知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2024年3月18日~3月23日)
2024年3月18日~3月23日の週のNYダウは、前半は様子見ムード、後半は19日(火)および20日(水)開催の米FOMCの結果に左右されると考えられる。
2024年3月18日~3月23日の週の日経平均株価は、神経質な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2024年3月11日~3月16日の週の日経平均株価は大幅下落し、軟調だった。
11日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が米・エヌビディアの大幅下落を受けて下落したことから売り優勢となり、全面安の展開となった。
後場の日経平均株価は、利益確定売りの勢いが止まらず、1,100円超下落する場面もあったが、最終的に前営業日比868円45銭安の38,820円49銭で取引を終えた。
12日(火)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は売られる展開となったが、一部の半導体株が切り返したことなどから下げ渋った。
後場の日経平均株価は、押し目買いが入ったことからもみ合いが続き、前日比22円98銭安の38,797円51銭と小幅続落して取引を終えた。
13日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢となったが、一巡後は上げ幅を縮小するとマイナス圏に沈んだ。
後場の日経平均株価は小幅安となり、前日比101円54銭安の38,695円97銭で取引を終えた。
14日(木)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は半導体株を中心に売り優勢となった。
後場の日経平均株価は、大型半導体株が重しとなったものの、中小型株が買われて相場を下支えしたことから、前日比111円41銭高の38,807円38銭で取引を終えた。
15日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから売られる展開となったが、一巡後には下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、半導体関連株が利益確定売りにより一段安となったために軟調に推移し、前日比99円74銭安の38,707円64銭と反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年3月18日~3月23日の週のNYダウは、19日(火)と20日(水)に開催される米FOMCを前に方向感の出にくい展開になりそうだ。
市場の注目は、FOMC参加者による利下げ回数の予想が引き下げられるか否か、という点に集まるだろう。
なぜなら、12日(火)に発表された2月米消費者物価指数の結果が、事前予想よりも強いものとなったためである。
2月米消費者物価指数は、前月比0.4%増と事前予想どおりであったが、前年同月比は同3.2%増と事前予想の同3.1%増を上回る結果となった。
また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数については、前月比0.4%増と事前予想の同0.3%増を上回り、前年同月比も同3.8%増と事前予想の同3.7%増を上回った。
事前予想を上回る項目が多かったが、住居費を除くスーパーコア等の一部サービス項目では減速が確認されているうえ、ここ数年の下落基調から大きく外れた結果とはいえない。
ただ、14日(木)に発表された、FRBがインフレ指標の基準とする2月卸売物価指数も、前月比、前年同月比を大きく上回り、コア指数も事前予想を上回った。
根強いインフレが確認された結果となったうえ、14日(木)に発表された2月米小売売上高は、事前予想の前月比0.8%増を下回る同0.6%増、自動車を除いた小売売上高も事前予想の前月比0.5%増を下回る同0.3%増と、米国の個人消費の底堅さに対する懸念が広がる結果となっている。
このことから、利下げ予想回数が3回から引き下げられるのではないかとの見方が浮上し、2024年3月18日~3月23日の週のNYダウの押下げ要因となった。
もしも利下げ回数が2回に引き下げられた場合には、9月に利下げ開始となるのではとの見方も一部でされている。
いずれにせよ、今年中に米国の利下げが行われる方向性は変わっていないが、回数や開始時期を巡り、2024年3月18日~3月23日の週のNYダウは前半、神経質な展開になると考えられる。
今回のFOMCで公表される参加者による経済・政策金利予測(中央値)の結果が、当初の市場観測と変わらず6月利下げ開始、年3回の利下げとなれば、市場には安心感が広がりNYダウの上昇要因となるだろう。
この場合、2024年3月18日~3月23日のNYダウは概ね堅調に推移すると考えられる。
反対に、利下げ回数の引き下げや開始時期の後ずれが確認された場合には、NYダウには強い下押し圧力がかかり、2024年3月18日~3月23日の週は軟調に推移しそうだ。
今週の日経平均株価は?
2024年3月18日~3月23日の週の日経平均株価は、日銀金融政策決定会合と米FOMCの動向を受けて、神経質な展開になりそうだ。
20日(水)は春分の日のために休場となることから、週前半は日銀金融政策決定会合、週後半は米FOMCを受けた動向になると考えられる。
日銀金融政策決定会合について、市場はマイナス金利解除を織り込んでいるため、特に大きな波乱要因はなさそうだが、19日(火)の植田日銀総裁の定例会見での発言には注意したい。
一方、FOMCに関しては、米国市場の動向に左右されやすい展開となるだろう。
すでに書いたように、市場観測どおりの経済・政策金利予測が示されれば、日経平均株価も堅調に推移すると考えられる。
一方、タカ派的な結果となった場合には、日経平均株価にも下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2024年3月18日~3月23日の週に推奨したいのは、小売りである。
春節期間中の海外旅行者数は2019年の6割程度であったが免税金額が大幅に上回った。
円安効果により、中国のみならず、ほかの東アジアや東南アジアからの旅行客による高額品の購入も好調に推移しているため、売上伸長に期待できそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはカーボン素材を手掛けるところである。
黒鉛電極の市況悪化が重しとなると考えられ、底打ちがみられるまでは避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年3月18日~3月23日の週は、19日(火)の日銀金融政策決定会合や終了後の植田日銀総裁の記者会見、19日(火)~20日(水)の米FOMCおよび20日(水)のパウエルFRB議長の記者会見のほかに、19日(火)に2月米住宅着工件数、21日(木)に3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、3月米製造業PMI、3月米サービス業PMI、3月米総合PMI、2月米中古住宅販売件数の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
すでに書いたように、20日(水)は日本が休場となることにも留意したい。