知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年7月1日~7月6日)
2024年7月1日~7月6日の週のNYダウは方向感の出にくい展開になりそうだ。
日経平均株価は、米雇用統計など注目度の高い経済指標の発表を前に小動きになると考えられる。
先週の振り返り
2024年6月24日~6月29日の週の日経平均株価は堅調だった。
24日(月)は、前週末のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価は売り優勢でスタートすると、下げ渋りもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は上げ幅を拡大し、前週末比208円18銭高の38,804円65銭と反発して取引を終えた。
25日(火)は前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価は小動きとなると、徐々に上昇に転じて39,000円台を回復した。
後場の日経平均株価は高値圏でのもみ合いが続いた後、400円超高となる場面もあったが、前日比368円50銭高の39,173円15銭で取引を終えた。
26日(水)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから日経平均株価はハイテク株を中心に買い優勢となると、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、配当金再投資の買いが続いたことから600円超高となる場面もあったが、利益確定売りで上げ幅を縮小すると、前日比493円92銭高の39,667円07銭で取引を終えた。
27日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したのとは裏腹に、売り優勢に。
後場の日経平均株価は、半導体関連株などを中心に大幅安となると、下げ幅を拡大する場面もあり、前日比325円53銭安の39,341円54銭で取引を終えた。
28日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢となると、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、週末の利益確定売りや、この日発表の米個人消費支出の発表を前に、様子見ムードが広がると伸び悩み、前日比241円54銭高の39,583円08銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年7月1日~7月6日の週のNYダウは、引き続き米経済指標の結果に左右され、方向感の出にくい状態が続きそうだ。
その理由として、複数のFRB関係者が早期利下げに慎重な姿勢を示していることに加え、FOMC議事要旨の公表や米雇用統計の発表があることが挙げられる。
27日(木)にワシントン州銀行協会で講演を行ったFRBのボウマン理事は、インフレにはなお多くの上振れリスクがあり、政策金利の引き下げが適切な手段となる段階にはまだないと述べた。
その2日前となる25日(火)に、エコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークで講演を行ったFRBのクック理事は、ある時点で利下げを行うのが適切だろうとの見方を示したものの、利下げ時期の明言を避けたことが報道されている。
前週に引き続き、FRB関係者から利下げ時期に関する発言があったものの、市場の期待に反し、早期利下げに関して慎重な姿勢を崩していないことが判明した格好だ、
このことが2024年7月1日~7月6日の週のNYダウにとって重しになると考えられるが、注意したいのが、2日(火)に予定されているパウエルFRB議長の講演である。
28日(金)に発表された5月米個人消費支出に対し、パウエルFRB議長がどのような見解を述べるのかということに市場は注目すると考えられる。
なお、5月米個人消費支出は、事前予想の前月比+0.3%に対し、結果は同+0.2%と下回った。
前年同月比については、事前予想どおり+2.6%となっている。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア価格指数は、事前予想通り前月比+0.1%、前年同月比+2.6%となり、前月比は小数点第2位までをみた場合、+0.08%とごくわずかであり、2020年11月以来の低い伸びにとどまっている。
今回の結果から、物価の伸びの減速と堅調な支出が示され、持続的な成長、インフレの鈍化、労働市場のバランス正常化を伴っていることが確認できたといえよう。
インフレ再加速に対する懸念が後退したことから、FRB当局者に一定の安心感を与えると考えられるため、2日(火)の講演で、パウエルFRB議長がどのような発言をするかに注目したい。
また、3日(水)に公表される米FOMC議事要旨の内容にも注意が必要だ。
さらに、5日(金)には6月米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数が+18.5万人と、5月の+27.2万人から増加幅が縮小する予想となっている。
事前予想どおり、あるいは事前予想よりも増加幅が縮小した場合には、早期利下げに対する市場の期待感が高まりそうだ。
事前予想に反して増加幅が拡大した場合には、利下げに慎重なFRBの姿勢を後押しすることとなるため、NYダウには大きな下押し圧力がかかる可能性があり、注意が必要だ。
3日(水)には前哨戦となる6月米ADP雇用統計の発表もあり、こちらの結果も併せて注視する必要がある。
なお、4日(木)は米国が独立記念日であるため休場となることに留意したい。
今週の日経平均株価は?
2024年7月1日~7月6日の週の日経平均株価は、小動きとなりそうだ。
5日(金)に米雇用統計の発表があるため、週の後半にかけて様子見ムードになりやすいだろう。
また、FOMC議事要旨の公表やパウエルFRB議長の講演内容にも影響されやすいと考えられるため、注意が必要だ。
ただ、現在円安が進行しているため、為替介入により大幅な円高にならない限り、下落は限定的なものにとどまりやすいと考えられる。
今週の推奨セクター
2024年7月1日~7月6日の週に推奨したいのは、銀行である。
日銀が7月の利上げの可能性も視野に入れていることが判明したため、政策金利は2007年の0.5%を超える水準もあり得るのではないかとの見方も浮上している。
それよりも引き上げ率の低い0.25%であった場合も、銀行各社にとってはプラスの影響が出てくるとみられる。
実際にプラス効果が明確になるのは来年以降になるとみられるが、先回りして買いが入る可能性もあるため、今後に期待できそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは紙・パルプである。
円安により国内事業のコスト高が続いていることに加え、段ボール需要の回復ペースが遅く、各社とも業績の上振れを期待するのは難しい事業環境にあると考えられる。
そのため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2024年7月1日~7月6日の週は、2日(火)のパウエルFRB議長の講演、3日(水)の米FOMC議事要旨、6月米ADP雇用統計、5日(金)の6月米雇用統計のほかに、1日(月)に6月米ISM製造業景況指数、3日(水)に6月米サービス業PMI、6月米総合PMI、6月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
また、既述したとおり、4日(木)は米国市場が休場となることにも留意したい。