知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2025年5月5日~5月10日)
5月5日~5月10日の週のNYダウと日経平均株価は概ね堅調に推移すると考えられる。
先週の振り返り
4月28日~5月3日の週の日経平均株価は、上昇が続いた。
28日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて続伸してスタートすると、買い優勢となった。
後場の日経平均株価は足踏み状態が続き、前週末比134円25銭高の35,839円99銭で取引を終えた。
29日(火)の東京株式市場は、昭和の日の祝日のため休場だった。
30日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったが、買い一巡後は上値の重い展開となった。
後場の日経平均株価は上値の重い状態が続き、前日比205円39銭高の36,045円38銭で取引を終えた。
1日(木)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したが、日経平均株価は米中貿易協議に対する楽観的な見方が広がったことから買い優勢となった。
後場の日経平均株価は高値もみ合いとなり、前日比406円92銭高の36,452円30銭で取引を終えた。
2日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となると、上げ幅を拡大する展開となった。
後場の日経平均株価は堅調に推移し、前日比378円39銭高の36,830円69銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
5月5日~5月10日の週のNYダウは、概ね堅調に推移すると考えられるが、引き続きトランプ米政権の関税を巡る報道や、6日(火)と7日(水)に開催される米FOMCの動向に翻弄される可能性も考えられるため、注意が必要だ。
29日(火)にトランプ米政権は、追加関税措置を軽減する2つの行政命令を発表。
自動車メーカーが、サプライチェーンを再構築する時間を確保するため、米国内で自動車を生産するメーカーを対象に、2年間限定で、輸入する自動車部品に課される関税について負担を軽減するとした。
これを受けて市場の懸念が後退したことから、4月28日~5月3日の週のNYダウが堅調に推移する一因となった。
また、ベッセント米財務長官が、通商交渉が進展していることを明らかにしたほか、米商務長官が最初の貿易協定を巡り、相手国の首相、議会の承認待ちであるとインタビューで述べたこと、さらに、米政府が中国に関税協議を打診しているとの報道やウクライナとの天然資源協定に米国側が署名の用意があると明らかにしたことなどから、4月28日~5月3日の週は貿易摩擦や関税戦争、ウクライナ情勢に対する懸念が後退した格好だ。
そうした中、懸念されていたのが米国の景気後退であり、2日(金)発表の4月米雇用統計は、前回よりも弱い内容が予想されていた。
しかし、4月非農業部門雇用者数変化は前月比+17.7万人と、事前予想の同+13.0万人を大幅に上回る結果となった。
なお、3月非農業部門雇用者数変化については、当初の22.8万人から18.5万人に下方修正されている。
4月失業率は、前月および事前予想どおり4.2%、平均時給は、事前予想および前月の前月比0.3%を下回る同0.2%となり、前年同月比も事前予想の+3.9%を下回る+3.8%となった。
大幅な鈍化が予想されていた非農業部門雇用者数変化が小幅なものにとどまったこと、失業率が横ばいで推移していることなどから、市場には安心感が広がり、この日のNYダウは堅調に推移している。
ただ、市場の見方は決して楽観的なものではなく、景気悪化の兆候は今年の秋ごろから顕著になるとの見方が一部でされていることや、政府効率化省(DOGE)が行っている連邦政府職員の人員削減の影響が、今回の米雇用統計の結果には完全に反映されているわけではないとの見方もされているため、しばらくは、米国の景気後退が市場の懸念材料として重しになりそうだ。
そのため、6日(火)と7日(水)に開催される米FOMCでは、パウエルFRB議長がどのような発言をするのかに注目が集まるだろう。
政策金利については据え置きが予想されているものの、景気後退に対する懸念から6月以降の利下げを予想する向きもあるため、パウエルFRB議長の利下げに関する発言にも注意が必要だ。
さらに、5日(月)の4月米ISM非製造業景況指数など、5月5日~5月10日の週に発表される米経済指標の結果にも併せて注目したい。
加えて、トランプ米政権の関税に関する発言や、ウクライナ情勢についての報道が相場を乱高下させる可能性があるため、引き続き注意する必要がある。
今週の日経平均株価は?
5月5日~5月10日の週は、5日(月)、6日(火)が祝日で休場になるため、東京株式市場は3日間しか開かない。
トランプ米政権が自動車に関する関税措置の負担緩和を表明していることから、市場の警戒感が後退し、日経平均株価は概ね堅調に推移しそうだ。
ただし、トランプ米大統領の発言やトランプ米政権の閣僚の発言によって流れが大きく変わる可能性もあるため、その点に注意したほうがいいだろう。
今週の推奨セクター
5月5日~5月10日の週に推奨したいのは、化学の中でも塗装である。
その中でも海外での展開に積極的なところに注目したい。
アジアではインドや東南アジア諸国など、中長期的に高い成長率に期待できる国に進出しているところは、今後その恩恵を受けやすいだろう。
加えて、M&Aやマーケティング施策に積極的なところは選好されやすいと考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、医薬品の中でも海外の売上高をロイヤリティで受領していないところである。
1月末にトランプ米大統領が輸入医薬品に対し、関税を課す考えを示したことから、株価が軟調に推移している。
その後、トランプ米政権は医薬品と医薬品原料を対象に、輸入に頼っていることが安全保障に及ぼす影響について4月1日に調査を開始したと明らかにした。
医薬品の関税に対する警戒感から株価が下落しやすい地合いが続くとみられるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
5月5日~5月10日の週は、5日(月)の4月米ISM非製造業景況指数、6日(火)、7日(水)の米FOMC、7日(水)のパウエルFRB議長の記者会見のほかに、5日(月)に4月米サービス業PMIと4月米総合PMIの発表がある。
これらの結果や内容に注意が必要だ。