知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年7月8日~7月13日)
2024年7月8日~7月13日の週のNYダウは方向感が出にくいものの、底堅い展開になりそうだ。
日経平均株価は、週の前半は不安定になると考えられるが、週の後半は概ね堅調に推移しそうだ。
先週の振り返り
2024年7月1日~7月6日の週の日経平均株価は、6日(金)にわずかに下げたものの、5日(木)まで上昇が続き堅調だった。
1日(月)は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は買い優勢となった。
後場の日経平均株価は利益確定売りに押され、前週末日比47円98銭高の39,631円06銭と小幅上昇して取引を終えた。
2日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇した流れを引き継ぎ、買い優勢となると上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価も上げ幅を拡大して4万円台を回復し、前日比443円63銭高の40,074円69銭で取引を終えた。
3日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となった。
後場の日経平均株価は高値圏で推移すると上げ幅を拡大し、前日比600円超高となる場面もあったが、前日比506円07銭高の40,580円76銭で取引を終えた。
4日(木)は、前日のNYダウが下落したものの、ナスダック総合指数が上昇したことを材料視して日経平均株価は上昇したが、上値が重い状態となった。
後場の日経平均株価は堅調に推移し、前日比332円89銭高の40,913円65銭と最高値を更新して取引を終えた。
5日(金)は、前日の米国市場が独立記念日の祝日で休場となり材料難であったが、日経平均株価はやや買い優勢に。
ただ、この日の夜に米雇用統計の発表があるため、次第に様子見ムードが広がった。
後場の日経平均株価は、材料難と利益確定売りから上値の重い展開になり、前日比1円28銭安の40,912円37銭とわずかに下落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年7月8日~7月13日の週のNYダウは、方向感が出にくい状態が続くとみられるが、底堅く推移しそうだ。
その理由として、パウエルFRB議長の発言が挙げられる。
このところ、FRB関係者から利下げに関して慎重な発言が相次いでいたが、2日(火)にポルトガルで開催されたECB主催の会合に出席したパウエルFRB議長が、インフレ鈍化に関する一段のデータを確認する必要があるとの見方を示すとともに、インフレ圧力抑制対策はうまくいっており、米国はデフレの道にあるとの見解を示した。
具体的な利下げ時期には明言していないが、米国の物価がディスインフレの途上にあるとの見方を示したことから、市場は9月までに利下げを開始するとの観測を強め、この日のNYダウとナスダック総合指数は上昇。
金価格も上昇するなど市場はポジティブな反応を示した。
また、6月30日(日)に行われたフランス下院選で、マリーヌ・ルペン氏が事実上率いる極右「国民連合(RN)」が得票率トップとなったものの、絶対多数に必要な議席数に達しないことが判明したため、市場が懸念した欧州政情不安が後退した。
このことも、2024年7月1日~7月6日の週のNYダウを下支えしたものと考えられる。
2024年7月8日~7月13日の週は、パウエルFRB議長が米上院下院で半期に一度の議会証言を行う。
9日(火)に上院銀行委員会、10日(水)に下院金融サービス委員会で議会証言が行われる予定である。
現状、2日(火)のECB主催の会合での発言におけるスタンスが維持されると考えられるが、発言内容に市場の注目が集まるだろう。
2日(火)の会合で、パウエルFRB議長は最新の経済データはインフレが再び鈍化傾向をたどっていることを示唆しているとし、「最近見られたようなデータがさらに続くのが望ましい」と述べたことから、引き続き米経済指標には注意したい。
なお、5日(金)に発表された6月米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比+19.0万人に対し、同+20.6万人と上振れたが、前月の同+21.8万人から低下。
平均時給も前月比+0.3%と、前月の+0.4%から伸びが鈍化した。
一方で、失業率は事前予想の4.0%から悪化し4.1%となり、前回(4.0%)からも悪化した。
この結果を受けて、市場は9月のFOMCで利下げを開始するとの見方が強まっているが、それまでにあと2回米雇用統計の発表が控えているため、今後の米経済指標の結果を市場が注目することは変わらないだろう。
11日(木)には6月米消費者物価指数、12日(金)には6月米卸売物価指数の発表もある。
特に11日(木)の6月米消費者物価指数には市場の注目が集まると考えられるため、注意したい。
インフレ圧力の低下がみられる結果となった場合には、9月までの利下げ確度が高まったとして市場は好感するとみられ、NYダウやナスダック総合指数は上昇すると考えられる。
加えて、7日(日)の仏下院選挙の決選投票の結果も2024年7月1日~7月6日の週のNYダウやナスダック総合指数に影響を与えると考えられるため、注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
2024年7月8日~7月13日の週の日経平均株価は、週の前半にETFの分配金捻出売りが入るとみられているため、不安定な展開になりそうだ。
売りによって下落しても日経平均株価の下値は堅いだろう。
週の後半は概ね堅調に推移するとみられるが、6月米消費者物価指数の結果が日経平均株価にも影響を与える可能性があるため、注意したい。
今週の推奨セクター
2024年7月8日~7月13日の週に推奨したいのは、医療データを扱う企業である。
医療系のITを手掛ける企業を大きく分けた場合に、医療データと医師会員サイトを主に扱う企業とに分けられるが、医療データは需要が強く、ここ数年で医療データの利活用が進んでいる。
需要の一巡を見越して株価が軟調になっているところもあるが、今後は医療データの利活用が進み市場拡大が意識されて再評価される可能性がある。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは医薬品の中でも低分子医薬品の割合が高い企業である。
今後、医薬品業界は低分子からバイオ医薬品へとシフトするとみられているが、その際に原価率が低下する傾向にある。
低分子医薬品が主力の企業はこのことが懸念材料になると考えられるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、7月8日~7月13日の週は、9日(火)、10日(水)のパウエルFRB議長の議会証言、11日(木)の6月米消費者物価指数、12日(金)の6月米卸売物価指数のほかに、12日(金)に7月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表があるため、その結果にも注意したい。