知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年9月9日~9月14日)
9月9日~9月14日の週のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
特に日経平均株価は円高の影響もあり、上昇時も上値は限定的なものになるだろう。
先週の振り返り
9月2日~9月7日の週の日経平均株価は大幅下落する日もあり、軟調だった。
2日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢でスタートしたが、その後は上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、円高の影響から軟調に推移し、前週末比53円12銭高の38,700円87銭で取引を終えた。
3日(火)の日経平均株価は、前日の米国市場がレイバー・デーで休場となったため、円安進行を受けてやや買い優勢でスタートしたが、その後は材料難から上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、値がさ半導体関連株の利益確定売りによって小幅に下落し、前日比14円56銭安の38,686円31銭で取引を終えた。
4日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したことから、売り優勢となると下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は幅広い業種が売られたことから一時1,800円超安下落し、前日比1,638円70銭安の37,047円61銭で取引を終えた。
5日(木)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価は売り優勢で取引をスタートすると、円高進行を受けて下げ幅を拡大する場面もあった。
後場の日経平均株価は、米雇用統計の悪化を懸念した売りから下げ幅を拡大し、前日比390円52銭安の36,657円09銭で取引を終えた。
6日(金)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことを受けて、日経平均株価は買い優勢で取引を開始したが、円高進行を受けて上げ幅を縮小するともみ合いとなった。
後場の日経平均株価は、為替の円高進行から弱含みとなり、400円超安となる場面もあったが、前日比265円62銭安の36,391円47銭と4日続落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
9月9日~9月14日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
11日(水)に米8月消費者物価指数、12日(木)に米8月卸売物価指数が発表されるなど、注目度の高い経済指標が発表されるためである。
9月FOMCにおける利下げ確度が高まっているものの、9月2日~9月7日の週に発表された注目度の高い経済指標の結果が冴えないものとなったため、9月9日~9月14日の週も経済指標の結果に一喜一憂する展開になるだろう。
たとえば、4日(水)に発表された7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は、事前予想の810.0万件に対し、結果は767.3万件と下回る結果となった。
同日に発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)も、7月以降の米経済活動が縮小傾向にあると報告した地区が増え、雇用主が採用を絞り込む姿勢を強めていることを指摘。
米国の景気が緩やかに減速していることを示す結果であったことが懸念されることとなった。
また、5日(木)に発表された8月米ADP雇用統計は、事前予想の前月比+14.5万人に対し、結果は+9.9万人と大幅に下回る結果となり、3年半ぶりとなる低い伸びにとどまった。
さらに、3日(火)に発表された8月米ISM製造業景況指数は、事前予想の47.5に対し47.2となり、年初来最低となった7月からは改善したものの、予想を下回る結果となっている。
このように、9月2日~9月7日の週に発表された注目度の高い米経済指標が総じて弱いものになったことから、9月利下げに対する市場の期待感が高まる一方で、米国の景気減速に対する警戒感も強まった。
そうした中、6日(金)に発表された8月米雇用統計は、 非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比16.0万人に対し、14.2万人と下回ったが、前回7月の同8.9万人からは増加している。
失業率は事前予想どおり4.2%と前回7月の4.3%から改善したことが判明したほか、平均時給は前年同月比+3.8%と事前予想の同+3.7%を上回ったうえに、前回の同+3.6%からも拡大し、3か月ぶりに伸びが拡大した。
結果を受けて、米国の景気減速に対する懸念が後退し、NYダウは一時250ドル超値上がりしたが、その後は売られる展開となり、前日比マイナス圏に沈んで軟調に推移した。
このように、注目度の高い経済指標の結果に翻弄されやすい状態が9月9日~9月14日の週も続くと考えられるため、注意が必要だ。
特に、11日(水)の米8月消費者物価指数に市場の注目が集まると考えられ、結果を受けてNYダウが大きく動く可能性もあることに留意したい。
さらに、10日(火)には民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領がテレビ討論を行う予定である。
発言の内容によってはNYダウの動向に大きな影響を与える可能性があるため、注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
9月9日~9月14日の週の日経平均株価は、NYダウの動向を受けて不安定になりやすいと考えられる。
加えて、13日(金)がメジャーSQの算出日であることも、値動きを不安定化させる可能性があるため、注意が必要だ。
仮にNYダウが堅調に推移したとしても、このところの日経平均株価は円高が重しになるケースが多く、上昇トレンドにはなりにくいだろう。
今週の推奨セクター
9月9日~9月14日の週に推奨したいのは、重機械や原発などのプラントを手掛ける企業である。
2022年以降の国防予算の拡大や、原発に対する再評価などから事業環境が良化しつつある。
景況感に左右されにくいため、今後選好されそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは鉄鋼の中でも高炉である。
国際鉄鋼需給の悪化や内需の低迷、自動車生産の停滞の影響により、決算内容は全体的に冴えないものになっている。
それに加え、中国での減産や需要減退などの影響、世界的な鉄屑市況の悪化、円高による国内の鉄屑市況の悪化といった悪材料もあり、選好されにくいと考えられ、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、9月9日~9月14日の週は、11日(水)の米8月消費者物価指数、12日(木)の米8月卸売物価指数のほかに、13日(金)に9月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表があるため、結果に注意が必要だ。
また、9日(月)には日本の4-6月期四半期GDPの発表があるため、こちらにも注意したい。