知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年7月29日~8月3日)
7月29日~8月3日の週のNYダウと日経平均株価は、不安定な展開が続くと考えられる
先週の振り返り
7月22日~7月27日の週の日経平均株価は大幅下落し、軟調だった。
22日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が下落したことを受けて売り優勢でスタートすると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は軟調に推移し、安値でのもみ合いが続くと、前週末比464円79銭安の39,599円00銭と大幅続落して取引を終えた。
23日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて、日経平均株価は買い優勢となったが、失速するともみ合いとなった。
後場の日経平均株価は前日終値近辺でもみ合いが続き、前日比4円61銭安の39,594円39銭と小幅続落して取引を終えた。
24日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて軟調に推移した。
後場の日経平均株価は、円高を嫌気した売りが続き、前日比439円54銭安の39,154円85銭と6日続落して取引を終えた。
25日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから売り優勢となると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、1,300円超安となるなど大幅下落し、前日比1,285円34銭安の37,869円51銭で取引を終えた。
26日(金)は、前日のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したことや、円高が嫌気されて、日経平均株価は売り優勢となった。
後場の日経平均株価は前日終値付近でのもみ合いが続き、前日比202円10銭安の37,667円41銭と8日続落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
7月29日~8月3日の週のNYダウは不安定な展開が続きそうだ。
その理由として、30日(火)と31日(水)開催の米FOMCや、2日(金)発表の米雇用統計、米企業の決算が挙げられる。
市場は、30日(火)、31日(水)の米FOMCで利下げは行われないとの見方を変えておらず、9月利下げを織り込んでいる。
ただ、今回のFOMCでは利下げの開始を示唆するのではないかとの見方が強まっているようだ。
PCE物価指数の上昇率が3%を割り込むなど、足下ではインフレ圧力が徐々に弱まっている中、今回、FRBがインフレに関する文言をどのように修正するのかということが注目されている。
インフレに関する表現がこれまでよりも穏やかなものになれば、利下げの確度が高まったとして、NYダウは上昇する可能性がある。
そのため、FOMC声明の内容と、終了後のパウエルFRB議長の会見での発言には注意が必要だ。
また、FOMC後の2日(金)には米雇用統計の発表がある。
労働市場が緩和しつつある状況が示される結果となれば、9月利下げの見通しが強まったとしてNYダウは上昇するだろう。
反対に労働市場の緩和が鈍いことが示された場合には、NYダウに下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
さらに、米経済指標の発表やFOMC以外で注意しなければならないのが、米企業の決算である。
7月22日~7月27日の週は、テスラ(TSLA)やアルファベット(GOOGL)の冴えない決算を受けた失望売りにより、NYダウは下落している。
メタ・プラットフォームズ(META)やマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)などにも下げが波及したほか、エヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイズ(AMD)なども下落した。
7月29日~8月3日の週も、本格化する米企業決算の結果に市場は一喜一憂することになりそうだ。
30日(火)にマイクロソフト(MSFT)、31日(水)にメタ・プラットフォームズ(META)、クアルコム(QCOM)、1日(木)にインテル(INTC)、アップル(AAPL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)といったハイテク企業の決算が控えている。
これらハイテク株の決算の結果が弱いものになった場合には、NYダウにも強い下押し圧力がかかるとみられることから、注意が必要だ。
加えて、米国の政局にも注意したい。
21日(日)に、バイデン米大統領が米大統領選から撤退し、ハリス米副大統領を後継候補として支持することを表明。
これにより、トランプ元米大統領の再選を見込んだ買いがいったん収束したものの、実際にハリス米副大統領が後継候補に選ばれるかどうかは不透明であるため、7月29日~8月3日の週も動向に注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
7月29日~8月3日の週の日経平均株価も不安定な展開となりそうだ。
米FOMCや雇用統計の結果をにらみ、方向感が出にくいうえに、米FOMCと同じ日程で日銀金融政策決定会合が行われる。
米国の利下げ観測と、日銀の追加利上げ観測も円高進行を後押ししているうえに、日本も企業決算が本格化するため注意が必要だ。
コマツやファナック、NEC、日立、みずほ、住友商事、三菱商事、三井物産、トヨタなど大手企業の決算発表が多数あるため、日経平均株価は乱高下する可能性がある。
波乱含みの展開になることも考えられるため、引き続き注意したい。
今週の推奨セクター
7月29日~8月3日の週に推奨したいのは医療機器である。
中国については弱い状態が続くものの、米国の手術・検査件数は増加傾向が続いていることから、医療機器関連企業にとってはシェア拡大の機会があると考えられる。
また、今後、中国において医療機器の設備更新が本格化するとみられているため、医療機器関連企業にとって追い風の状態になりそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは商社である。
これまで円安や非資源・資源価格が底堅く推移していることが株価の下支え材料となっていたが、全体的に材料難であったことに加え、足元の円高はマイナス材料である。
そのため、避けたほうが良さそうだ。
今週の経済指標
なお、7月29日~8月3日の週は、30日(火)と31日(水)開催の米FOMC、31日(水)のパウエルFRB議長の記者会見、2日(金)発表の米雇用統計のほかに、30日(火)に7月米消費者信頼感指数、1日(木)に7月米ISM製造業景況指数、7月米製造業PMIの発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。
また、既述したとおり、30日(火)と31日(水)に日銀金融政策決定会合が開催され、31日(水)に植田日銀総裁の記者会見が予定されている。
こちらの内容にも注意したい。