表があるため、結果に注目が集まるだろう。
日経平均株価は底堅く推移しそう
2024年1月15日~1月20日の週の日経平均株価は底堅く推移しそうだ。
2024年1月8日~1月13日の週に連日上昇したために調整が入る可能性があることに加え、中東情勢や米企業決算などの影響を受けて変動が大きくなる場面もあるだろう。
それでも、円安を受けて海外投資家の資金が流入していることや、新NISAがスタートしたことによる個人投資家の買いも日経平均株価の下値を支えると考えられ、下落する場面でも下値は堅いだろう。
今週の推奨セクター
2024年1月15日~1月20日の週に推奨したいのは、小売りの中でも家電を取り扱うところである。
11月中旬以降、全国的に気温が低下したことを受けてストーブなどの暖房をはじめとする季節家電の売れ行きが好調であったため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
避けたいのは銀行である。
日銀の早期マイナス金利解除観測後退に加え、中東情勢の不安定化による米長期金利の低下の影響を受ける可能性がある。
また、2024年1月15日~1月20日の週は、先述したとおりゴールドマン・サックスなど米金融機関の決算発表があり、結果によっては日本の銀行株の押下げ要因になる可能性もあるため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2024年1月15日~1月20日の週は、17日(水)の12月米小売売上高のほかに、16日(火)に1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日(水)にベージュブック、19日(金)に1月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表があるため、これらの結果には注意が必要だ。
また、15日(月)はキング牧師記念日のため、米国市場が休場になることに留意したい。
ほかに、17日(水)発表の中国の10-12月期四半期GDPや、19日(金)発表の日本の12月全国消費者物価指数の結果にも注意が必要だ。