知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年4月22日~4月27日)
2024年4月22日~4月27日の週のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2024年4月15日~4月20日の週の日経平均株価は大幅下落した。
15日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから売り優勢となった。
後場の日経平均株価も軟調だったが、下げ幅を縮めるなど底堅い展開となり、前週末比290円75銭安の39,232円80銭で取引を終えた。
16日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから、ハイテク株を中心に売り優勢となると下げ幅を拡大し、全面安の展開となった。
後場の日経平均株価は、900円超下落する場面もあるなど安値圏で推移し、761円60銭安の38,471円20銭で取引を終えた。
17日(水)は、前日のNYダウが上昇したことを受けて、日経平均株価は買い優勢となったが、上げ幅を縮小すると一気にマイナス圏まで下落した。
後場の日経平均株価は中東情勢が重しとなり、前日比509円40銭安の37,961円80銭と大幅続落して取引を終えた。
18日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したことから売り優勢となったが、次第に下げ幅を縮小すると、切り返して38,000円台を回復。
後場の日経平均株価は上値を追う材料がなく、前日比117円90銭高の38,079円70銭と4営業日ぶりに反発して取引を終えた。
19日(金)は、前日のナスダック総合指数が上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価は売り優勢となると下げ幅を拡大。
イスラエルの報復攻撃が懸念材料となると全面安となり、37,000円を割り込んだ。
後場の日経平均株価は、半導体株の一部に買いが入ったことで下げ幅を縮小し、前日比1,011円35銭安の37,068円35銭と大幅安で取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年4月22日~4月27日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
理由として、中東情勢の緊迫化が挙げられる。
15日(月)にイスラエルがイランに対し、反撃の意向を示唆したことから緊張が高まっていたが、19日(月)にイスラエルがイランへ攻撃したと報じられた。
攻撃の規模は限定的との報道もされているが、両国の対立が拡大するのではないかとの懸念が広がっている。
また、イスラエルがイランへの報復を行ったことで原油も高騰している。
米国がイランに対する制裁を強化する考えを示していることから、イラン産原油の輸出が減り、原油価格の高騰が続くのではないかとの見方もされている。
原油高により米国のインフレ圧力が強まり、利下げ時期が後ずれするとの観測が強まる可能性があり、2024年4月22日~4月27日の週のNYダウの下押し材料になりそうだ。
また、FRB関係者によるタカ派発言も、2024年4月22日~4月27日の週のNYダウの下押し圧力になると考えられる。
16日(火)にパネル討論会に出席したパウエルFRB議長が、FRBが利下げを実施するまでの期間が、以前の想定よりも長くなるとの認識を示したことが報道された。
17日(水)には、クリーブランド連銀のメスター総裁が、これまで年内としていた利下げ時期について、「ある時点」と表現を変更。
18日(木)には、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、ワシントンで開催されたセマフォ―世界経済サミットでの講演で「利下げの緊急性を全く感じていない」とし、開始時期は経済データに基づき判断すべきとの考えを示した。
同日にフロリダ州で行われたイベントに出席したアトランタ連銀のボスティック総裁は、インフレ鈍化が緩慢であるため、年末まで利下げを行うことは適切ではないとの考えを改めて示している。
さらに、19日(金)には、ハト派で知られるシカゴ連銀のグールズビー総裁が、インフレ鈍化の基調が失速しているとして、今後の経済動向データを見極める必要があると発言したことが判明。
「今は動く前に、一段と明確になるのを待つのが理にかなう」として、現状は金利を据え置いて様子を見るべきとの考えを示した。
以上のとおり、パウエルFRB議長をはじめとするFRB関係者は、インフレ抑制に向けた進展の鈍さや米国経済の底堅さを踏まえ、政策金利を現行の水準で維持する方向性を打ち出している。
早期利下げを期待する市場の思惑とは異なる考えを示しているため、2024年4月22日~4月27日の週も、市場は米経済指標の結果やFRB関係者らの発言を警戒するだろう。
FRB関係者はデータを重視するとしていることから、今後も市場が織り込む利下げ回数は変動するものと考えられるため、注意が必要だ。
2024年4月22日~4月27日の週は、23日(火)の3月米新築住宅販売件数、25日(木)の1-3月期米四半期GDP(速報値)、26日(金)の3月米個人消費支出が特に注目されそうだ。
また、2024年4月22日~4月27日の週は、米企業の決算発表も本格化する。
23日(火)のテスラ、24日水)のメタ・プラットフォームズ、IBMなど、25日(木)のインテル、マイクロソフト、アルファベットなど、注目度の高い米企業の決算に注意したい。
今週の日経平均株価は?
2024年4月22日~4月27日の週の日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
中東情勢は引き続き市場の懸念材料になると考えられるため、関連報道には注意を払いたい。
また、前述した米企業決算の結果が、日経平均株価の動向に影響を与えると考えられる。
特に連休前の27日(金)にはポジション調整の動きが出やすいと考えられるため、価格変動に注意したい。
なお、25日(木)と26日(金)には日銀金融政策決定会合がある。
26日(金)の2日目終了後に植田日銀総裁の定例記者会見があるため、その内容にも留意したい。
今週の推奨セクター
2024年4月22日~4月27日の週に推奨したいのは、金融の中でもキャッシュレス決済を手掛けているところである。
クレジットカードやQRコード決済が飲食、旅行、スーパー、コンビニエンスストア等での利用が好調なことに加え、物価上昇も追い風になっているとみられ、ポジティブな印象だ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、電力である。
再エネ賦課金の値上げが発表されたが、電力会社の収入にはならず、低炭素投資促進機構にそのまま支払われる。
再エネ賦課金の値上げにより電気料金も上昇するため、需要が低迷して販売量が低下する可能性があり、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年4月22日~4月27日の週は、23日(火)の3月米新築住宅販売件数、25日(木)の1-3月期米四半期GDP(速報値)、26日(金)の3月米個人消費支出のほかに、23日(火)に4月米製造業PMI、4月米サービス業PMI、4月米総合PMI、4月米リッチモンド連銀製造業指数、24日(水)に3月米耐久財受注、26日(金)に4月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果には注意が必要だ。
また、既述したとおり、26日(金)には日銀金融政策決定会合終了後に植田日銀総裁の定例記者会見があるので、内容に注意したい。