知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年5月20日~5月25日)
2024年5月20日~5月25日の週のNYダウと日経平均株価は、概ね堅調に推移しそうだ。
週の半ば以降は22日(水)発表の米半導体大手エヌビディアの決算結果に左右されると考えられるため、注意が必要だ。
先週の振り返り
2024年5月13日~5月18日の週の日経平均株価は、下落した日もあったが堅調に推移した。
13日(月)は、前週末のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価は小動きながらももみ合いとなった。
後場の日経平均株価は、材料難もあり狭いレンジで見合いが続き、前週末比49円65銭安の38,179円46銭と小幅に反落して取引を終えた。
14日(火)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったが、日本の10年債利回りの上昇を受けて一時マイナス圏に沈む場面もあるなど、方向感の乏しい展開となった。
後場の日経平均株価は、利益確定売りに押されて小幅安となったが、再び持ち直し、前日比176円60銭高の38,356円06銭で取引を終えた。
15日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢になったが、買い一巡後は上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、この日発表の米4月消費者物価指数を前に様子見ムードが強まり、前日比29円67銭高の38,385円73銭と小幅続伸して取引を終えた。
16日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったが、39,000円近辺で上値の重い展開となった。
後場の日経平均株価は強含みでもみ合い、前日比534円53銭高の38,920円26銭と大幅に続伸して取引を終えた。
17日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて軟調となったが、下げ幅を縮小する場面もあった。
後場の日経平均株価は、安値圏でのもみ合いが続き、前日比132円88銭安の38,787円38銭と小幅反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年5月20日~5月25日の週のNYダウは、概ね堅調に推移しそうだ。
理由として、インフレに対する過度な警戒感が後退したことが挙げられる。
14日(火)発表の4月米卸売物価指数は前年比+2.2%となり、事前予想の同+2.1%および3月の同+1.8%(同+2.1%から下方修正)を上回る結果となった。
前月比についても事前予想と前回3月を上回る結果となっている(事前予想:前月比+0.3、3月:同-0.1%※同0.2%から下方修正)。
また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアに関しても、事前予想および3月の結果を上回ったが、3月については下方修正されている。
強めの結果となったが、サービス価格の内訳を確認した際に、航空運賃や外来医療費など下落した項目もあったことから、強弱まちまちの内容であり、インフレに対する警戒感を和らげる内容になったといえよう。
翌15日(水)発表の4月米消費者物価指数は、前月比+0.3%と、事前予想の同+0.4%を下回る結果となり、3月から低下した(3月:同+0.4%)。
前年比は事前予想どおりの結果(事前予想:前年比+3.4%、結果:同+3.4%)となり、前回3月(同+3.5%)よりも低下している。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアに関しても、事前予想どおり前月比+0.3%、前年比+3.6%となり、どちらも3月よりも低下(3月の結果:前月比+0.4%、前年比+3.8%)。
消費者物価指数、卸売物価指数ともに、コアベースの数値はFRBが金融政策を判断する際にインフレ指標として採用しているが、今回の結果によりFRBが年内利下げをする確度が高まったとして、市場は好意的に受け止めた形だ。
さらに、同じく15日(水)に発表された4月米小売売上高は、事前予想の前月比+0.4%を下回る同+0.0%となり、前月から横ばいに。
なお、前回3月についても、前月比+0.7%から同+0.6%に下方修正された。
物価高やイースター休暇が例年よりも早かったこと、3月中にアマゾンのセールイベントが開催されたことなども4月の結果が弱くなった理由として挙げられているが、消費の減速を示しているとする見方もある。
なぜなら、4月30日(火)に発表された4月米消費者信頼感指数が、2022年7月以来の低水準に落ち込んでいるからである。
今回の4月米小売売上高の結果は、4月の消費者信頼感指数を裏付けるものになったと考えられているのである。
4月米消費者物価指数や4月米小売売上高の結果が総じて弱いものになったことから、発表後のNYダウは概ね堅調に推移した。
さらに、14日(火)にオランダで開かれた外国銀行協会の年次総会に出席したパウエルFRB議長が、インフレの改善があまり見られないことから、現行水準の金利を据え置く姿勢を示した一方、ECBメンバーでもあるクノットオランダ中銀総裁との討議の中で、利上げの可能性を予想していないと再表明したことも、利上げに対する市場の警戒感を後退させたと考えられる。
そのため、2024年5月20日~5月25日の週のNYダウは概ね堅調に推移すると考えられるが、注意したいのが、22日(水)発表の米半導体大手エヌビディアの決算だ。
好調が確認される結果であれば、半導体関連銘柄中心に買いが入ると考えられ、市場はリスクオンに傾くだろう。
さらに注意したいのが、22日(水)に米FOMC議事要旨が公開されることである。
タカ派的な内容である場合には、NYダウにも下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
2024年5月20日~5月25日の週の日経平均株価は、材料難からNYダウやナスダック総合指数の動きに影響されやすいと考えられる。
週前半は、エヌビディアの決算や米FOMC議事要旨の公表を前に方向感が出にくくなる可能性があるが、下値は堅そうだ。
エヌビディアが好決算となった場合には、日経平均株価も買いが入りやすいだろう。
反対に期待外れの内容となった場合には下押し圧力がかかると考えられるが、限定的なものにとどまると考えられる。
今週の推奨セクター
2024年5月20日~5月25日の週に推奨したいのは、小売りの中でも免税店の取扱いがあるところである。
3月に入り、2月と比較してやや軟調になったが、4月、5月と好調が続いている。
例年、7月までは訪日観光客数が増加傾向で推移するため、今後も堅調に推移しそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、鉄鋼の中でも高炉メーカーである。
本来、円安はメリットだが、輸出が低迷する一方、原料価格が高水準にある中では、急速な円安は逆風になる。
そのため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2024年5月20日~5月25日の週は、22日(水)の米FOMC議事要旨の公表のほかに、23日(木)に5月米製造業PMI(速報値)、5月米サービス業PMI(速報値)、5月米総合PMI(速報値)、4月米新築住宅販売件数、24日(金)に4月米耐久財受注、5月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
また、24日(金)には日本の4月全国消費者物価指数が発表される。
これらの結果に注意が必要だ。